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昨季の同リーグで2位だった流経大は、今季初戦で立正大に27-31と敗れた。
その試合を振り返り池英基監督は、「自分たちのやってきたことは出せましたが、簡単なミスで勝ち切れなかった」と反省する。
しかし、その試合で出た課題を修正して臨んだ関東学院大戦には30-18と勝利し、チームの状態はいいと話す。
「ディフェンスが改善し、私たちがやりたいダイナミックラグビー、ボールを動かすスタイルを見せられるようになりました」
東洋大戦については、選手、スタッフも楽しみにしているという。
「相手はフィジカルも強いし、いいチーム。まずはディフェンスを崩していきたい。そのためにはグラウンドを大きく使って攻め、自分たちのはやいテンポで攻めていく」と勝利へのイメージを口にした。
先発メンバーに4年生は5人だけ。若いチームだ。しかし試合を重ねるごとに、3年生以下の自主性が高まっているという。
そのお陰でチームの一体感が増している。掲げたゲームプランの遂行力も高まっている。
3年生の中でも頼りになるのが、関東学院大戦でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出されたNO8ティシレリ・ロケティだ。
パワフルなボールキャリーだけでなく、周囲を牽引する姿勢が出ている。夏に負ったケガも癒えて好調な状態だ。
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PRの土屋英慈、SH幸妻怜治、WTB仲野優輝ら3年生もリーダーシップを発揮している。
1年生のFL佐藤椋介は思い切ったぷれーが持ち味。前へ出れば止まらなくなるチームのモメンタムを生みたい。
LOシンクル蓮は池監督とよくコミュニケーションを取り、指揮官の考えをスマートに、チーム全体に浸透させている。
SO佐々木開、CTB横山伊織の副将たちも、プレーと連係で主将をサポート。チームで一番のスピードスタ―、FB中村楓馬も、最上級生、そして切り札として積極的に走る。
チームスローガンは『ALL IN』。一人ひとりが力を出し切ることで、勝利をつかみにいくつもりだ。
東洋大は、簡単な連係ミス、コミュニケーション不足が出た初戦(対大東大戦/20-26)、追い上げ届かず敗れた。
しかし法大との試合では、準備期間から選手間の情報交換を密にして、試合でも序盤から集中力戦い、勝利を挙げた(52-43)。
ただ、勝利した試合でも、メンバー交代が相次いだ終盤に失点が増えたのは気がかりな点。
福永昇三監督は、「ディフェンスの連係が乱れたところもあったので、そこも直し、(昨季2位の流経大が相手の)次戦にはチャレンジャーとして臨みたい」と話す。
チームに勢いを与える存在となっているのがFL、7番で先発する森山海宇オスティンだ。
もともとディフェンスが好きで、ハードタックルを繰り出す。3年生となり、「チームの象徴になる存在。どんどん成長している。ボールキャリーの能力も高まり、危機管理能力というか、スペースができた時にすぐに察知して動き、キックを蹴られてもすぐ戻る」と指揮官は信頼を寄せる。
3年生となり積極的に声を出し、チームの雰囲気作りもおこなうようになっている。
「リーダーとしての自覚も強くなってきている」(監督)ようだ。
人格者であるPR笠巻晴太主将のチームをまとめる力も高まっている。夏を過ぎて、より声を張れるようになってきた。
誠実な人。努力家でもある。背中で引っ張ることができるリーダーの変化は、チームの結束力を高めてくれそうだ。
211センチのLOジュアン・ウーストハイゼンも、もう3年生。来日したからのハードトレーニングにより、体つきも変わり、走力も上がった。
日本語でのコミュニケーション能力も高まり、これまで以上に潜在能力を発揮できるようになっている。
両校とも、大型選手と個々の能力が高い選手が揃っている。
アタックマインドの高い攻防がくり広げられそうだ。
文: 田村 一博
田村一博
前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。
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