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ラグビー コラム 2024年5月24日

激闘必至!レギュラーラウンド1位、2位の頂上決戦。野武士軍団の王座奪還か、猛勇狼士の初戴冠か

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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埼玉ワイルドナイツ vs. 東芝ブレイブルーパス東京

2023-2024シーズンのリーグワン王者を決めるファイナルが、5月26日(日)、国立競技場で行われる。対戦するのは、埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK)と東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)。レギュラーラウンドを16戦全勝で駆け抜けた埼玉WKは、準決勝で横浜キヤノンイーグルス(横浜E)の工夫した攻撃に苦しめられたが、20-17で競り勝った。一方、15勝1敗でレギュラーラウンド2位のBL東京も準決勝で東京サントリーサンゴリアス(東京SG)の猛攻にリードを許しながら、粘り強く戦って突き放した。スコアは28-20。試合終了後、埼玉WK、BL東京の選手たちの表情には安堵感が漂っていた。「きり抜けた」、「生き残った」。抑制気味の喜びに両者の頂点への強い思いが垣間見えた。

両チームは第9節(3月9日)、熊谷ラグビー場で対戦し、埼玉WKが36-24で勝っている。しかし、スコアは前半19-10、後半17-14で拮抗した。ボールキャリーは埼玉WKが129回、BL東京が131回とほぼ同数だったほか、スタッツ(統計数値)に大きな差はなかった。埼玉WKは例のごとく効率よく得点し、BL東京はトッド・ブラックアダーヘッドコーチが「プレーしすぎてしまった」とコメントしたように、キックをあまり使わず自陣からも攻めすぎた感があった。

OPTAのスタッツによれば、埼玉WKとBL東京は今季のディビジョン1(D1)では1試合平均のディフェンス突破数がトップ2。また、1試合の平均失トライ数がD1で最も少ない2チームでもある。互いに手数をかけずにトライができる攻撃力、粘り強く守りきるディフェンス力を併せ持つ。BL東京が埼玉WKの判断の良いディフェンスを崩せるかどうかが勝敗を分けるカギになる。BL東京の攻撃の要SOリッチー・モウンガがどうボールを動かすか。埼玉WKがBL東京の攻撃を見切って好タックルを決め続けるのか。緊迫感ある攻防が繰り広げられるだろう。

 

5月24日に発表された登録メンバーを見ると、埼玉WKは準決勝から1名のみの変更だ。前半31分に負傷交替(HIA)したNO8大西樹に代わって、リザーブだった福井翔大が先発。リザーブにはLOマーク・アボットが入る。LOで先発するジャック・コーネルセンがFW第三列もできることで可能なメンバー編成だろう。今季限りでの引退を表明しているHO堀江翔太、SH内田啓介もリザーブ入り。最後の雄姿を見せてくれるだろう。重いタックルを決め続けるLOルード・デヤハー、FLベン・ガンター、ボールハンターのFLラクラン・ボーシェーはフィジカル自慢のBL東京を抑え込む役割が期待される。

 

対するBL東京のメンバーは準決勝と23名変わらず。先週、試合直前のセタ・タマニバルの怪我で急きょメンバー入りした眞野泰地は25番をつけてプレーしたが、今回は22番を背負い、22番だった森勇登が23番になる。攻守に目覚ましい活躍だったFL佐々木剛、WTBジョネ・ナイカブラは決勝戦でもキーマンになりそうだ。準決勝で負傷退場したCTBニコラス・マクカランが先発できるのも選手層という意味では大きい。埼玉WKのロビー・ディーンズ監督、BL東京のトッド・ブラックアダーヘッドコーチは、ニュージーランドの常勝軍団クルセイダーズで師弟関係にあった。どんなアタックを準備してディフェンスを崩しにかかるのか興味深い。

埼玉WKは昨年のファイナルでクボタスピアーズ船橋・東京ベイに敗れて連覇を逃した。王座奪還のため今季はシーズン序盤から攻守のバランスを磨き上げてきた。それでも準決勝は苦戦した。坂手淳史キャプテンは「一週間、成長する時間が増えた」と課題をポジティブにとらえ、さらなる成長を目指す。その先に王座はあるのか、それともBL東京がリーグワンを初めて制するのか。「府中に優勝トロフィーを持って帰りたい」(リーチ マイケルキャプテン)。期待感に胸が高鳴る。ものすごい試合になりそうだ。

文: 村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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