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日本戦に向け調整するイングランド代表
6月22日(土)、ラグビー日本代表(世界ランキング12位)は東京・国立競技場で新生エディー・ジャパン初のテストマッチを迎え、「リポビタンDチャレンジカップ2024」でイングランド代表(同3位)と戦う。なお、両者の対戦成績は日本代表の0勝11敗。
6月14日(金)に来日したイングランド代表は、数日間、トレーニングを敢行し、18日(水)早々にメンバー発表。スティーブ・ボーズウィックHC(ヘッドコーチ)がそれに伴う会見を都内で行った。
「この夏のツアーはイングランド代表チームにとって非常に大事なステップになる。私たちは若いチーム。今年に入ってから、この新しいイングランドのチームを成長させることについて話してきた」。
「トレーニングキャンプを通じて、選手たちに本当に感心させられた。日本に来てからも、選手たちは本当にハードなトレーニングを積んで、この素晴らしい国にいることを本当に楽しんでいる」。
イングランド代表のボースウイックHC
元々、キックオフ48時間前の20日(木)に予定していた発表を2日ほど早めたことについて、ボーズウイックHCは「特に理由はない。今日の午前中に選手たちにメンバーを告げたので、そのタイミングで発表した。それに、シックスネーションズの終盤から何度も話してきたが、メンバー選考の一貫性があることがわかると思う」と話した。
指揮官の言葉通り、ケガ人などを除けば、先発15人中11人は、今年のシックスネーションズ最終戦となった、フランス代表戦に出場したメンバーとなった。
注目の10番はマーカス・スミスとなった(左端)
フランスに移籍することが決まったSO(スタンドオフ)オーウェン・ファレル、ケガで遠征に参加できなかったジョージ・フォードに代わる10番にはマーカス・スミスを起用した。
その意図をボーズウイックHCは「今、マーカスとフィン・スミスと2人のSOがいる。2人ともこのポジションを掴みたいという大きな意欲を持っている。マーカスは、プレミアシップでも一番ラインブレイクの多いSOで、2022年に日本代表と試合した時もトライを挙げている」。
「それにマーカスはFB(フルバック)でもプレーできるので、今回はイングランド代表としての経験値があるマーカスを先発で使う。いずれにせよこのツアーで2人の10番が成長してほしい」と説明した。
ボーズウイックHCは、2015年ワールドカップ時は日本代表のFW(フォワード)コーチとしてエディー・ジョーンズHCを支えた。その日本代表についての印象を聞かれて「エディーは本当にコーチングがうまい。エディーのコーチとしての質の高さは誰もが知っているし、本当に高い評価を受けている。だから、本当にスキルがあり、タレントが豊富で、よくまとまった日本代表を期待している」と話した。
激しい接点の練習をするイングランド代表
また、個々の選手については「FL(フランカー)リーチ マイケルの経験と、彼がこれまで日本代表にもたらしてきたことは一目瞭然。私が一緒に仕事をしていた頃から10年ほど経つが、今季、東芝ブレイブルーパス東京での彼のプレーやリーダーシップは、ラグビーに対する真摯な姿勢とプロ意識が見て取れる」。
「また、LO(ロック)ワーナー・ディアンズのような身体能力の高い選手もいる。BK(バックス)もSH(スクラムハーフ)齋藤直人、SO(スタンドオフ)松田力也のようなスキルのあるハーフ団を揃えているし、WTB(ウイング)ジョネ・ナイカブラのようなパワフルな選手もいる。本当にタレントが揃ったスコッドだと思う」と評した。
2015年ワールドカップで日本代表のFWコーチだったボースウィックHC
エディー・ジョーンズHCの下でコーチとして指導者のキャリアを始めたボーズウイックHC。「(日本で学んだことは)ゲームに取り組むには、様々なプレースタイルがあり、物事を様々な角度から見ることができるようになった」。
「グループごとに異なるコーチングが必要であり、グループ内の個人ごとに異なるコーチングが必要であるということ。このことは、私のコーチングの経験やキャリアに非常に早くから、そして信じられないほど役に立った。これからコーチの道に入る人には、ぜひ違った環境、文化でのコーチングをお勧めしたい」と答えた。
日本での思い出を聞かれると、「海でモールのセッションを行ったこと。深すぎてうまくいかなかったけど。あとは朝5時からのトレーニング(苦笑)」と懐かしそうに振り返った。
日本戦に向け練習をするイングランド代表
最後にボーズウイックHCは「エディーは日本のラグビー界に多大な影響を与え、誰もが指導者としての素晴らしさを知っており、リスペクトしている。土曜日の午後、本当に強い日本代表を期待している」と締め括った。
また、前日にFB(フルバック)ジョージ・ファーバンクが、この日はCTB(センター)ヘンリー・スレイドとCTBオリー・ローレンスが会見に応じた。
プレミアシップで優勝したノーサンプトン・セインツのファーバンクは疲れた様子を見せず、「アジアには来たことがあるけど、日本は初めてで、週末は休みだったから、何人かで出かけていろいろなことをした」。
「エディーは非常にユニークなコーチで、彼は常にそのチームを発展させ、新しいアイデアを取り入れたいと考えている。日本のリーグを少し見ているから、恐らくそれに近いゲームになるだろう。ボールインプレーが長いし、クイックでオフロードをよくする印象がある。SO松田などBKに脅威になる選手が多い」と話した。
4人いる副将の一人CTBスレイド
今季のプレミアシップの得点王に輝いたCTBスレイドは、「日本はスピードを使ってボールをたくさん動かすラグビーをする。ディフェンスの面では、アウトサイドCTBとして、幅とテンポのあるボール回しでプレーするチームが、最もタフなディフェンスをするチームだと思うので、そこにチャレンジしたい」。
警戒する選手には「リーグワンのクリップを見ると、日本のラグビーが成長しているのがわかる。世界のトッププレーヤーもたくさんいる。だから今回、トゥイッケナムではなく、日本でのチャレンジが楽しみ。日本代表の象徴でもあるリーチは当然だけど、同じポジションのCTBディラン・ライリー。すごく攻撃的な選手なので、ディフェンスで上回らないといけない」と意気込んだ。
イングランド代表CTBローレンス
また、12番に入ったCTBローレンスは「日本のこの気候にはちょっと驚いたけど、試合までには慣れていくと思う。そのため、トレーニングの中で身体を引き締め、フィールドの適切なエリアでプレーすることが鍵になっている。チーム内のリーダーやドライバーたちのおかげで、適切なタイミングで適切な決断を下すことができると思う」と話した。
日本代表の印象については「ここ数週間は特に9番と10番を見てきたが、プレーのスピードと、チームを前線に押し上げようとする姿勢が素晴らしい。また、WTB(ウィング)と15番は、ボールを持ったら脅威になる。日本代表はすごく速いプレーをする印象があるし、いいキッカーやランナーがいる」。
「だから、僕たちは自分たちのフィジカルを全面に押し出してベストを尽くさなきゃいけない。自分としては、できる限りボールに絡んで、ボールのスピードを上げ、アタックしていきたい。レンガの壁にぶつかっているように見えるかもしれないが、ディフェンダーをなぎ倒していくのが好きだし、それで前進させていきたい」と腕を撫した。
新生エディー・ジャパン初陣となる、日本代表とイングランド代表のテストマッチは6月22日(土)、東京・国立競技場で午後2時50分にキックオフされる。
◆イングランド代表 出場予定メンバー
(所属クラブ、6月18日現在の年齢/キャップ数)
★:2023年、☆:2019年、◎:2015年、◇:2011年ワールドカップスコッド
キャプテンはHOジェイミー・ジョージ
1 ビーヴァン・ロッド(セール・シャークス、23/5)★
2 ジェイミー・ジョージ(サラセンズ、33/90)★☆◎ ※キャプテン
3 ダン・コール(レスター・タイガース、37/112)★☆◎◇
4 マロ・イトジェ(サラセンズ、29/81)★☆
5 ジョージ・マーティン(レスター・タイガース、23/12)★
6 チャンドラー・カニンガム=サウス(ハレクインズ、22/4)
7 サム・アンダーヒル(バース、27/35)★☆
8 ベン・アール(サラセンズ、26/30)★
イングランド代表BK陣
9 アレックス・ミッチェル(ノーサンプトン・セインツ、27/16)★
10 マーカス・スミス(ハレクインズ、25/32)★
11 トミー・フリーマン(ノーサンプトン・セインツ、23/8)
12 オリー・ローレンス(バース、24/24)★
13 ヘンリー・スレイド(エクセター・チーフス、31/62)☆◎
14 イマニュエル・ヘイ=ワボソ(エクセター・チーフス、21/3)
15 ジョージ・ファーバンク(ノーサンプトン・セインツ、27/9)
ワールドカップでヘディングでトライをアシストしたPRマーラーは控えから
◆控え
16 テオ・ダン(サラセンズ、23/12)★
17 ジョー・マーラー(ハレクインズ、33/92)★☆◎
18 ウィル・スチュアート(バース、27/38)★
19 チャーリー・ユールズ(バース、28/30)
20 トム・カリー(セール・シャークス、26/50)★☆
21 ハリー・ランドール(ブリストル・ベアーズ、26/6)
22 フィン・スミス(ノーサンプトン・セインツ、22/2)
23 トム・ローバック(セール・シャークス、23/0)
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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