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トライを挙げるFL申キャプテン(桐蔭学園)
夏の関東高校王者を決める第72回関東高校ラグビー大会が6月8日(土)9日(日)に埼玉・熊谷ラグビー場(A~Cグラウンド)で行われた。関東の各都県の代表28校が、A~Gの7ブロックに4校ずつ分かれ、2日間で対戦した。また、女子の15人制の公開競技も9日に行われ、南関東が北関東を19-0で下した。
実質、優勝を決めるAブロックの決勝は予想通り、春の選抜大会ベスト4同士の桐蔭学園(神奈川1位)vs.國學院栃木(栃木1位)の対戦となった。桐蔭学園は昌平(埼玉1位)に、國學院栃木は目黒学院(東京1位)に、それぞれ43-10、24-19で勝利しての進出。なお、2月の関東新人決勝では國學院栃木が10-7で勝っている。
前半、風上だった國學院栃木はSO神尾のPG2本にとどまった
前半、最初は風上だった國學院栃木のペースで試合が進み、前半6分、18分にSO(スタンドオフ)神尾樹凛(3年)がPG(ペナルティゴール)を決めて、6点をリードした。しかし、桐蔭学園もディフェンスで粘りを見せてゴールラインを割らせることはなかった。
24分、桐蔭学園は我慢していたディフェンスで、相手ボールをターンオーバーすると、我慢強くつないでNO8(ナンバーエイト)新里堅志(3年)がトライ。SH(スクラムハーフ)後藤快斗(3年)のゴールも決まって逆転。
2トライを挙げたFL小川(桐蔭学園)
さらに前半ロスタイムにも、SO竹山史人(2年)がラインブレイクすると、最後はFL(フランカー)小川健輔(3年)がトライを挙げ、12-6とリードして前半を折り返した。
後半、風上となった桐蔭学園が一気に畳みかける。7分、NO8新里のオフロードから、キャプテンFL申驥世(3年)がトライ。さらにボールを継続し、テンポのいいアタックで冴えを見せた桐蔭学園は、SO竹山、SH後藤、FL小川がトライを重ねてノーサイド。桐蔭学園が40-6で勝利した。
トライを挙げるSH後藤(桐蔭学園)
桐蔭学園は、見事に関東新人大会のリベンジを達成。ブロック制が導入された1982年以降、2年連続12度目の関東王者に輝いた。
第72回関東高等学校ラグビーフットボール大会 2日目
【ハイライト動画】Aブロック決勝 國學院栃木 vs. 桐蔭学園|桐蔭学園が後半突き放す
藤原秀之監督は「前半最後の連続トライは大きかった。(春の)選抜大会はやり切れていなかったが、裏に出たところのつなぎは今季のチームの方がうまい。選抜大会、そしてサニックスワールドユースで、いい成長ができた。今季は『こうやっていく』と腹が決まってきた」と笑顔を見せた。
FL申キャプテンも「2月18日に関東新人で國學院栃木に負けてから、ずっとリベンジしたいと言っていたので、勝ててホッとしたしうれしい。2月の関東新人大会決勝は、花園で優勝した先輩たちの真似ごとをして、自分たちの個の力が足りず負けた」。
「自分たちの形を模索して、速いラグビーを軸に当たるだけでなく、テンポを出したり、オフロードパスをしたり、空いていたら前、空いてなかったら外という自分たちのスタイルを見つけた。敗戦がターニングポイントになった」と自信を深めた。
國學院栃木に快勝したことで、桐蔭学園は予選を勝ち抜いて花園に出場すれば、Aシードがほぼ確実となった。ただ、藤原監督は「その前に11月17日の神奈川県予選決勝。東海大相模さん、慶應義塾さん、どこも強くなっている」と勝っても兜の緒を締めていた。
サヨナラDGを決めた流通経済大柏のSO大門
Bブロック決勝は茗渓学園(茨城1位)と流通経済大柏(千葉1位)の対戦となった。5-5で迎えたロスタイム、流通経済大柏のSO大門歩瑠(2年)がサヨナラDG(ドロップゴール)を決めて8-5で勝利した。
「早慶戦」は早実に軍配が上がった
Cブロック決勝は國學院久我山(東京2位)が、選抜ベスト8の東海大相模(神奈川2位)に26-22で勝利し、こちらも関東新人3位決定戦のリベンジを達成した。「早慶戦」となったDブロック決勝は、早稲田実業(東京3位)が慶應義塾(神奈川2位)を33-17で下した。
Eブロックは法政第二(神奈川4位)、Fブロックは明大中野(東京5位)、Gブロックは慶應志木(埼玉5位)がそれぞれ制した。
今年も桐蔭学園の優勝で幕を閉じた関東大会。各チームは6月、7月のセブンズを挟んで、夏合宿、そして秋の花園予選に向けて強化を進めていく。
【各ブロックの結果】
◆Aブロック
●昌平(埼玉1位)10-43 桐蔭学園(神奈川1位)○
●目黒学院(東京1位)19-24 國學院栃木(栃木1位)○
○桐蔭学園 40-6 國學院栃木●
●昌平 14-19 目黒学院○
◆Bブロック
○茗溪学園(茨城1位)22-14 明和県央(群馬1位)●
○流通経済大柏(千葉1位)34-6 山梨学院(山梨1位)●
●茗渓学園 5-8 流通経済大柏○
●明和県央 5-36 山梨学院○
東海大相模に勝ち、新人戦のリベンジを喜ぶ國學院久我山
◆Cブロック
○國學院久我山(東京2位))56-26 清真学園(茨城2位)●
○東海大相模(神奈川2位)20-0 川越東(埼玉第2位)●
○國學院久我山 26-22 東海大相模●
○清真学園 14-12 川越東●
◆Dブロック
○早稲田実業(東京3位)52-5 日川(山梨2位)●
○慶應義塾(神奈川第3)17-14 熊谷工業(埼玉第3)●
○早稲田実業 33-17 慶應義塾●
●日川 0-45 熊谷工業○
◆Eブロック
●桐生第一(群馬2位)19-31 法政第二(神奈川4位)○
●東海大浦安(千葉2位)14-41 成城学園(東京4位)○
○法政第二 31-28 成城学園●
○桐生第一 41-12 東海大浦安●
◆Fブロック
●東洋大牛久(茨城3位)0-44 専修大松戸(千葉3位)○
○明大中野(東京5位)24-14 浦和(埼玉4位)●
●専修大松戸 6-46 明大中野○
●東洋大牛久 10-17 浦和○
◆Gブロック
○東京朝鮮(東京6位)29-10 作新学院(栃木2位)●
●勝田工業(茨城4位)0-58 慶應志木(埼玉5位)○
●東京朝鮮 17-36 慶應志木○
○作新学園 24-7 勝田工業●
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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