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ラグビー コラム 2024年10月11日

「チャレンジ」のテーマ掲げて3連勝狙う関西学院大。同志社大は、今季初出場のFB村岡が引っ張る

ラグビーレポート by 田村一博
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今季、関西大学Aリーグの開幕から2勝している関西学院大と、2敗の同志社大が戦う。
10月13日の会場は、たけびしスタジアム京都。京都産業大×関西大に先立って、11時45分のキックオフだ。

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昨季は関西リーグ3位となり、今春の関西大学春季トーナメントでも準優勝と力を伸ばしている関西学院大は、前年からのメンバーが多く残っていることがチームに安定感をもたらしている。
チームを束ねているHO平生翔大主将も、「スタンダードが上がっている」と話す。

特に平日は、学生主体のチーム運営を基本としている。しかし、「普段から強度を落とさないで練習し続けられています。その成果がプレーに出ている」とキャプテンは体感している。

そして続けた。
「ラグビー以外の面でもチームの成長を感じています。凡事徹底。人として当たり前にやるべきことができるようになって、チームカルチャーも生まれています」
マインドセットも以前とは変わっている。

気持ちの充実、自信は、2戦目の立命館大戦に表れた。
この試合、関西学院大は前半7-17とリードを許した。後半に入ってのトライで差を詰めるも、再び引き離される展開。最終盤まで14-22のスコアだった。

平生主将がモールからインゴールに入って19-22としたのが後半38分。逆転したのは、インジャリータイムに入ったあとだった。
NO8小林典大がスクラムから左を突き、逆転トライを挙げたのは後半46分。なかなか攻めきれぬ時間も慌てず、辛抱強く戦って得た結末だった。

平生主将は、うまくいかなかった時間を振り返り、「相手の前に出てくるディフェンスに受けてしまった」と反省する。
ただ、試合中に修正できたのは収穫だ。「自分たちの正しい深さ、ポジショニングにして、細かいプレーも見直せたから、最後にFWとBKが連係をとってプレーできたと思います」

同志社大戦には「チャレンジャー」というテーマを掲げて挑む。好調な自分たち。相手は不調。しかし、これまでのことなど関係なく、先に前に出る意識で戦う。

「23人全員がひたむきに、泥臭く、戦います。部を代表して戦えることに感謝して、目指しているラグビーを体現するつもりです」

 

この試合、主将やルーキーながら3番で先発してきた小杉太郎は、ベンチスタートとしてインパクトを与える役に回るが、セカンドロー以降は、いつものメンバーが先発する。
NO8小林は力強さでチームを前に出す存在。FBには、仲間にモメンタムを与えるプレーをする武藤航生が入った。全員が強みを出して戦う。

一方の同志社大は連敗中も、前戦の天理大戦は28-52と敗れたが、後半30分まで28-31と競り、粘りを見せた。
一人ひとりの力はある。今季は昨年までより練習量も、走る量も増やし、基礎プレーも繰り返してきただけに、チームにまとまりが出つつある。

主将の寺北亘佑(LO)を怪我で欠くチームは、関西学院大戦のゲームキャプテンにFB村岡麟太郎(副将)を指名した。
村岡は今季初出場。怪我で、春から夏と練習に参加できなかった。しかし秋に向け、地道に重ねてきた努力の結果を出したい気持ちは強い。
「一番うしろから、声をかけ続けます。チームに対して前向きな言葉をかけていきたい。スペースのカバーにも走るし、積極的にボールをもらいにいきます」と話す。

天理大戦では、開幕の京産大戦で出た課題を修正して臨んだことが奏功した。
初戦はフェーズを重ねられては相手にスペースを与え、セットプレーからあっさり失点することもあった(97失点)が、それらを改善。ボールを手にすれば攻め手があることを証明した。

ディフェンスで頼りになるのは、鈴木崇敏、山中颯真の両FL。働き続け、チームに勇気を与えてくれる存在となっている。ゲームコントロールは、SH藤田海元、SO大島泰真が受け持つ。
1年生のNO8中谷陸人は春から試合に出て、周囲の信頼も高まっている。相手ディフェンスを崩すための杭になれば、チャンスが生まれることも多くなるだろう。

昨季は全敗。今春のトーナメントでも成績が振るわず、部の雰囲気が重いこともあった。
しかし最上級生を中心に前を向いて進んでいく空気を作り、それを全体に広めている。
天理大戦で出てきた粘りと積極性を、さらに大きくしたい。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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