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試合終了後に打ち上げられた花火(C)JRFU
来年、イングランドで開催される『ラグビーワールドカップ2025』に出場を決めている『サクラフィフティーン』こと、女子15人制ラグビー日本代表(世界ランキング11位)は、『太陽生命 JAPAN RUGBY CHALLENGE SERIES 2024』で、アメリカ代表(7位)と2連戦を行う。8月11日(日)は福岡・ミクニワールドスタジアム北九州でその初戦を迎えた。
サクラフィフティーンは5月に香港で行われた『女子アジアラグビーチャンピオンシップ』に出場し、香港代表、カザフスタン代表を下し優勝。これによって今年の9月末から10月にかけて南アフリカで開催される、女子15人制の国際大会のディビジョン2に相当する『WXV2』の出場権と、来年のワールドカップの出場権を得た。
アメリカと引き分けた日本代表(C)JRFU
ラグビー日本代表の先発は、HO(フッカー)谷口琴美(横河武蔵野アルテミスターズ)、PR(プロップ)北野和子(MIE PERALS)、ワールドカップを2度経験しているFL(フランカー)長田いろはキャプテン(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)、SH(スクラムハーフ)津久井萌(横河武蔵野アルテミ・スターズ)と、キックに長けたSO(スタンドオフ)大塚朱紗(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)のハーフ団といった経験値の高いメンバーが中心。
さらに昨年初キャップを獲得したPR峰愛美(日本体育大学)、WTB(ウイング)松村美咲(東京山九フェニックス)、FB(フルバック)は西村蒼空(MIE PERALS)と成長著しい若手と、バランスの取れたメンバー構成となった。
日本代表同様に来年のワールドカップ出場を決めており、1部相当の「WXV1」にも出場するアメリカ代表は、リザーブにノンキャップの選手3人を入れ、キャプテンのFBテス・フュリー、バイスキャプテンのHOキャサリン・トレダー、SOマッケンジー・ホーキンズ、20歳のNO8(ナンバーエイト)フリーダ・タフーナらが入った。
太陽生命 JAPAN RUGBY CHALLENGE SERIES 2024
【ハイライト動画】女子日本代表テストマッチ:サクラフィフティーンvs.アメリカ代表|格上相手に引き分けの熱戦
過去の対戦成績はサクラフィフティーンの0勝2敗で、1994年の第2回ワールドカップでは、0-121と大敗。2年前のワールドカップでは17-30と善戦したが敗戦している。サクラフィフティーンにとっては、ワールドカップのリベンジがかかっている試合で、勝利すればアメリカ戦初白星となる。試合は2300人のファンを集めて、午後6:00にキックオフされた。
キックでゲームをコントロールしたSO大塚(C)JRFU
序盤、相手に攻められたものの、粘り強いディフェンスで防いだサクラフィフティーンが先制する。SO大塚らのキックで相手陣で戦う中、12分にラインアウトからモールで押し込み、最後はPR北野和子が左隅にねじ込んでトライ。SO大塚のゴールキックも決まり、日本代表が7点を先制する。
29分には、アメリカ代表がラインアウトからトライを挙げたかに思われたが、TMOでラインアウト後にノックオンがあったという判定となり、ノートライ。だが31分、アメリカ代表はボールを細かく繋いで前進し、ディフェンスの隙をついてSHオリビア・オルティーズがゴール中央にトライ。SOホーキンズがコンバージョンを決めて7-7と同点とする。
36分、サクラフィフティーンも負けじとFL川村雅未がターンオーバー後に、すぐに仕掛けて左にボールを展開。最後はCTB(センター)畑田桜子に代わって入った、小林花奈子が左隅にトライを挙げて12-7とする。
前半終了間際、アメリカ代表もラインアウトからボールを出して、NO8(ナンバーエイト)タフーナがゴール前まで迫り、最後は7人制でもプレーするWTB(ウイング)サマー・ハリスジョーンズがトライを挙げて12-14とした。日本は2点のリードを許したが、一進一退を繰り返す展開となって後半に折り返した。
突進する佐藤優奈(C)JRFU
後半に入って、先に点を取ったのはホームで何としても勝利したいサクラフィフティーンだった。後半6分、ラインアウトモールを起点に粘り強く攻め続けて、最後はFL川村雅未が押し込みトライ。ゴールも決めて日本代表が17-14と逆転する。
そこから互いにディフェンスで一歩も引かない展開となり、なかなか得点ボードが動かない時間が続いた。残り時間が少なくなるとアメリカ代表は再三、日本代表のキックにチャージーでプレッシャーをかけてポゼッションで優位に立つ。
38分、日本代表がノーボールタックルのペナルティをしてしまい、アメリカ代表SOホーキンズが中央からPG(ペナルティゴール)を決め、17-17と追いつかれ、試合は引き分けのままノーサイドを迎えた。
粘り強いタックルを見せる日本代表(C)JRFU
粘りのディフェンスを見せて3トライを挙げたが、勝利でもう一歩だった日本代表のレズリー・マッケンジーHC(ヘッドコーチ)は「前回のワールドカップから2年を経て、その成長が見られる試合となった。トップのチームと戦え、学びもあり、ベンチマークとなる試合で、これからの課題も見えた」と話した。
そして、「フィジカル、ディフェンス、コネクト、そしてタフさは100%見せられたと感じている。ディフェンスでは非常に選手を誇りに思う。厳しいコンディションの中で素晴らしいエフォートを見せた。来週はもう少しテリトリーもポゼッションも増やしたい」と選手たちを称えた。
地元・北九州市出身のFL長田キャプテンは「FW(フォワード)もBK(バックス)も1人1人が、自分の仕事をしたことが得点につながった。ボールを取り返した時にトライを取り切る力が成長を感じるところ。日本代表のホーム、地元・北九州での試合は力になった。来週は自分たちのラグビーをもう一度やって、規律をしっかり守ってクリーンにラグビーがしたい」と話した。
アメリカ代表のシオネ・フコフカHCは「「北九州で4日間過ごしたが、非常にホスピタリティが素晴らしかった。暑い中の厳しい試合は予想していたが、日本代表がタフな相手であることを80分間戦い続けて実感した」。
「フィジカルでスピードがあって、ブレイクダウンも素晴らしく、ワークレートも高いチームなので、ボールの獲得やスペースを見つけるのが難しかった。来週はラインアウト、モールで優位に立って、アタックしていきたい」と振り返った。
FBフュリーキャプテンは「「とてもフィジカルで、タフな試合だった。ゲームプランが残念ながら遂行できない部分がたくさんあったし、ミスもあった。来週も試合もあるのでしっかりゲームをマネジメントし、ブレイクダウンで上回っていきたい」と先を見据えた。
この試合では引き分けたが、もう1回チャンスは残っている。サクラフィフティーンは来週8月17日(土)に、静岡・エコパスタジアムで再びアメリカ代表と対戦する。
文:斉藤健仁/写真:(C)JRFU
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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