人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2024年6月28日

「若手にチャンスを。そして現在地の確認」を目的としたJAPAN XV。情熱的なマオリ・オールブラックスに攻め勝ちたい

ラグビーレポート by 田村一博
  • Line

JAPAN XV vs. マオリ・オールブラックス

エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)は、「ジャパンXVは日本代表とはまったく違うチーム」というけれど、「超速ラグビー」に関しては、このチームでも同じ意図をもってやっていくと明言する。

6月29日(土)、19時。秩父宮ラグビー場で、『リポビタンDチャレンジカップ JAPAN VX対マオリ・オールブラックス』がキックオフとなる。
今回のJAPAN XVは、日本代表の一部にトレーニングメンバー、バックアップメンバーを加え、マオリ・オールブラックスとの2戦に対して組まれたチームだ。

ジョーンズHCは、6月27日の記者会見で、ジャパンXVの活動の目的を「若手にチャンスを与えること、現在のレベルを確認すること」と話した。

対戦相手のマオリ・オールブラックスについては、「情熱的で、ハングリーさとプライドを持って戦うチーム」と評した。
テストマッチ以外で戦う相手としては、「世界でも、もっとも強い」とし、それゆえ、「自分たちの現状を知り、ベンチマークとなる試合」と見ている。

 

6月22日のイングランドとのテストマッチに出場した選手もいる。大学生も、リーグワンではあまり試合時間を確保できなかった者も。
指揮官は、「テストマッチに出た選手にとっては、さらにプレータイムを重ね、イングランド相手に得た学びを生かす機会」とする。これまで出場機会の少なかった選手にとっては、自身の力をアピールできる好機だ。

チームが掲げる超速ラグビーの発信源となる9番、10番には、小山大輝山沢拓也と、埼玉パナソニックワイルドナイツのコンビが入った。
小山には「強みの(チーム全体を)オーガナイズする力」(HC)に期待がかかる。本人はディフェンスに自信を持つ。ハードにプレーしてくる相手に真価を見せたい。

イングランド戦では途中出場でFBとしてプレーし、トライも挙げた山沢については、その試合や、練習の中でSOの位置で動いた際の鋭さを評価された。
今後も、FBとSOの両ポジションでチームに影響を与えてほしいようだ。

リーダーシップはHO原田衛とSH齋藤直人の2人に、共同主将として委ねられた。ジョーンズHCは両者の将来について、将来の主将候補との見方も示した。
「まずは、プレーで引っ張ってほしい」

原田はセットプレーを安定させる責任感を持ってパックの先頭に立つ。「最初の20分、積み重ねてきたことを全員で出す」と立ち上がりに集中したい。

齋藤はベンチスタートからの役割を果たす。フレッシュレッグとして、テンポを上げるとともに、確かな判断力も発揮したい。「スペースを見つけたら、必ずそこを攻める」とチームにモメンタムを与える一人になる。

早大2年の若さながらイングランド戦でテストマッチデビューを果たした矢崎由高は、この試合でも15番を背負う。
ベンチにも帝京大2年のPR森山飛翔、早大4年のHO佐藤健次、帝京大4年のLO/FL本橋拓馬がおり、出場機会を伺う。未来の日本ラグビーを照らす選手たちだ。

マオリ・オールブラックスは水曜日に来日。準備期間の少ない中でJAPAN XVとの初戦を迎える。
しかし、絆の太さをチームの強みとするのが伝統。深いところでの結びつきで結束し、ハードに立ち向かってくるのは間違いないだろう。

 

今季ハイランダーズで13試合に出場したFLビリー・ハーモンが率いるチームは、FWに力強さと経験値の高い選手が何人もいる。
1番を背負うのはPRジョー・ムーディー。オールブラックスとしてキャップ57。2015年と2019年のRWCに出場している。

2番のカート・エクランド、3番のマルセル・レナタは、今季スーパーラグビー・パシフィックの決勝に出場し、ブルーズ優勝に貢献した。
LOアイザイア・ウォーカーレアウェレはハリケーンズ今季14戦に出場。NO8のカレン・グレースは、ニュージーランド代表のキャップも持つ仕事人だ。

ロス・フィリポHCは、イングランドと戦った日本代表を見て、「新しいコーチで、新しいスタイルに取り組んでいる時期。大変だとは思うが、いいチームになっていくと思う」と話し、続けた。

「とにかくボールをはやく動かすチーム。イングランドがそれに苦しめられている時間帯もあった。我々も、そこは気をつけて戦いたい。しっかり準備する」

BKにも14キャップを持つCTBクイン・トゥパエアらがおり、ハードタックルとバネのきいたランニングを発揮して戦うだろう。
両軍のアタックマインドを考えると、タフな80分が待っているのは約束されている。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ