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山沢拓也、U20日本代表との練習試合
6月22日(土)のリポビタンDチャレンジカップ イングランド代表戦に向け、6月6日(木)から宮崎入りしていたラグビー日本代表。11日(火)の午後の練習も報道陣に公開された。この日は前日まで別府で合宿をしていたU20日本代表候補と、20分×3本の実践形式の練習が実施された。
日本代表とU20日本代表が実践形式で、身体と身体をぶつけ合うのは異例のことだった。5月はニュージーランドに遠征していたU20日本代表だが、6月はリーグワンのチームもオフということで、大久保直弥HC(ヘッドコーチ)が日本代表のエディー・ジョーンズHCに相談し、実施されたという。
ただ実際の試合とは異なり、スクラムはなく、エディー・ジョーンズHCが指示した場所からラインアウトで始める、ペナルティキックやコンバージョンキック、スクラムはなしというスタイルだった。互いにメンバーを替えていく中で、トライ数は日本代表12本、U20日本代表が2本だった。
宮崎に入って6日目だったが、日本代表にとっては「超速ラグビー」を実践形式で、自チームではなく、相手に対して行うのは初だったとのことで、ハーフ団や若手選手たちに宮崎合宿の感想や、ジョーンズHCの掲げる「超速」ラグビーの手応えを聞いた。
SO李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)
◆SO(スタンドオフ)李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)
「対戦相手をつけての実践だったが、やろうとした形がだんだん見えてきて手応えがあった。セットプレーから、3フェーズで取り切る練習が中心だったので、相手より速く動いて、3フェーズで取り切ることは手応えになったし、ディフェンスで粘ってトランジションから取り切るのはいい形でできていたと思う。
テンポが速い中、スピードのあるアタック中のコミュニケーションはまだまだ成長させないといけない。連動してコネクトしてアタックするところは、もっと精度高くやっていきたい」
FB/SO山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
◆FB(フルバック)/SO山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
「まだ手応えというほどではないが、激しい密度の濃い練習をしているので、すごくしんどいが成長できるいい環境と思う。ジャパンがやろうとしているラグビーの理解や、どういうシェイプを使うかとか確認しながら、このスピードの中でやって理解をしている」。
(コーチ陣の)言っていること自体はそんなに難しくないが、初めてのメンバー、チームとして初めてやるので、細かいところがまだまだ良くなると思う。一番、難しいのは速く判断して、早く声を掛けすること。
それが遅れてしまうと判断できないので、コールするにも判断が必要なので、それがないと始まらないので重要だと思う。気づいたらBK(バックス)で最年長になっていて、ビックリしている。得意ではないが、ちょっとずつコミュニケーションを取ってみんなと仲良くなっていきたい。
イングランド代表とは2年前に対戦しているが、シンプルにパワーや空中戦、セットプレー、ディフェンスで前に出てプレッシャーかけてくると思うので、どうやってアタックで崩せるか楽しみ」
SH齋藤直人
◆SH(スクラムハーフ)齋藤直人(元東京サントリーサンゴリアス)
「初めて実戦で超速ラグビーをやって、U20がファイトしてくれて、高強度で試せた。いい部分と悪い部分があったが、トランジションの部分が良かった。何が超速か、徐々に理解できてきて、最初、見たりしたが、やりながら覚えていって、理解が深まっていった。
エディーさんには、日本で一番アタッキングな9番になるつもりで来いとキャンプ前に言われました。合宿はきついけど楽しい。エディーさんもそうですが、周りにいるメンバーも変わって、一緒に全員で作っていくことが楽しみ。
ディラン(・ライリー)と同じ歳で、一緒にいることが多いが、気づいたらチームの中で真ん中くらいの歳で、何年か代表にいて、まずは自分のパフォーマンスが大事だが、リードするというか、ちょっと気を遣うとか、コネクトする部分で間に入れるような存在に少しずつなっていきたい」
PR森山飛翔(帝京大学2年)
◆PR(プロップ)森山飛翔(帝京大学2年)
「今回のメンバーで、一番のサプライズだと思います。菅平合宿に呼ばれたのも昨季、出場機会が少なかったので、呼ばれてうれしかった。きっと、日本代表の構想には入ってなかったと思うが、菅平でアピールできたのは自信につながる。
ただ、世代が違う中でプレーするのは不安や難しさもあるが、自分をどう出していくか。スクラムのところをどんどんエフォートして強くなれば、テストマッチに出られるチャンスが出てくるかもしれない。
(オーウェン・フランクス コーチと一緒にやって)最初の頃は名前がすごすぎて、技術よりも感動の方が大きくて、うれしくて耳に入ってこなかったです(苦笑)」
WTB/FB矢崎由高(早稲田大学2年)
◆WTB(ウィング)/FB矢崎由高(早稲田大学2年)※トレーニングスコッド
「練習生ですが、日本のトップに参加させていただいてうれしく思うし、大きく成長できる場だと思うので、今ある状況を楽しんで、何段階もレベルアップしたい。
朝早いですが一番若いので、フレッシュにがんばっていかないといけないし、リカバリーもして、身体のケアもしていかないといけない。まずはジャパンのスコッドに入ることが1つ目の目標。
エディーさんにもチャンスはあると言っていただいているので、チャンスを掴みにいく全力の努力をしたい。自分でもすごくワクワクしているし、そのチャンスを掴みにいかない理由はない。少しでも試合に出られるように、これからの練習をしていきたい」
イングランドの代表戦まで残りは10日を切った。チーム一丸、ラグビー日本代表は「超速ラグビー」にさらなる磨きをかけていく。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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