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ラグビー コラム 2024年9月9日

【ハイライト動画あり】ルーキーWTB白井瑛人、デビュー戦でハットトリック。明大、青学大との開幕戦に大勝

ラグビーレポート by 田村一博
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晴天に恵まれた札幌で紫紺のジャージーが11トライを重ねた。
9月8日(日)、月寒ラグビー場でおこなわれた関東大学対抗戦Aの青山学院大学(以下、青学)との試合で、明治大学(以下、明治)が73-17のスコアを刻んだ。2024年シーズンの初戦は快勝だった。

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神鳥裕之監督はシーズン開幕前、「(苦しんだ春シーズンと夏合宿の試合を経て)だいぶセイムページを見てプレーできるようになってきた」と、明治の現状を話していた。
事実、意志が繋がって生まれたトライがいくつもあった。

先制トライは青学だった。前半7分、スローイングのボールがジャンパーの上を抜け、ラインアウトの最後尾に並んでいたWTB川端航聖の手に入る。
背番号11はそのまま前へ出て、インゴールに入った。

0-5とされた明治だったが、前半14分にルーキーのWTB白井瑛人が挙げたトライを皮切りに、3連続トライを含む4トライを前半に挙げた。

白井の最初のトライはスクラムから攻めた。
WTB安田昂平、CTB平翔太が縦に入り、FWがさらに杭を打ち込む。最後はFB金昂平が転がしたグラバーキックに反応した背番号11がインゴールに入った。

白井は19分にもトライラインを越えた。
始まりは、自陣深い位置で相手のショートパントを受けたシーン。FB金が思い切って前進し、WTB安田にオフロードパスをつないだ。
この直後のプレーが明治らしさ満点だった。SH柴田竜成のさばいたパスを、LO物部耀大朗、NO8木戸大士郎主将、FL最上大尊が豪快に前へ運び、ゴール前へ。白井が最後に左スミに飛び込んだ。

28分のHO西野帆平のトライはPK後のラインアウト→モールを押し込んで得たもの。そして38分の攻撃が、ふたたび明治らしかった。

キックカウンターで前へ出た後、ラックから出たボールにFB金が走り込みオフロードパス。それを受けたPR檜山蒼介が鋭く走り、LO物部、CTB平で5点を追加した。
仕掛ける者の意志を周囲が察知してすぐに反応したから生まれたトライが多かった。
明治が26-10とリードしてハーフタイムを迎えた。

ラグビー 関東大学対抗戦2024

【ハイライト動画】明治大学 vs. 青山学院大学

前半36分、ラインアウトのムーヴからLO梁取駿太がトライを奪った青学だったが、後半は1トライだけに終わった。
一方、明治はさらに7トライを追加した。

後半最初のトライも白井が決めた。デビュー戦でハットトリック。スクラムからCTBが前へ出た後、左に展開したボールを左中間に置いた。
昨季の花園を制した桐蔭学園出身の1年生は178センチ、83キロとバランスの取れた体躯。ポジショニングがいいから決定機に必ず顔を出していた。

明治はそのトライ後の約35分間に6トライを奪ったが、そのうち4トライがラインアウトからのモールを押し切ったものだった。
反則を誘い、敵陣深くへ。途中出場のHO山本文士郎がスローイング後、モール最後尾でボールを持って舵取りをする。安定感あるプレーを見せた。
紫紺の塊が生むパワーは大きい。今季の大きな武器とまりそうだ。

プレーヤー・オブ・ザ・マッチには、先発した1年生のSO萩井耀司が選ばれた。ハットトリックのWTB白井と同じ桐蔭学園出身だ。
各選手の力をうまく引き出すパフォーマンスを見せた司令塔は、「この試合を通して、(チームは)まだまだ課題があると分かった」と話した。
春から経験を積み、成長してきた。まだまだ大きな伸びしろがある。

この日は、日本代表に招集されたFL利川桐生は欠場し、WTB海老澤琥珀は途中出場。U20代表の伊藤龍之介もベンチスタートながら、明治は尻上がりに調子を上げた。
若い力と競争で、シーズンの深まりとともに結束を高めていきそうだ。

青学は結果的に大量失点となったが、いいところも見られた。
ゴール前へ攻め込んだときの決定力はあり、一人ひとりの前へ出るタックルは力強かった。組織としてもっと粘れるようらなれば失点も抑えられそうだ。

スクラムで紫紺のパックを押し切り、敵陣深くに居座る時間帯もあった。後半唯一のトライもそこで生まれ、FWは自信もつかんだだろう。
100周年イヤーの初戦に結果は出なかったが、開幕前にCTB河村凌馬主将が「思い切ってチャレンジする。自分たちの力を知るいい機会」と言っていたように、この先進むべき道が見えたはずだ。
武器とスタイルを研ぎ続ける日々は、さらに続く。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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