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2024年1月2日の準決勝時は30-52と明大が勝っている。お互い昨季とメンバーが変わっているが、日本一を目指す両校にとっては、冬に再び顔を合わせる可能性を胸に戦う一戦。勝利と自信を得ておきたい。
8月12日から菅平での夏合宿に入っている明大にとっては重要な試合になる。
高原での戦いはすでに2戦を終えているものの、14日の筑波大戦に31-35、18日の天理大戦に28-29と敗れた。25日には帝京大戦を控えている。京産大に勝つことは、自信を取り戻すとともに、帝京大との激突に向けてのいい準備となる。
筑波大と天理大に敗れた試合は、それぞれ悔しい内容だった。
立ち上がりから相手の気持ちに押された筑波大戦。天理大戦は後半30分過ぎまで28-19とリードしておきながら、土壇場で逆転負けを喫した。
チームを率いる神鳥裕之監督は菅平滞在中のチーム方針について、「夏合宿全体を通して、チームをレベルアップさせていこうと(学生たちに)メッセージを出しています」と話す。
4つの練習試合を組んでいる。成長を感じられる戦いを積み重ねることを重視する。
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試合の結果より、目指すところへのプロセスを大事するつもりだ。しかし学生たちの気持ちも分かる。
「練習でやっていることを試合で出していくことが大事とみんな分かっていても、やはり、結果という成功体験がほしい。勝てば、次へのエナジーも出ますからね」
そういう意味でも、連敗後に迎える京産大戦は「成長プロセスにこだわりながらも、スコアで上回ろう」と呼びかけた。
「相手は春の関西チャンピオンです。しっかり戦って、成長を感じられる試合にしたいですね」
立ち上がりの集中力を欠いていた筑波大戦を終えたとき監督は、部員たちに、「試合を見た人に、どっち(のチーム)がひたむきだったか聞けば、一目瞭然だったと思う。昨季の対抗戦での順位は自分たちが上でも、(大学)チャンピオンになれていないという点では、どこも同じ。常にチャレンジャーでいよう」と伝えた。
天理大戦では粘り強くディフェンスする時間も増えた。あとは勝利をつかむだけだ。
夏合宿を通して選手たちのトライアルは続く。神鳥監督は京産大戦のメンバーについて、「ここまでの試合で頑張った選手を起用しつつ、帝京大戦も踏まえて、それぞれの選手のゲームタイムをコントロールしながら戦いたい」と話した。
対する京産大の夏合宿は短い。菅平への滞在は8月20日から27日の1週間のみ。他校と比べて試験期間が遅いからだ(8月1日まで)。
そのため、8月6日から練習を再開してじっくりとトレーニング。戦える体を作り、試合のために高原へ向かった。その初戦の相手が明大だ。
京産大からはこの春、多くの選手たちがU20日本代表に選出された。その選手たちは世界との戦いなどを通じて成長し、チームに戻ってきた。
菅平での練習試合は、その成果をチームの中でどう生かすかが試される場となる。
PR八田優太、LO石橋チューカ、SH高木城治らU20組(3人とも2年生)は、初戦の明大戦からピッチに立ちそうだ。
パシフィックチャレンジに出場したJAPAN XVの一員となった土永旭(4年)も出場準備を整えている。
廣瀬佳司監督は、夏合宿中に戦う明大、東海大、慶大という関東勢との戦いを経て自分たちの立ち位置を確認。そこで出た課題を修正し、関西リーグへ臨む。
そこで3連覇の実績をさらに伸ばし、大学選手権を勝ち抜く青写真を描いている。
例年通り、FWを前面に出して戦うチームを築いていきたい。明大は、そんな思いを持つチームの対戦相手としては申し分ない。
監督は、「マストウィンの気持ちで戦い、勝って、自信をつけたい」と話す。
才能ある選手が多く揃っているように見えるが、廣瀬監督は、「少しでも主力が欠けるとチーム力が落ちると思っています。なので、一人でも多くの選手たちに出てきて(頭角を著して)ほしい。層が厚くなるといいですね」と、選手たちに期待を寄せる。
指揮官は、「ひたむきに、泥臭く前進する京産大らしさ」を体現する者の出現を待っている。
明大戦は、そのアピールにもってこいの舞台だ。
文: 田村 一博
田村一博
前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。
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