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ラグビー コラム 2024年7月18日

ラグビー日本代表と対戦するイタリア代表が会見。「速さとフィットネスでどちらが優れているかの戦い」

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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オンライン会見に出たモンティ・イオアネ(左)、パオロ・ガルビージ

7月21日(日)、ラグビー日本代表(世界ランキング14位)は北海道・札幌ドームで「リポビタンDチャレンジカップ2024」で、イタリア代表(同8位)を迎える。なお、両者の対戦成績は日本代表の2勝7敗で、昨年もワールドカップ直前にイタリア・トレヴィゾで対戦し、イタリア代表が42-21で勝利している。

今夏のツアーでイタリア代表は、7月5日にサモア代表(●25-33)、12日にトンガ代表(○36-14)と対戦。今週初めに来日し、東京でトレーニングを行った後、19日にメンバー発表。その後、札幌に移動する。

17日(水)、昨年の日本代表戦でハットトリックを達成したWTB(ウイング)モンティ・イオアネ、不動の司令塔SO(スタンドオフ)パオロ・ガルビージがそれぞれオンラインで取材に対応した。

WTBモンティ・イオアネ

イオアネはオーストラリア出身で、Hondaやパナソニックでプレー経験のあるWTBディグビー・イオアネをおじに持ち、「イタリア代表になった選択は、自分の最良のものの1つで、まったく後悔していない」。

「最初の頃はシックス・ネーションズでどこの国にも50点差つけられて負けていたが、自分も含めて若いスコッドが成長して、今は対等のゲームや勝ちにつながるゲームができるように成長している」と手応えを口にした。

イタリア代表が近年、好調である要因を聞くと「この5~6年、若い選手を取り込んでコーチ陣の指導の下、成長しているのではという感想。私は4年前からの参加だが、キアラン・クローリー(前指揮官/現・三重ホンダヒートヘッドコーチ)の頃から成長が始まり、クラブからナショナルチームへの流れが確立してきたのが、イタリア代表躍進の理由だと思う」と語った。

昨年8月に日本代表と対戦したときはハットトリックを決めたが、もちろん、アウェイでの日本代表の対戦ということで警戒を緩めない。

「日本のラグビーは速くボールを動かすラグビー。日本代表と対戦するのは難しい。かつ、戦って面白いチーム。両チームとも速さを意識したチームで、フィットネスも80分を戦い切るところが強みなので、ビッグマッチとなる。速さとフィットネスで、どちらが優れているかの大きな戦いになると感じている」。

警戒している選手を聞かれると「日本代表の夏の試合を見て、個人として感じているのはWTBのフィジー出身の選手(ジョネ・ナイカブラ)と、FB(フルバック)矢崎由高。特に矢崎は危険なプレーで、2人ともジャパンの中では最も優れたボールキャリーなので、私にとっての日本代表のキープレイヤー」と答えた。

昨年のワールドカップでのSOパオロ・ガルビージ

一方、「初めての日本で、渋谷などに出かけてショッピングや食事を楽しんだ。でも、東京は広くて数日じゃ足らない」と笑顔で話した司令塔のSOパオロ・ガルビージ。SH(スクラムハーフ)のアレッサンドロは実弟だ。

アッズーリ不動の10番は「今季はBK(バックス)の得点力が上がり、ディフェンスも改善されたことも含めて、今までのイタリア代表とはいくつもの変化があった。だから、今年のシックスネーションズのような結果が出せた」。

「この夏のツアーでも全勝するつもりで臨んだが、残念ながらサモア代表には酷い試合をして負けてしまった。最終戦となる日本代表戦は、かなりタフになるがなんとしても勝ちたい」と語気を強めた。

サッカーからラグビーに転向し、イタリアのアカデミー出身でもあるガルビージは、イタリアのラグビーについて「ラグビーの国内リーグはあるが、実質ベネトンとゼブレ、2つのクラブで優勝が争われている」。

「だから、ユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップに参加して、南アフリカやアイルランドなどのクラブと戦っているが、最近の若い選手はやはり国外のクラブでプレーすることに目を向けている」。

「ユース世代にとって、まずこの2チームの下部組織に入って、プロフェッショナルなラグビーを経験していくことが代表への近道だと思う。ただ、やはり人気なのはサッカーだし、バレーボールやテニスなど他の競技がラグビーの前にはあるけどね」と話した。

自身はイタリアのベネトン、フランスのモンペリエを経て、現在はトゥーロン(フランスリーグ・TOP14)でプレーを続けており、昨季は日本代表NO8(ナンバーエイト)テビタ・タタフ(ボルドー)とも対戦している。

「タタフは、僕が思うに今季のTOP14でダントツのNO8だったと思う。あんなに強いボールキャリアはそうそういるもんじゃない。だから、日曜日の対戦もすごく危険な選手だ」。

また、今回は出場停止で対戦は叶わなかったが、トゥールーズへの加入が決まったSH(スクラムハーフ)齋藤直人がフランスで成功するための秘訣として、「とにかく言葉。フランスではフランス語を話すことが何よりも歓迎される。逆に言えば彼はそれさえクリアすれば活躍できる選手だと思う」。

「せっかく(フランス代表SH)アントワーヌ・デュポンと同じチームになるのだから、彼とずっと一緒にいて、コミュニケーションもプレーも身につけてしまえばいい」とエールを送った。

21日(日)に札幌で対戦する日本代表についての印象を聞かれ、SOガルビージは「2019年から成長を続けている。この夏の4試合を見たが、特にアタックのオプションが増えている」。

「FB矢崎とCTB(センター)のサミソニ・トゥアの2人でかなりゲインしていて、彼らを止めないといけないし、WTBも全員脅威だ。スキルはあるし、さらに『超速ラグビー』でより速いプレーをしてくるようになれば、自分たちにとっては相当タフな相手になってくるが、いい試合ができるだろう」と警戒しつつも自信をのぞかせた。

今年のシックス・ネーションズでスコットランド代表、ウェールズ代表に勝利し、フランス代表と引き分けた世界ランキング8位の強豪イタリア代表。アウェイとはいえ、夏のツアーで2度目の負けは許されない。札幌では本気のアッズーリが見られることは間違いない。

【イタリア代表 来日メンバー:33人】(所属クラブ/キャップ数)

◆PR(プロップ)

ダニーロ・フィスケッティ(ゼブレ/43)
シモーネ・フェラーリ(ベネトン/55)
マルコ・リッチオーニ(サラセンズ|イングランド/27)
ミルコ・スパニョーロ(ベネトン/7)
ジョスエ・ジロッキ(ベネトン/22)

◆HO(フッカー)

ジャンマルコ・ルッケージ(トゥーロン|フランス/24)
ジャコモ・ニコテーラ(スタッド・フランセ|フランス/24)
ロリス・ザラントネッロ(仏 カストル|フランス/1)

◆LO(ロック)

ニッコロ・カンノーネ(ベネトン/43)
エドアルド・イアキッツィ(ベネトン/8)
フェデリコ・ルッツァ(ベネトン/56)
アンドレア・ザンボニン(ゼブレ/8)

◆FL(フランカー)/NO8(ナンバーエイト)

ロレンツォ・カンノーネ(ベネトン/21)
アレッサンドロ・イゼコール(ベネトン/3)
ミケーレ・ラマーロ(ベネトン/40)◎主将
セバスチャン・ネグリ(ベネトン/55)※ケガのため離脱
ダヴィッド・オディアーゼ(仏 オヨナ|フランス/0)
ロス・ヴィンチェント(エクセター|イングランド/6)
マヌエル・ズリアーニ(ベネトン/23)

◆SH(スクラムハーフ)

アレッサンドロ・ガルビージ(ベネトン/9)
マルティン・パジェレロ(リヨン|フランス/10)
スティーブン・ヴァルネイ(グロスター|イングランド/30)

◆SO(スタンドオフ)

パオロ・ガルビージ(トゥーロン|フランス/38)
レオナルド・マリン(ベネトン/10)

◆CTB(センター)

フアン・イグナチオ・ブレックス(ベネトン/37)
トンマーゾ・メノンチェッロ(ベネトン/19)
フランソワ・メイ(クレルモン|フランス/0)
マルコ・ザノン(ベネトン/14)

◆WTB(ウィング)/FB(フルバック)

アンジェ・カプオッツォ(トゥールーズ|フランス/20)
マット・ギャラガー(ベネトン/1)
モンティ・イオアネ(リヨン|フランス/32)
ルイス・ライナー(ベネトン/3)
ヤコポ・トゥルッラ(ゼブレ/9)

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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