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前週、JAPAN XVがマオリ・オールブラックスに勝って作った勢いを、日本代表は追い風にして戦いたい。
エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)体制になって2試合目のテストマッチに、赤×白のジャージーは「現状のベストのメンバー」(ジョーンズHC)で臨む。
『リポビタンDチャレンジマッチ2024』日本代表×ジョージア代表が、7月13日(土)に仙台でおこなわれる。
会場はユアテックスタジアム仙台。キックオフは19時5分だ。
日本代表のワールドランキングは、7月8日の時点で12位で、ジョージアは同14位。前者は6月22日のイングランド代表に17-52敗れ、後者は7月6日にフィジー代表に12-21と届かなかった。
両チームとも2023年のワールドカップ(W杯)後にHCが代わっている。絶対に勝利をつかみたい一戦だ。
マオリ・オールブラックス戦を戦ったJAPAN XVには若手を起用し、チャレンジングな姿勢を示したジョーンズHCだったけれど、今回は、必勝のメンバーを組んだ。
相手は強力FWを前面に出して戦ってくるチームだ。その対応策もできている。
8人が集まれば大きな岩のようになるジョージアと戦うとなれば、「FW戦を避けることはできない」と覚悟するジョーンズHCは、「パワーある相手をドミネート(圧倒)する」と自信を見せる。
日本代表は、ここでしっかり戦えないと超速ラグビーも出せない。注目されるポイントだ。
パワーにパワーで対抗するための一の矢として期待されるのはNO8のテビタ・タタフだ。
フランス・トップ14で2023-24シーズンの決勝に勝ち進んだボルドーの8番として活躍した。強力なボールキャリーは、世界有数のリーグでも十分に通用した。
指揮官の言葉を借りれば「成熟して戻ってきた」タタフとともにチームを前に出す役割は、6番に入るファウルア・マキシ、7番の下川甲嗣らが果たす。
体格では相手が上も、運動量と速さならこちらに分がある。ボールと人が速く、大きくスタイルで振り回したい。
勝敗の行方を左右するキーポイントとなるFW戦で、大きな仕事をしてくれるのが主将を務めるリーチ マイケルだ。
この試合では慣れない4番(LO)での出場ながら、指揮官に「4人目のバックローとしての期待もある」と言われた。スクラムでの力の消耗は避けられないが、力を振り絞って動き続ける。
BKラインをリードするのは齋藤直人、李承信のハーフ団だ。FWが全力で供給するボールを高速でアタックラインに配したい。
ジョーンズHCは「高速で集団として動き、判断するのが大事」と強調する。テンポの発信源となる2人のパフォーマンスが良ければ、勝利に直結することになる。
CTBには今季初めてディラン・ライリーが入った。スピードあるランと、迷いのないタックルでチームにもたらす影響力は大きい。
FB矢崎由高は経験を重ねるごとに安定感と活躍度が増している。チャンスは頻繁にはないかもしれない。好機に仕留め切る集中力が求められる。
世界的にFWの強さで知られるジョージアは、前戦のフィジー戦ではノートライに終わった。
試合内容は優勢だったが、得点は4本のPGだけ。近年高まっているBKの攻撃で個々の選手の能力が噛み合えば得点能力も上がる。日本代表は気をつけなければいけない。
フロントローの先発メンバーはフィジー代表戦でスターターを務めた3人が揃った。まだ経験を重ねている途中の選手たちだが、全員がフランスのリーグでプレーしている。
子どもたちの憧れのポジションがPRという国だ。スクラムに誇りを持つ相手は間違いなく手強い。
LOのヴラディメリ・チャチャニゼは200センチ、122キロの巨漢。そしてバックローの充実が凄い。ベガ・ゴルガゼは聡明で、所属するポー(フランス)でも主将経験あり。大きく、ハードパンチャーの両FLとともにチームを前に出す。
BKの注目はバックスリーだ。FBのダヴィト・ニニアシュヴィリはW杯でも輝きを放った好ランナー。11番のアレクサンデル・トドゥアは113キャップと経験値が高く、14番のアカキ・タプツァゼは決定力が高い。
バランスの取れた両チームが戦う80分は、消耗戦であり、我慢比べ。好勝負となる気がする。
文: 田村 一博
田村一博
前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。
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