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東洋大学vs.日本大学
早いもので、ラグビー関東大学春季交流大会は終盤戦を迎えている。6月16日(日)、Bグループの東洋大学(昨季関東大学リーグ戦5位)が、ホームの東洋大学グラウンドに、同じくリーグ戦のライバルである日本大学(昨季6位)を迎えた。
東洋大学の春は残り2試合となった。前節(6月2日)は筑波大学に前半途中で19-0とリードしたものの、31-45と悔しい逆転負けを喫し、ここまで1勝2敗(勝ち点4)としている。ホームでリーグ戦のライバルにしっかり勝利し、連勝して春季大会を終えたいところだった。
対する日本大学は、この試合が春の最終戦。開幕戦で筑波大学(昨季関東対抗戦4位)に、29-26で勝利。慶應義塾大学(昨季対抗戦5位)、大東文化大学(昨季リーグ戦4位)には負けたものの接戦となり、2勝2敗で力のあるところを見せている。最終戦はしっかり勝利して春季大会を締めくくりたいところだった。
一昨季の関東リーグ戦では東洋大学が33-32で、昨季の関東リーグ戦では日本大学が20-12で勝利している。夏を感じさせる暑さの中、午後0:00にキックオフされたライバル同士の激突は、予想通り、最後まで勝負のわからない展開となった。
試合開始早々、スクラムで反則を誘うなど、主導権を握ったのはアウェイの日本大学だった。前半6分、ディフェンスでプレッシャーをかけて相手がファンブルしたボールをSH(スクラムハーフ)福田涼平(3年)が足にかけて、インゴールで相手が処理にとまどっているところでボールを押さえてトライ。5-0と先制に成功した。
さらに10分、相手陣ラインアウトからチャンスを得て、ブラインドサイドでパスをつないでWTB(ウィング)浦川直輝(2年)が右端に押さえてトライ、10点差にリードを広げた。
2トライを許してしまったホームの東洋大学だがパニックにならず、すぐに反撃に転じる。12分、キックカウンターからWTBモリース・マークス(4年)がチャンスを作ると、最後はマークスのオフロードパスを受けたSO(スタンドオフ)天羽進亮(3年)が左中間にトライ。ゴールも自ら決めて7-10とした。
ラグビー 関東大学春季交流大会2024
【ハイライト動画】Bグループ 東洋大学 vs. 日本大学|東洋、試合終盤の逆転劇
その後は互いに決め手に欠ける状況が続いたが、32分、相手陣のスクラムから日本大学が右に展開すると、FB(フルバック)半田翔彰(2年)が綺麗に抜け出して、中央右にトライ。ゴールも決まって再びリードを10点差に広げた。
ロスタイム、東洋大学も自陣のラインアウトからCTB(センター)アダム・タマティ(3年)が抜け出しチャンスメイク。ボールを素早く継続して、最後はラックからSO天羽が持ち出して、前半2つ目のトライ。12-17と5点差に追い上げて、ハーフタイムを迎えた。
後半、先に得点を挙げたのはリードしていた日本大学だった。後半11分、スクラムを起点に攻め込み、最後はFW(フォワード)にこだわってHO(フッカー)西岡昴(4年)が左端にトライ。SO坂本黎(3年)が難しい角度のコンバージョンキックを決めて、この試合、最大となる12点差のリードを広げた。
しかし、東洋大学もすぐに反撃する。15分、相手ゴール前、ラインアウトモールを左に回しながら押し込みHO(フッカー)小泉柊人(3年)が左端にトライ。SO天羽も難しい角度のゴールを決めて、19-24と5点差に追い上げた。
その後は再び膠着した状態となるが、東洋大学は38分、相手のインゴールドロップアウトからボールを継続し、最後は右にパスをつないで、CTB佐藤航大(4年)がライン際でトライを挙げて、24-24と同点に追いつく。
さらにロスタイム、東洋大学は相手が自陣からでも攻めてくる中で、ノックオンを誘いボールを奪取。ボールを継続して、最後はCTB岡本有生(4年)、FB坂本琥珀(2年)とつないで坂本がトライ。ゴールも決まって31-24としてノーサイドを迎えた。
東洋大学が最大12点差と苦しい展開の中でも、残り5分で2トライを挙げて、見事に逆転勝利を収めた。日本大学としては、後半の後半、ゴール前のラインアウトのチャンスで取り切れなかったことが響いた。
ともに今季こそ関東リーグ戦で3位以上に入り、大学選手権出場を目指す両校。春は東洋大学に軍配が上がったものの、秋の再戦もきっと接戦になることは間違いないだろう。
日本大学は3連敗を喫してしまい、2勝3敗(勝ち点12)で春季大会を終えた。東洋大学は春季大会で2勝目を挙げて2勝2敗(勝ち点8)とし、最終戦となる6月23日(日)は再びホームに立教大学(関東対抗戦6位)を迎える。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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