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ラグビー コラム 2024年7月25日

桐蔭学園、大分東明に逆転勝利で5年ぶり2度目の『夏の王者』。全国高校7人制ラグビー大会

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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夏のセブンズを制し歓喜の桐蔭学園

オリンピックに向けた強化策の1つとして、11回目となる全国高校7人制ラグビー大会が、今年も長野・菅平高原にある、アンダーアーマー菅平サニアパークで、7月22日(月)~24日(水)に開催された。

全国の予選を勝ち抜いた47都道府県代表校と、昨年の優勝校である佐賀工業(佐賀)の48校が参加した。3チームずつ、16のプールで予選を行い、カップ(予選プール1位チーム)、プレート(2位チーム)、ボウル(3位チーム)の各トーナメント戦を行い、それぞれ勝者を決める。つまり、カップトーナメント優勝が夏の王者となる。

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大会1日目は、A~Pのプールに分かれて2試合ずつ行われた。プールAは國學院栃木(栃木)、Bは昌平(埼玉)が危なげなく連勝、Cは初出場の山梨学院(山梨)、Dは御所実業(奈良)、Eはディフェンディングチャンピオンである佐賀工業(佐賀)、Gは明和県央(群馬)、最も注目されたHは、桐蔭学園(神奈川)が東福岡(福岡)、京都工学院(京都)を下してカップトーナメントに進出した。

さらにIプールは春の選抜大会準優勝の石見智翠館(島根)、Jは松山聖陵(愛媛)、Kは開志国際(新潟)、Lは早稲田実業(東京)、Mは長崎北陽台(長崎)、Nは一昨年の王者・報徳学園(兵庫)、Oは展開ラグビーが武器の茗渓学園(茨城)、Pは大分東明(大分)が、2勝してカップトーナメントに進出した。

なお、選抜とサニックスワールドユースで優勝していた、初出場の大阪桐蔭(大分)は、Pプールで大分東明に敗れて、3冠目達成はならずプレートトーナメントに進出した。

暑いくらいの天気だった菅平高原、大会2日目は各トーナメント1・2回戦が行われた。カップトーナメント1回戦では、昌平、御所実業、佐賀工業、桐蔭学園、石見智翠館、早稲田実業、報徳学園がそれぞれ勝利し、ベスト8に進出した。

早稲田実業は全国大会で初のベスト4

2回戦では決勝に進出したことがある御所実業が昌平に、桐蔭学園が佐賀工業に競り勝った。早稲田実業は春の選抜準優勝の石見智翠館を、大分東明は一昨年の王者である報徳学園を下して、それぞれ初のベスト4に進出した。

【カップトーナメント】

◆1回戦
國學院栃木 17-26 昌平
山梨学院 5-26 御所実業
佐賀工業 45-0 日本航空石川
明和県央 5-34 桐蔭学園

石見智翠館 40-14 松山聖陵
開志国際 7-33 早稲田実業
長崎北陽台 17-24 報徳学園
茗溪学園 5-33 大分東明

◆2回戦
昌平 15-19 御所実業
佐賀工業 17-26 桐蔭学園
石見智翠館 19-24 早稲田実業
報徳学園 14-33 大分東明

雨が降ったり止んだりの大会3日目は、各トーナメント準決勝、決勝などが行われた。カップトーナメントの準決勝1試合目では、桐蔭学園が御所実業に33-7で快勝し、2試合目は大分東明が27-12で早稲田実業を下し、初の決勝進出となった。

午後1:30から行われたカップトーナメント決勝。「(優勝した)九州大会から勝ち癖がついてきた」(横山陽介コーチ)という大分東明は、セブンズでも強さを見せて決勝に進出。その勢いのまま前半4分、川口慧大が左隅にトライを挙げて、5点を先制した。その後も、大分東明は攻め続けたが、桐蔭学園は粘りのディフェンスで得点を与えなかった。

後半、大分東明はボールを継続して、セニビツ・イリエサ(3年)、石川徠人(3年)とつないで再び川口がトライを挙げ、12-0とリードした。

2ゴールをしっかり決めたSO丹羽

しかし、予選プールの東福岡戦も2回戦の佐賀工業戦も逆転勝ちしていた桐蔭学園が、すばらしい集中力を見せる。5分、スクラムを起点にセブンズのキャプテン草薙拓海(3年)が抜けだし、オフロードパスを受けた古賀啓志(1年)が中央左にトライ。丹羽雄丸(3年)がゴールを決めて7-12と追い上げる。

残り1分、桐蔭学園はキックオフのボールをキープし、右サイドで西野誠一朗(3年)がオフロードパスを通して、草薙が回り込んで中央にトライ。丹羽がゴールを決めて14-12と逆転に成功。ラストプレーでも相手に得点を許さず、桐蔭学園が5年ぶり2度目となる夏のセブンズ王者に輝いた。カップトーナメントのMVPには桐蔭学園の草薙が選出された。

桐蔭学園を指導した小西(左)と大分東明の横山コーチ。ともに桐蔭学園、早稲田大学

桐蔭学園は春の選抜大会前から、毎日練習に取り組んでいるオフロードパスが要所、要所でつながり、トライにつながっていた。また、神奈川予選、さらに今大会の前に、OBである小西泰聖が(浦安D-Rocks)がクラブの許可を得て、アタックではセブンズ特有の動きやサインプレー、ディフェンスでは連携を中心に指導したことが功を奏したという。

MVP3人:左からプレート広川(京都工学院)カップ草薙(桐蔭学園)ボウル佐藤(流通経済大柏)

プレートトーナメントは京都工学院が中部大春日丘を33-5で下し優勝。MVPには京都工学院のキャプテン広川陽翔(3年)が選出。ボウルトーナメント流通経済大柏が黒沢尻工業に33-14で勝利し優勝、MVPはキャプテンの佐藤涼太(3年)が選ばれた。

初の日本一は達成できず、準優勝に終わった大分東明のキャプテン下川悠輝(3年)は「前半、追加点を取れず僅差になってしまった。最後の粘り強さは桐蔭学園さんの方が上だった。この負けを冬の花園につなげていきたい」と悔しそうな表情を見せた。

「足が速かったからだと思います」と今大会のキャプテンを任され、優勝に貢献し、MVPにも選ばれた桐蔭学園の草薙は、「前半は個々で負けて、ディフェンスの穴を突かれた。最後は楽しむ、しゃべり続けることを意識して、全員が前に出てつなぐことを意識してトライが取れた。チームが一つになって優勝できた」と破顔した。

セブンズのキャプテン草薙拓海

春の選抜大会はベスト4に終わった桐蔭学園。夏を制したことで、まずは高校セブンズで準優勝だった昨年のチームを超えた。草薙キャプテンは「学年に関係なく、全員が主体となって優勝に向けて努力できた。春の選抜大会、サニックスワールドユースでも大阪桐蔭に負けたので、花園で3度目の正直で勝ちたい」と、気持ちを15人制に切り替えて冬を見据えた。

◆準決勝
御所実業 7-33 桐蔭学園
早稲田実業 12-27 大分東明

◆決勝
桐蔭学園 14-12 大分東明

【予選プール結果】

◆Aプール:國學院栃木(カップトーナメント進出)
國學院栃木(栃木)68-7 関商工(岐阜)
鹿児島実業(鹿児島)7-66 國學院栃木(栃木)
関商工(岐阜)24-20 鹿児島実業(鹿児島)

◆Bプール:昌平
昌平(埼玉)47-5 倉吉東(鳥取)
コザ(沖縄)5-57 昌平(埼玉)
倉吉東(鳥取)5-12 コザ(沖縄)

◆Cプール:山梨学院
尾道(広島)40-14 富山第一(富山)
山梨学院(山梨)26-10 尾道(広島)
富山第一(富山)7-31 山梨学院(山梨)

◆Dプール:御所実業
流通経済大柏(千葉)7-19 御所実業(奈良)
早稲田佐賀(佐賀)31-21 流通経済大柏(千葉)
御所実業(奈良)43-5 早稲田佐賀(佐賀)

◆Eプール:佐賀工業
秋田工業(秋田)15-31 佐賀工業(佐賀)
光泉カトリック(滋賀)39-14 秋田工業(秋田)
佐賀工業(佐賀)45-12 光泉カトリック(滋賀)

◆Fプール:日本航空石川
仙台育英(宮城)7-21 日本航空高校石川(石川)
高知中央(高知)10-29 仙台育英(宮城)
日本航空石川(石川)26-7(高知中央)

◆Gプール:明和県央
明和県央(群馬)41-5 倉敷(岡山)
若狭東(福井)14-42 明和県央(群馬)
倉敷(岡山)15-28 若狭東(福井)

◆Hプール:桐蔭学園
桐蔭学園(神奈川)26-19 東福岡(福岡)
京都工学院(京都)12-28 桐蔭学園(神奈川)
東福岡0-21京都工学院(京都)

◆Iプール:石見智翠館
高鍋(宮崎)14-21 石見智翠館(島根)
青森山田(青森)14-42 高鍋(宮崎)
石見智翠館(島根)26-14 青森山田(青森)

◆Jプール:松山聖陵
黒沢尻工業(岩手)19-28 四日市工業(三重)
松山聖陵(愛媛)40-21 黒沢尻工業(岩手)
四日市工業(三重)19-42 松山聖陵(愛媛)

◆Kプール:開志国際
静岡聖光学院(静岡)12-21 開志国際(新潟)
高松北(香川)7-38 静岡聖光学院(静岡)
開志国際(新潟)54-0 高松北(香川)

◆Lプール:早稲田実業
高川学園(山口)33-21 近大和歌山(和歌山)
早稲田実業(東京)24-5 高川学園(山口)
近大和歌山(和歌山)10-22 早稲田実業(東京)

◆Mプール:長崎北陽台
長崎北陽台(長崎)59-12 山形中央(山形)
中部大学春日丘(愛知)12-35 長崎北陽台(長崎)
山形中央(山形)5-50 中部大学春日丘(愛知)

◆Nプール:報徳学園
報徳学園(兵庫)45-0 熊本工業(熊本)
聖光学院(福島)7-61 報徳学園(兵庫)
熊本工業(熊本)29-14 聖光学院(福島)

◆Oプール:茗渓学園
飯田OIDE長姫(長野)0-63 茗溪学園(茨城)
城東(徳島)53-0 飯田OIDE長姫(長野)
茗渓学園(茨城)33-7 城東(徳島)

◆Pプール:大分東明
大阪桐蔭(大阪)45-0 札幌山の手(北海道)
大分東明(大分)35-5 大阪桐蔭(大阪)
札幌山の手(北海道)7-42 大分東明(大分)

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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