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ラグビー コラム 2024年6月10日

【ハイライト動画あり】スクラム充実。遂行力◎。早稲田大学が法政大学に完勝。第13回関東大学春季交流大会Aグループ

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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スクラムは充実。高い遂行力を発揮し、高確率でチャンスをモノにした。

関東大学春季交流大会Aグループ。6月9日(日)は早稲田大学グラウンドで、3勝の早稲田大学が3敗の法政大学を迎えた。

開始直後、早稲田大はこの日も強固なスクラムで魅せた。早稲田大は敵陣の自軍投入スクラムでプッシュ。ペナルティをもらい展開攻撃。

右隅までボールを運び、折り返しながらCTB金子礼人を後方で走り込ませる。縦突進と横展開の合わせ技で、FB池本晴人が鮮やかに先制トライを奪った。

大会初勝利を狙う法政大も、中盤でキックを効果的に使いながら前半7分、中盤でフェーズアタック。

早稲田大は激しいブレイクダウン・ワークをみせ、法政大は対照的にテンポが出ない。法政大はペナルティに助けられて敵陣22mに入るが、この日はラインアウトが不安定だった。

空中戦でミスが起きると、ここから早稲田大がさらに2連続のペナルティ。

敵陣に入ると、ブレイクダウンの連取からSH細矢聖樹が高速パスアウト。ふたたびFB池本晴人が個人技をおりまぜて前半14分に連続トライ。

さらに1トライを追加した早稲田大。敵陣3度のチャンスで3トライを挙げる快調ぶりで、開始20分で3トライ19得点を奪った。

前半40点ペースだった早稲田大だが、直後から自陣での反則により失速する。法政大はLO上杉太樹を中心に敵陣ラックにプレッシャーをかけてターンオーバー。得点機を呼び込んだ。

しかし早稲田大は集中力を切らさず、的確なタックルを繰り返しインゴールを守り切った。かたや法政大は序盤からのラインアウト・ミスが続き、前半は結局得点ができず。

かたや早稲田大はスクラムのペナルティから敵陣へ。強制的に相手を後退させると、アタックではスペースへの直線的な仕掛けから優勢となる。

決定的な仕事をするFB池本晴人の突破&オフロードパスで、最後は機動力あるHO安恒直人が前半4本目。前半を26-0で終え、後半へ入った。

ラグビー 関東大学春季交流大会2024 Aグループ

【ハイライト動画】早稲田大学 vs. 法政大学

後半、早稲田大のプレー強度・精度は持続的だった。

自陣からの積極展開するようになった早稲田大。機動力溢れるタックラー、FL田中勇成のゲインを足場するトライなど、さらに2本を追加してリードを大量40点とする。

ほぼ勝利を手中にした早稲田大、この日の失点は直後のキックオフだった。

後半20分、40失点した法政大はキックオフでWTB松田陸空らがパイルアップを誘う好守をみせる。敵陣スクラムを得ると、ここからFL佐野祐太がパワフルなピック&ゴーでゴールラインに迫る。

するとこの日背番号8を任された細川幹太が、ピックでトライを奪取。FW戦でスコアし、この日チーム初トライ。チャンスでの圧力は迫力があった。

ただ攻守の精度、圧力の優位は変わらず。

アカクロ軍団は早稲田実業出身の小兵FL田中勇成が、ジャッカル、相手をタッチに押し出すタックルなど、終盤まで守備の要として機能。

終盤はLO栗田文介が武器のキャリーでトライを奪うなど2トライを追加。法政大のその後の反撃は、相手の自陣展開のインターセプトのみだった。

得点は前後半で4トライ26得点ずつ。高いクオリティを保った早稲田大が、最終スコア52-14で4勝目を飾った。

これで4敗となった法政大は6月23日(日)、4敗同士の流通経済大学戦で大会初勝利を狙う。

静岡・エコパスタジアムであった帝京大学×明治大学が同点決着(24-24)だったため、4戦全勝となった早稲田大が単独首位に躍り出た。

唯一4戦全勝の1位早稲田大の次戦は、優勝が決める天王山だ。6月16日(日)、早稲田大学グラウンドに2位(3勝1分)の帝京大学を迎える。

春の王者はどちらか。スクラムバトルの行方は。必見のキックオフは日曜日の13時だ。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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