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ラグビー コラム 2024年5月23日

積み上げてきたものすべてを出して連勝誓うブラックラムズ。マイナス19点から始まるグリーンロケッツは超攻撃的を誓う

ラグビーレポート by 田村一博
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ブラックラムズ東京 vs. グリーンロケッツ東葛

相手の3トライに対して6トライを奪い、獲得ポイントは5。
2試合を通しての勝ち点の合計、総得失点で争う入替戦で、リコーブラックラムズ東京はいいスタートを切った。

5月18日(土)に柏の葉公園総合競技場でおこなわれたディビジョン1(以下、D1)とディビジョン2(以下、D2)の入替戦(初戦)は、D1で10位だったブラックラムズがD2の3位だったNECグリーンロケッツ東葛に40-21と快勝した。

5月25日(土)に神奈川・相模原ギオンスタジアムでおこなわれる第2戦は、ブラックラムズ有利の状態で始まる。
グローンロケッツは勝ち点5、20点差以上で勝たないとD1への昇格はない。

勝ち方に関係なく、80分の時点で相手を1点でも上回っていればいいブラックラムズは、そんな状況に関係なく、いつも通りのスタイルで勝利を掴みにいくつもりだ。
パワフルなFWがモメンタムを生み、チーム全体を前に出す。

入替戦初戦も、そのスタイルを実践できた試合だった。
序盤こそ互いの力が拮抗するも、前半19分にHO武井日向主将がモールから先制トライを奪うと、4連続トライを奪った。
前半を26-7と大きくリードしてことが大きな勝因となった。

 

第2戦では、その初戦の先制機に足を痛め、交代した武井主将がメンバーから外れた。2番には小池一宏が入る。
ゲームキャプテンは、FLの松橋周平が務める。

松橋は、「泥臭さ」を先頭に立って体現できる男だ。チームカラーをプレーで表現する。必勝の一戦で頼りになる存在だ。
ボール争奪戦に真っ先に頭を突っ込むプレーで仲間に勇気を与えるだろう。

シーズン最後の試合を笑顔で終えたいチームは、シーズンを通して積み上げてきたものを全て出し切る意思でひとつになっている。
どんな逆境の中でも、全員でセイムページを見て、サポートするチームを目指してきた。その成果を見せる。

昨秋のフランスでのワールドカップで、日本代表FWのパワーハウスとして活躍したFLアマト・ファカタヴァは好調を維持している。
SO中楠一期の安定したゲームコントロールと、FBアイザック・ルーカスが見せる爆発力は、相手にとって厄介だ。
本来なら入替戦に出るチームではないと証明する。

一方のグリーンロケッツは、0-19のビハインドからゲームが始まると認識して、攻撃的に80分を過ごすつもりだ。
その心意気は、メンバー編成にも表れている。

 

前戦でケガ人が出た影響もあり、エースのレメキロマノラヴァがアウトサイドCTBに入った。
これまで外側で防御を突破し、得点に絡んできた好ランナーは、これまで以上にボールタッチが多いポジションに立つ。主将として、仲間を牽引する姿勢を強くする。

レメキ主将は、今季終了後にチームを離れると発表されている。
責任感が強く、仲間思いで、ファンの期待に応える男だ。「絶対に勝って、D1に昇格させる」と言い切る。
「最後の最後まで全力で戦い、絶対に倒れない。見ていてください」
その闘志は、チームを勝利に導くいちばんのエナジーとなる。

SOには吉村紘が入った。脳震盪もあり、今季は1試合だけの出場も、攻撃センスにあふれる選手だ。
国際舞台での経験も豊富なSHニック・フィップスとのコンビで、パワーある周囲の選手たちの力を引き出すだろう。

ウェイン・ピヴァック ヘッドコーチは前戦を振り返り、相手に与えたトライの多くが、ゴール前10メートルに侵入され、力づくで奪われたものだったことに後悔する。

「相手のパワーを受けてしまった前半が悔やまれる。戦うエリアを考えながら、攻撃的な80分にします」と選手に期待を寄せる。

スクラムを安定させ、落ち着いたゲームの入りから始めたい。
この試合で引退する36歳のFL細田佳也への期待も大きい。経験値が高く、ラインアウトでも力を発揮するタイプだ。最初から、飛ばしに飛ばしてほしい。
後半に、ベンチからパンチ力のある選手を投入するつもりだ。

キックオフ直後からガムシャラに攻めるより、3点でも5点でもスコアを重ねて先手を取り、勢いを得て一気に圧倒したい。
気がついたら20点差がついていた。そんな展開が理想。すべてを出し切る覚悟は全員にある。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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