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しかし早大戦ではアタックが噛み合い、64-35と快勝。高い潜在能力を秘めていることを示した。
東海大戦は、8月16日から始まった夏合宿を締めくくる試合となる。
昨年の大学選手権準決勝の試合登録メンバー中4年生は7人だけと、経験値の高い選手が何人も残っている今季。この夏の各試合のメンバーを検証すると、上級生と下級生のバランスがいい。
シーズンの深まりとともに実力が高まっていきそうだ。
昨秋は出場機会も少なかった1番の森仁之輔はU20日本代表での活動を通して大きく成長。機動力もあり、大きな期待がかかる。
この夏も明大戦、帝京大戦、早大戦と、関東の強豪との対戦にすべて先発。経験値を増やしている。
昨季は前半を12番でプレーし、シーズン途中から15番で活躍する上ノ坊駿介は、今季もFBで高い攻撃力を見せている。菅平での明大、帝京大、早大戦のそれぞれでトライを挙げた。対戦相手にとっては脅威となる存在だ。
留学生たちのパンチ力も健在。SO筒口允之のゲームコントロールもチームのパフォーマンスに直結することになるだろう。
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小松節夫監督は9トライを挙げた早大戦を終えて、「春は調子が良くなかったので、ここ(菅平)でなんとか上昇のきっかけをつかみたいな、と思っていました。怪我人も戻ってきて、スクラムなどのセットプレーが安定してきたので、うちのいいところがちょっとずつ出てくるようになった」と話した。
ただ、上向きになったチーム状況にも安心はない。敗れた帝京大戦については、「あの試合ではフィジカル面、特にスクラムでやられた。そうなると、いいところを出せなくなる」と振り返った。
自分たちの現在地をしっかりと把握する夏を過ごしている。
互いに攻め合った京産大戦では、FWに成長が見られた。
スクラムに定評のある相手のパックに対して互角以上だった。優勢に立つこともあり、木村季由監督は「だいぶ良くなった」。手応えをつかみつつある。
力強さの原点は、日常にある。
朝練の回数を週2回から4回に増やしたことで、指導陣の目が各グレードの一人ひとりに届くようになった。
重ねて、コロナ禍に鍛え込むことができなかった選手たちが上級生となり、実力を伸ばす。個々の成長が、チーム全体の水準を引き上げているようだ。
FL汐月佑心 、CTB近藤翔耶の共同主将体制で牽引する今季。汐月はハードタックルと真摯な態度でチームの先頭に立つタイプ。ゲーム全体をマネジメントするのが、近藤の役割だ。
近藤は京産大戦後、「この段階としてはいい状況」と語り、チームの前進を感じているようだった。
その試合では、両チームが互いにターンオーバーをして、されて、という展開。課題も収穫もあった。
東海大としては、上り調子にある天理大戦に勝ち、成長のスピードをはやめたいところだ。
文: 田村 一博
田村一博
前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。
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