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原田衛(左)とティエナン・コストリー
ラグビー日本代表は、8月25日日曜(日本時間26日)に、アウェイで「アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ2024」(PNC)の初戦となるカナダ代表戦を迎える。
6月のイングランド代表戦の先発で初キャップを得て、今後エディー・ジャパンの中軸となりうるHO(フッカー)原田衛(東芝ブレイブルーパス東京)、FL(フランカー)ティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ)のFW(フォワード)2人が、カナダのバンクーバーでオンライン会見に対応した。
第2期のエディジャパンとして、初のアウェイの遠征ということで原田は「土曜日を2回やって『どんだけ、土曜日あんねん』という初めての感覚でした。カナダに着いて2日目以降は夜中に起きて、まだ時差ボケがある」と笑った。
リーダーの1人でもある原田
6月~7月の試合を振り返りつつ、PNCに向けて原田は「アタックでしっかり得点を取り切ることができず、ミスで終わってしまった部分が多かったので、ターンオーバーの数を減らすことがPNCの課題」。
「キックカウンターで、ボールを奪われることが多かったので、キックリターンのところも重点的に練習している。アピールしていきたいのは、ボールキャリーの部分で、ボールをもらう回数を増やして、インパクト残すことができればいい」と語気を強めた。
手応えを感じているティエナン・コストリー
また、コストリーは「前回のシリーズで少し試合に出て、国際レベルを感じて自信がちょっとついた。国際レベルでは、リーグワンより、相手のサイズ、強さがあるので、自分のフィジカリティー、タックルを激しくするところで成長できる」。
「チームとしてフォーカスしているのは、フィジカリティー、ゴールドエフォート(1つの行動後、すぐに次のリアクションをすること)、セットプレー、3つは成長したい部分」と話した。
具体的にセットプレーでは、どういったことに注力しているのか。それについてコストリーは、「ラインアウトはこのグループとたくさんやってきたわけではないので、練習の回数を増やしている」。
大西将太郎のラグビー語ルシス
【動画】パシフィックネーションズカップの見どころ
「ワーナー・ディアンズのコーリングや動きに慣れて、もっとスムーズに動けるようにするとか、HOのスローイングのタイミングとか、どういうトリガーでラインアウトが始まるかとか、細かいところがわかるようになったので、ワンパック、ワンチームでできればいい」。
「スクラムは、イングランド戦ではペナルティを取れたが、ジョージア戦ではいくつかペナルティを取られたので、FLとして長くバインドついて、次のプレーを考えないで、スクラム押すマインドセットが大切」と話した。
PNCでは前回のシリーズでキャプテンを務めた、FLリーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス)が不在で、CTB(センター)立川理道(クボタスピアーズ東京ベイ・船橋)がキャプテンを務めている。
イングランド戦で先発し初キャップの原田
リーダーの1人でもある原田は立川キャプテンのリーダーシップについて「リーチさんとは違うタイプで、1人の人として尊敬できるし、頼れる。リーチさんがいるとかいないとか、関係なくできていると思う」。
「(立川主将は)プレーでも引っ張ってくれるが、みんなの意見を聞いたり、耳を貸したりするのが上手い。若手とか関係なく意見を聞いてくれるので、僕らからしてもやりやすい」と信頼を置いている。
昨年のワールドカップは出場を逃したが、日本代表とワールドカップで過去2回引き分けているカナダ代表の印象を聞かれて、原田は「体格も大きいし、フィジカルで対抗してくると予想されるので、フィジカルで負けることなく、アタックでボールを動かしてトライを取りきる。デカイ相手にボールを動かして、スペースにボールを運びたい」と分析している。
コストリーもイングランド戦.で初キャップ
コストリーも「カナダ代表はフィジカルなチームで、モールをたくさんしてくるので、モールディフェンスで相手を圧倒して、セットプレーを壊してフィジカルでドミネイトすれば良い試合ができる」。
「フィジカリティーがあった上で、超速ラグビーで勝ちたい。日本で大学(IPU・環太平洋大学)に行かせてもらって、(今は神戸スティーラーズでプレーして)すごく良いキャリアを過ごしているので、桜ジャージーのブライドを持って、全力でプレーしたい」と意気込んだ。
原田はPNCでは、チームの文化や環境に関するリーダーを務めており、国歌を選手たちにレクチャーする役割を担当しているという。日本代表キャプテン経験者である廣瀬俊朗チームディレクター補佐(リーダーシップ担当)からの助言もあったという。
「日本人選手も多くて、国歌を覚えている選手が多くて、今回はみんなで歌えるという印象があります。最初のリーダー陣の中で、国歌を堂々と歌えたら格好よいよね、同じ歌をみんなで歌えたら光栄なことだよね、となってエディー(・ジョーンズHC)さんに言って時間をもらいました」。
コストリーも国歌を試合前にみんなで歌う意義について、「リズムは大学の時からワールドカップで聴いていたが、(原田)衛さんが歌詞と意味を教えてくれた。理解して歌うのは大事だと思う。国歌を歌うことで、みんなでワンチームで固まって試合をするという意味がある」と語気を強めた。
カナダ代表戦では、試合前に日本代表の選手たちが国籍や出自に関係なく、みんなで国歌を歌う姿、そして原田、コストリーをはじめとするFW陣がフィジカルで相手を圧倒する勇姿に注目してほしい。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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