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ラグビー コラム 2024年7月15日

【ハイライト動画あり】最強クラスのジョージアFWとやり合った。日本代表惜敗も、大きな学び。

ラグビーレポート by 田村一博
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FWの強さは世界トップクラス。そんなジョージア代表とのぶつかり合いは迫力があった。

後半中盤、日本代表はトライライン前での肉弾戦で一歩も引かず、最終的にWTB長田智希のトライに結びつけた(後半24分)。

この日、仙台の夜がもっとも熱くなった瞬間だった。

7月13日、宮城・ユアテックスタジアム仙台でおこなわれた『リポビタンD チャレンジ2024』、日本代表×ジョージア代表は、好ゲームとなった。

赤×白のジャージーは23-25と破れた。しかし、悔しさとともに多くの学びがあった。

いまの日本代表の強みは、試合開始直後からトップスピードで超速ラグビーを遂行できることだ。

イングランド代表もマオリ・オールブラックスも、その時間帯を制した。そして、先制パンチはこの日も繰り出された。

キックオフ後から全開の日本代表は、すぐに先制点を奪った。WTBジョネ・ナイカブラがインゴールに入ったのは前半3分だった。

高速ラックからフェーズを重ねて前へ出た。最後はSH齋藤直人が絶妙のタイミングでパスを出し、背番号14が防御を突き破った。

いつものように軽快な滑り出しを見せた日本代表だったが、その勢いがなかなか続かないのも、なかなか修正できない点だ。

この日も、次のトライは後半24分まで待たねばならなかった。

ジョージアのFWは評判通り、重くて強かった。日本代表は序盤、スクラムこそ相手に本来の力を出させなかったものの、ピック・ゴーで押し込まれ、モールに苦しんだ。

お互いにPGを重ね合う展開は、自分たちが勝つプランにはない。もっと効率よく振り回したかった。

前半は13-18とリードを許した。失ったトライは、20分にモールを押し切られたもの。28分のものは、中盤でビッグゲインを許し、最後はジョージアのFW、BK一体となった波状攻撃に耐え切れず、最後はSHミヘイル・アラニアに飛び込まれた。

何より痛かったのは20分のトライ前、FL下川甲嗣がブレイクダウンでファウルプレー、イエローカードを提示され、最終的にはそれがレッドカードになったことだ。

リポビタンDチャレンジカップ2024 ラグビー日本代表テストマッチ

【ハイライト動画】日本 vs. ジョージア(7/13)

日本代表は60分間を数的不利な状況で戦わなければいけなくなった。

後半になっても、日本代表はよく戦った。

ただでさえ重い相手に何度でもタックルし、走り続ける。それが後半24分には一時逆転する展開に結びついた。

逆転までの数分間には、日本ラグビーの良さが凝縮されていた。

ジョージア陣に攻め込んだのは、FB矢崎由高、CTBディラン・ライリーらの判断のいい、スピードあるプレーからだった。

 

長田のトライは、あの手この手で何度でも相手の分厚い防御に体を当て、視界を狭くさせたところで大きく左に展開して奪った。

ジョージアの選手たちはインゴールでヘトヘトになっていた。

しかし、ここからの時間帯が日本代表にとっては試練となった。

ジョージアは自分たちの強みだけを使って戦う。スクラム、モールでパワー全開。超速アタックを最後まで貫きたい集団の体力を奪っていった。

逆転を許したのは後半34分。LOサナイラ・ワクァがイエローカードを受け、13人になった後だった。

ゴールラインに迫っていたジョージアがパワープレーでトライを取り切り、コンバージョンキックで勝ち越し。ワールドランキング14位が12位のチームに競り勝った。

ジョーンズHCは、選手たちが自分たちのスタイルを貫こうとする姿勢には「感銘を受けた」としながら、結果については「がっかりしました」と話した。

退場者、一時退場者が相次いだことについては「力不足」。圧力に耐え切れなかったと評した。

しかし、こういう試合と経験を積み重ねて成長するものとも言った。

実際、PR竹内柊平はジョージアと組み合って、「一度下がり、足の位置を固めてから、もう一度ぐわっと前に出てくる。初めての経験でした」と話し、スクラムの世界の深さ、世界のスクラムの重さを知った。間違いなく成長の糧となる。

リーチ マイケル主将は、「自分たちの強み、弱みがはっきりした。次のイタリア戦には、それを修正して勝ちたい」と話した。

絶対に試合ごとに進化し続ける。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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