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ラグビー コラム 2024年9月4日

ラグビー関東大学対抗戦、9月7日(土)開幕。各大学の指揮官、キャプテンに意気込みを聞く

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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開幕記者会見で顔を揃えた対抗戦の主将

関東大学ラグビー(対抗戦A、リーグ戦1部)が、9月7日(土)開幕するにあたり、2日(月)には東京・日本ラグビー協会で、キックオフミーティングが行われた。今季は16チームの指揮官だけでなく、キャプテンやリーダーも参加して実施された。

まず、関東対抗戦の8チームから見ていきたい。昨年の順位は帝京大学明治大学早稲田大学筑波大学慶應義塾大学立教大学青山学院大学、成蹊大学だった。今年、成蹊大学に替わり、日本体育大学が昇格した。

昨年まで帝京大学が、大学選手権と合わせて3連覇を達成。なお、昨季も帝京大学と明治大学の対抗戦勢が大学選手権の決勝に進出したため、今季も大学選手権には上位5チームが参加することができる。

4連覇を狙う帝京大学は、今季もOBである相馬朋和監督が指揮を執る。夏に菅平高原で早稲田大学に負けて、「改めて自分たちの強みがわかった」と振り返った。合宿中は時間が取れたことで、スクラム練習にも時間を割いたという。

注目の新戦力として1年のLO(ロック)坪根章晃(東福岡)、FL(フランカー)福田大和(中部大春日丘)、CTB(センター)佐藤楓斗(尾道)の3人の名を挙げた。

帝京大学の青木惠斗キャプテン

また、キャプテンFL青木惠斗(4年)は「対抗戦では早稲田に負けられない。個人で戦っては勝てないので、チームでつながって、グラウンドに立つ15人が同じ景色を見て、コンタクトで勝ち続けたい」と意気込んだ。自チームの注目選手としてU20日本代表で活躍したSO(スタンドオフ)本橋尭也(2年)を推した。チームスローガンは変わらず「Enjoy&Team Work」だ。

ラグビー 関東大学対抗戦2024

続いて明治大学。昨季は創部100周年の節目の年だったが、対抗戦、大学選手権ともに帝京大学に敗れて悔しい思いをした。101年目のシーズンも、OBの神鳥裕之監督が指揮を執っている。

昨季は4年生中心だったために神鳥監督は「チームを一から作り直す気持ちで取り組んでいる。全員が主役になるチャンスがあるため、競争力を高めながら練習に励んでいる」と話す。自チームの注目選手は、1年生ながら春、10番を背負ったSO萩井耀司(桐蔭学園)だという。ただ、2年生の伊藤龍之介、伊藤利江人もおり、ライバル争いは激しい。

木戸大士郎キャプテン(明治大学)

キャプテンは1年から試合に出続けているNO8(ナンバーエイト)木戸大士郎が就いた。春から夏にかけては、勝ったり負けたりを繰り返しているが、U20日本代表組が夏合宿から戻ってきており、「競争力が上がり、だんだん1つにまとまってきている。セットプレー、オフザボールでは負けたくない。夏合宿でチームとしての成長を実感できたので、対抗戦でも同じように成長し続けたい」と前を向いた。スローガンはズバリ、「奪還」だ。

続いて、昨季は年越しができなかった早稲田大学。4シーズン目を迎えるOBの大田尾竜彦監督は、夏合宿で4年ぶりに帝京大学を下して「日本代表から佐藤健次キャプテンが戻ってきて、飲まれなかった。やってきたことが出てきた」と手応えを口にした。注目の選手として、「非常にタフで80分働き続けられる」と春から先発を張っている1年生のFL城央祐(桐蔭学園)の名を挙げた。

佐藤健次キャプテン(早稲田大学)

主将は1年生から先発での出場を続けるHO(フッカー)佐藤が就いた。スローガンは「Beat Up」を掲げた。昨年の反省から「ラグビーを楽しむ」ことを心がけているという佐藤は、春から夏にかけては日本代表活動に参加し、「ボールを持っていないときの動きや、ディフェンスも良くなった」と振り返った。

春季大会で明治大学、夏合宿で帝京大学を破った試合では出色の出来を見せていた。やはり早稲田大学が優勝するためにはHO佐藤、日本代表で活躍したFB(フルバック)矢崎由高(2年)、2人の存在が欠かせない。

続いて、昨季は4位に入った筑波大学。今年、創部100周年を迎えている。BK(バックス)陣はタレントが揃い、決定力に長けている。OBの嶋崎達也監督は「昨年のチームとの違いはスクラム。ラインアウトも負けない」とセットプレーに手応えを感じている。

春シーズンはU20日本代表や教育実習に参加している選手もいたが、「経験が少ないメンバーが経験を積めた」と前向きだ。PR(プロップ)茨木海斗(東福岡)、LO/NO8中森真翔(桐蔭学園)、SH(スクラムハーフ)/SO井上達木(佐賀工業)ら1年生も大きな戦力となっている。

キャプテンには、WTB(ウィング)中野真太郎(4年)が就いた。4年生に熱量のある選手が多いということで、「よっしゃあ」をスローガンに掲げた。自チームの注目選手としてゲームコントロラーであるSO/CTB楢本幹志朗(3年)を挙げた。

「BKにはランナーがいて、タレントが揃っているので、他チームの脅威になる。FW(フォワード)も泥臭い選手がたくさんいて、身長の高い選手も多いので、強みのラインアウトを活かして戦っていきたい」と意気込んだ。100周年の節目のシーズン、対抗戦で上位に食い込んで、大学選手権を迎えたい。

昨季5位だった日本ラグビーのルーツ校である慶應義塾大学。昨季に続いてOBの青貫浩之監督が指揮を執っており、「攻めるようにディフェンスし、昨年のチーム、他校を上回りたい」と話す。

中山大暉キャプテン(慶應義塾大学)

今季は4年のHO中山大暉キャプテン中心にまとまりがあり、「明るくて勢いがある」と手応えを口にする。1年生ではFB小野澤謙信(静岡聖光学院)、FL中野誠章(桐蔭学園)らが、レギュラー争いに加わってきそうだ。

キャプテンは1年から試合出場を続けるHO中山が就いた。創部125周年を迎え、「奇跡に頼ることなく、ひたむきに練習を重ね勝利を掴む」という意味を込めた「No Majic」を掲げた。

昨季はキッキングゲームに注力し過ぎた背景から中山主将は、「今年度は攻める慶應をキーワードに挙げていて、アタック、ディフェンスともに前に出るラグビーを目指している」。春シーズンのトライ数は昨年の倍となっているという。「ラグビー生活最後というところで出し切って、同級生にも勝ってチームをベスト4以上に導いて終わりたい」。

続いて一昨季、100周年だった昨季とも、2勝で惜しくも大学選手権出場を逃した立教大学。今年もOBの元治裕一監督が指揮を執っている。今季のスローガンは「BLOOM」と定めた。大学選手権出場という夢を咲かせ、花のように愛され得るチームを目指すという思いが込められた。

CTB佐藤侃太朗(3年)、FB大畑咲太(2年)、BKにタレントが揃っており、FWの活躍が鍵を握るという。注目の新戦力としては1年のWTB村上有志(東福岡)がいる。

伊藤光希キャプテン(左前)と桐蔭学園の同期3人

キャプテンには1年から試合に出場しているSH伊藤光希(4年)が就いた。「今年のチームは競争力が高くて、アグレッシブにプレーするところを見て欲しい。まずは自分がタフな選択をして行動することを意識している」。

「大学選手権出場という目標に対して、自分たちはチャレンジャーなので、すべてのチームに勝つ準備をしたい」と意気込んだ。注目選手は、「ゲームメイクが良く、身体が強い選手で、アタックでもディフェンスでも前に出てくれる」とハーフ団を組むこともあるSO/CTB安食龍之介(4年)を挙げた。

昨年は1勝しかできず入替戦に回ってしまった青山学院大学。今季からOBであり、クボタで活躍した糊谷浩孝氏がHC(ヘッドコーチ)に就いた。スローガンに「徹底」を掲げた。

「今までの青学の弱い部分をなくしたいこと、目標に対して徹底をしないと達成できないという想いから決めた」。春から夏にかけて課題が改善できており「成長してきて、チーム全体がレベルアップしている」と手応えを口にした。注目の1年は、FL松崎天晴(東福岡)、WTB山本啓太(常翔学園)の2人の名を挙げた。

キャプテンには1年から試合に出て、昨年から中軸となったCTB河村凌馬(4年)が就いた。「今年のチームは4年生を中心に、誰でも意見を言い合える環境があり、学年の垣根を越えた仲の良さがあり、一体感がある」と話す。

やはり、大学選手権出場するためには最低3勝が必要であり、慶應義塾大学をターゲットとしている。注目選手としてSO青沼駿昌、CTB榎本拓真(ともに4年)を挙げた。2人とともに河村主将がBKを引っ張っていく。

最後は今季、再昇格を果たした日本体育大学だ。OBの秋廣秀一監督が指揮を執っている。攻守に渡り、湧き出るサポートで数的優位で勝つという意味を込めて「GUSH」をスローガンに掲げた。

3年前にも大学選手権に出場した日本体育大学と言えば、伝統的にランニングラグビーが強みで「ランニングラグビーを進化させた、ハイスピードランニングラグビーで勝負する」と語気を強めた。注目選手としてはセブンズTIDキャンプに参加したFB大野莉駒(3年)、1年のNO8/PRパエワ・レワ(日体大柏)、CTB佐藤晟(利府高校)の3人を挙げた。

萩原一平キャプテン(日本体育大学)

キャプテンはセットプレーを支えるHO萩原一平(4年)が就いた。春から夏にかけて「FWとBKの連携が取れてきて、お互いにコミュニケーションが取れている」と成長を実感している。また春に練習試合で慶應義塾大学に大敗してからディフェンスに力を入れてきたという。

萩原キャプテンは「(昇格組で)良くも悪くも失うものがないので、5位以内に入って大学選手権出場という目標を目指して頑張りたい。フロントローとしてセットプレーの安定を求めながらも、テンポの良いラグビーをやっているので、体力的なところはきついところがあるが、それができれば十分に戦える」と手応えを口にした。

今季の対抗戦の王者に輝くのはどのチームか、また、大学選手権に出場5チームがどこになるのか――。最後まで目が離せない戦いが続きそうだ。

◆各大学の開幕戦
・9月07日(土)15:00 日本体育大学vs.帝京大学 @神奈川・秋葉台
・9月08日(日)13:00 明治大学vs.青山学院大学 @北海道・月寒
・9月14日(土)15:00 立教大学vs.早稲田大学 @東京・駒沢
・9月15日(日)16:00 慶應義塾大学vs.筑波大学 @茨城・Ksスタ

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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