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東海大学vs.早稲田大学
4月下旬から始まったラグビー関東大学春季交流大会。関東大学対抗戦とリーグ戦の上位3チームが総当たりで対戦するAグループは、5月19日(日)に第3節を迎えた。
愛知・パロマ瑞穂ラグビー場では、この試合が春季大会の初戦となる東海大学(昨季リーグ1位)と、2戦目となる早稲田大学(昨季対抗戦3位)が激突した。
昨季は全勝で関東リーグ戦最多となる6連覇、そして最多タイとなる13回目の優勝を遂げた東海大学。ただ、大学選手権では準々決勝で、天理大学(関西2位)に14-34で敗れてシーズンを終えた。
今季の東海大学はリーグ戦7連覇、そして選手権優勝に向けて「BREAK THROUGH」をスローガンに掲げた。共同主将にFL(フランカー)汐月佑心、CTB(センター)近藤翔耶(ともに4年)が就いた。
一方、5月に入り、招待試合の慶應義塾大学との「早慶戦」に52-27で勝利、春の初戦となった流通経済大学(リーグ戦2位)にも、68-7で快勝した早稲田大学。
キャプテンのHO(フッカー)佐藤健次が、「春季大会から、どこが相手にも負けたくない」と話すように、「BEAT UP」をスローガンに、1月9日から今季をスタートさせていた。
両者の春の対戦は、一昨季は38-29で東海大学が勝利し、昨年は早稲田大学が33-19で勝利していた。接戦が予想されたリーグ戦と、対抗戦の強豪同士の激突は午後2:00にキックオフされた。
なお、試合直前に早稲田大学にメンバー変更があり、SO(スタンドオフ)吉岡麟太朗(4年)がメンバー外となり、FL(フランカー)中島潤一郎(3年)が控えメンバーに入った。
試合はいきなり『アカクロジャージー』が主導権を握る。前半1分、キックカウンターから攻め込み、右サイドにボールを展開。最後は好調のWTB(ウィング)鈴木寛大(2年)がトライ。SO野中健吾(3年)もゴールを決めて、7点を先制する。
しかし、『シーゲイルズ』も負けていない。7分、自陣で守っている中、ラックで相手にプレッシャーをかけると、ボールがこぼれてSH(スクラムハーフ)井川天太郎(3年)がキックし、そのボールに追いついた、WTB中川湧眞(4年)が再び足にかけて、そのボールを自らトライ。
ラグビー関東大学春季交流大会2024
【ハイライト動画】 Aグループ 東海大学 vs. 早稲田大学|早稲田が9トライの猛攻
さらに12分、相手陣のラインアウトからのチャンスでボールをキープし、フェーズを重ね、最後はFL汐月からのロングパスを受けたWTB中川が、ハンドオフとステップで相手2人をかわして、そのまま右隅に飛び込んで東海大学が12-7と逆転に成功する。
しかし、すぐに早稲田大学も反撃。15分、ラインアウトを起点にFB(フルバック)池本晴人(2年)がゲインし、CTB(センター)福島秀法、黒川和音(ともに3年)とつないでトライを挙げ、12-12と追いつく。
さらに20分、相手ラインアウトのこぼれ球からチャンスを作り、WTB杉野駿太(4年)がトライを挙げて19-12と再びリードする。
さらに勢いに乗った早稲田大学が相手陣に攻め込むと、東海大学のFL薄田周希(3年)が故意のノックオンにより、シンビン(10分間の一時的退場)となる。ここから、一気に流れはアカクロに傾く。
25分、数的優位となった早稲田大学は、この反則からスクラムを選択。これを押し込んで、ペナルティトライを得た。さらに29分、スクラムで反則を得ると、SH細矢聖樹(4年)がクイックタップで再開。CTB福島がゲインすると、内側をフォローしたFL田中勇成(3年)がトライを挙げて、33-12とする。
ロスタイムにも、キックカウンターからボールをつないで、SH細矢がトライを挙げて、40-12と早稲田大学が大きくリードしてハーフタイムを迎えた。
後半、東海大学も意地を見せる。10分、スクラムでペナルティを獲得し、ラインアウトからモールを押し込み、途中出場のHO下江康輔(4年)が押さえて、19-40で21点差とした。
後半、得点がなかった早稲田大学も、相手がキックして確保したボールをWTB鈴木、FB池本の2人で、カウンターラックを成功させてターンオーバー。そのボールを途中出場のPR(プロップ)新井瑛大(2年)、キャプテンHO佐藤とつないで、佐藤が中央にトライを挙げて47-19と再び突き放して勝負を決めた。
36分には途中交代のSH糸瀬真周(3年)のクイックタップから、PR新井がトライ。東海大学は38分に、ゴール前のチャンスで、HO下江がラックを乗り越えてトライを挙げて1本返したが、ロスタイムに早稲田大学のPR新井が再びトライを挙げてノーサイド。9トライを挙げた早稲田大学が59-26で快勝した。
5月は強豪相手に3連勝を達成した好調の早稲田大学は、1週挟んで、6月2日(日)、新潟・デンカビッグスワンで、ライバルの明治大学(昨季対抗戦2位)と激突する。明治大学も現在2連勝であり、春の「早明戦」は今季を占う一戦の1つとなる。
一方、黒星スタートとなった東海大学は6月26日(日)、山梨・JITスタジアムで、昨季の大学選手権王者で、2連勝中の帝京大学(昨季対抗戦1位)にチャレンジする。
文:斉藤健二
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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