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ラグビー コラム 2024年5月30日

新生ラグビー日本代表、メンバー35名を発表。エディジャパンの旅路が始まる

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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エディ・ジョーンズHC

新生エディー・ジャパンがベールを脱いだ。5月30日(木)、東京都内でラグビー日本代表のエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が会見を開き、6月6日から宮崎で行われる合宿に参加する日本代表メンバー35名を発表した。

冒頭、ジョーンズHCはやや緊張した面持ちで、「最初の日本代表のメンバーということで非常に興味深い選考になった。高校、大学、U20からトップ選手のいるリーグワンまでしっかりしっかりと試合を見させていただいた」。

「だから、かなり競争が激しいメンバーのセレクションになったと思う。2023年のワールドカップを経て、改めて日本代表のチームを再構築しないといけないということで、そのプロセスが今日から始まった」。

「日本らしく、(他の国と)違うラグビーのスタイルを構築していくという中で、『超速ラグビー』を掲げていて、それも(宮崎合宿の)初日から導入をしていきたい」と挨拶した。

今回の日本代表のメンバーは6月22日(土)に、東京・国立競技場で対戦するイングランド代表戦への出場が想定されたメンバーであると言えよう、6月29日と7月6日に、マオリ・オールブラックスと対戦する『JAPAN XV』には、バックアップメンバーからも選出される可能性もあるという。

新しい日本代表35名の顔ぶれを見ると、2023年ワールドカップスコッドだった選手は、FL(フランカー)/LO(ロック)リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)を筆頭に15名。

そしてワールドカップの経験こそないが、キャップホルダーが8人。そしてノンキャップが、PR森山飛翔(帝京大学2年)、HO(フッカー)佐藤健次(早稲田大学4年)の大学生2人を含む12人となった。

なお、5月下旬に菅平で合宿をしていたトレーニングスコッドからは、13人が昇格した形となった。キャプテンはイングランド代表戦の週(6月17日以降)に発表予定だという。

ジョーンズHCは「私が望んでいる選手はハングリー精神を持った選手で、向上したいと思っている選手たち」。

時折笑顔を見せたエディ・ジョーンズHC

「私たちがワールドカップでトップ4入りするためには、本当にハングリー精神を持って、毎日1分でも無駄にしたくない、改善したいと思っている選手が必要になってくる。だから、そういう選手たちを35人選ぶことができたら、ワールドカップで、私達の夢が叶うチャンスが生まれると思う」と説明した。

特に選考で悩んだポジションを聞かれてジョーンズHCは、「日本では、SH(スクラムハーフ)とWTB(ウィング)の選手は本当に層が厚く、3人を選ぶことが非常に難しかった。

その中で選ばれたのが、小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス)、藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)になる」。

「WTBでも右WTBで選んだのが、パワー系のヴィリアメ・ツイドラキ(トヨタヴェルブリッツ)とジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)、左WTBもスピーディーな選手たちを選んだ。小野澤謙真(慶應義塾大学1年)は菅平の合宿ですごく良くなってきたが、今回は入らなかった」と答えた。

また、フロントロー、特に右PR(プロップ)に若い選手が多く選んだ意図を指揮官は、「タイトヘッドのプロップも、若いメンバーたちを育てるのが必要だと思った」。

「現代のラグビーではスクラム、タックル、そしてボールキャリーもできないといけないというところで、クボタスピアーズ船橋・東京ベイの1年目、為房慶次朗、帝京大学2年の森山飛翔を選んだ」と説明した。

FB(フルバック)に選んだ山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)の評価については「彼は彼が17~19歳くらいの頃、10番をしていて、ワールドクラスになれるようなポテンシャルがあったと思う」。

「ただ、ケガをしたり、自分にかけられた期待に苦しんだ部分もあったと思うが、復帰して15番として飛躍をするようになり、彼がファーストレシーバーもできることは、アタックのオプションも新たに設けることができる。今でもスキルは素晴らしい選手」と期待を寄せた。

今回のメンバーは平均で25歳代。昨年のワールドカップに出場した34名の平均が約29歳だったことを考えるとかなり若返った。

また、トレーニングメンバー(練習生)として選ばれた、LO(ロック)本橋拓馬(帝京大学4年)、SO(スタンドオフ)本橋尭也(帝京大学2年)、FB(フルバック)矢崎由高(早稲田大学2年)の3人に関して、指揮官は「成長を加速させるために呼んだ。もしかしたら、最初のテストマッチに出場するかもしれない」と話した。

2023年ワールドカップに出場したPR稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、前キャプテンのNO8(ナンバーエイト)姫野和樹、SH福田健太(ともにトヨタヴェルブリッツ)、FB松島幸太朗(東京サントリーサンゴリアス)はケガのため、NO8ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ)は家族の事情により選出されなかった。

また、コーチングスタッフに南アフリカ代表LOだったヴィクター・マットフィールド、そしてニュージーランド代表の右PRだったオーウェン・フランクスの2人が入閣したことも発表された。

「私たちのチームにこの2人はすごく合っていると思う。マットフィールドも世界的な有名なLOだし、フランクスも本当に世界的なタイトヘッドPR。彼らも若いコーチだが、たくさんの経験を持っているので、それを選手たちに共有していくことが重要になってくる」(ジョーンズHC)。

6月22日のイングランド代表戦に関して聞かれて、ジョーンズHCは「スティーブ・ボースウィックHCは3年くらい、チームを育ててきている。彼は本当に素晴らしい仕事をして、強いチームになってきていると思う」。

「イングランド代表がどういうプレーをしてくるかを私たちは十分に把握している。キックを蹴って、セットピースで勝負してくる。そして、ディフェンスは南アフリカのタイプをやってくるということもわかっているので、日本代表はかなり良いチャレンジな試合になるが、暑い東京の試合なので、どうなるかわからない」と意気込んだ。

いよいよ、6月6日から新生エディー・ジャパンが本格始動する。ジョーンズHCは「HCに就任してから6ヶ月、チームをいろいろ観察したり、コーチといろいろ話をしたり、たくさんの試合も見てきた。宮崎合宿は私もワクワクしている。そして、4年間の旅路が始まるので、みんな楽しみにしている」と笑顔で話した。

合宿の最初に選手たちに「超速ラグビー」を落とし込み、6月11日にはU20日本代表選手たちとの合同練習を予定しているという。ジョーンズHCは35名の選手とコーチ陣とともに、イングランド代表戦まで急ピッチでチームを仕上げていく。

【日本代表宮崎合宿参加メンバー:35名】

☆:2023年ワールドカップ日本代表
※:トレーニングスコッドとして菅平合宿に参加していた選手
・ポジション 氏名(所属チーム/キャップ数)

◆FW:21名

・PR 岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス/0)
・PR 竹内柊平(浦安D-Rocks/3)
・PR 為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/0)※
・PR 三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ/9)※
・PR 茂原隆由(静岡ブルーレヴズ/0)※
・PR 森山飛翔(帝京大学2年/0)※
・HO 坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ/41)☆
・HO 佐藤健次(早稲田大学4年/0)※
・HO 原田 衛(東芝ブレイブルーパス東京/0)

・LO/FL 下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス/5)☆
・LO ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京/11)☆
・LO/FL リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京/84)☆
・LO サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ/2)
・FL ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ/8)☆
・FL サウマキ アマナキ(コベルコ神戸スティーラーズ/3)☆
・FL アマト・ファカタヴァ(リコーブラックラムズ東京/7)☆
・FL 福井翔大(埼玉パナソニックワイルドナイツ/3)☆
・FL 山本 凱(東京サントリーサンゴリアス/0)
・NO8 ティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ/0)※
・NO8 テビタ・タタフ(ボルドー/16)
・NO8 ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/5)※

◆BK14名

・SH 小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ/0)
・SH 齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス/19)☆
・SH 藤原 忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/0)※
・SO 松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ/37)☆
・SO 李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ/11)☆※

・CTB 尾崎泰雅(東京サントリーサンゴリアス/0)
・CTB シオサイア・フィフィタ(トヨタヴェルブリッツ/13)☆
・CTB ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/18)☆
・WTB/FB 高橋汰地(トヨタヴェルブリッツ/1)※
・WTB ヴィリアメ・ツイドラキ(トヨタヴェルブリッツ/0)※
・WTB ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京/8)☆
・WTB 根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/1)※
・WTB/CTB 長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ/7)☆
・FB 山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ/6)

【トレーニングメンバー(練習生):3名】

・LO 本橋拓馬(帝京大学4年)※
・SO 本橋尭也(帝京大学2年)
・FB 矢崎由高(早稲田大学2年)

【バックアップメンバー33名】
※チームコンディションに応じて日本代表に招集される可能性のある選手

◆FW:14名

・PR 淺岡俊亮(トヨタヴェルブリッツ)
・PR 眞壁照男(東芝ブレイブルーパス東京)
・PR 小鍛治悠太(東芝ブレイブルーパス東京)
・PR 小林賢太(東京サントリーサンゴリアス)
・PR 森川由起乙(東京サントリーサンゴリアス)
・HO 堀越康介(東京サントリーサンゴリアス)☆
・HO 松岡賢太(コベルコ神戸スティーラーズ)

・LO 秋山大地(トヨタヴェルブリッツ)
・LO 桑野詠真(静岡ブルーレヴズ)
・LO 小瀧尚弘(コベルコ神戸スティーラーズ)
・LO 田島貫太郎(明治大学4年)
・FL 青木恵斗(帝京大学4年)
・FL 福田大和(帝京大学)
・NO8 シオネ・ブナ(静岡ブルーレヴズ)

◆BK19名

・SH 飯沼 蓮(浦安D-Rocks)
・SH 土永 旭(京都産業大学4年)
・SO 伊藤耕太郎(リコーブラックラムズ東京)
・SO 奥村 翔(静岡ブルーレヴズ)
・SO 高本幹也(東京サントリーサンゴリアス)

・CTB 池田悠希(リコーブラックラムズ東京)
・WTB ネタ二・ヴァカヤリア(リコーブラックラムズ東京)
・WTB 高本とむ(リコーブラックラムズ東京)
・WTB マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ)
・WTB 濱野隼大(コベルコ神戸スティーラーズ)
・WTB 松永貫汰(コベルコ神戸スティーラーズ)
・WTB 山下楽平(コベルコ神戸スティーラーズ)

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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