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【ハイライト動画あり】紫紺ジャージーが躍動。ルーキー為房は強烈アピール。ラグビー 関東大学春季交流大会「明治大学×法政大学」
ラグビーレポート by 多羅 正崇
紫紺ジャージーがトータルで躍動した。強烈なセットプレー、FW・BK一体の高速アタックで14トライを量産。火花が散ったスクラム・バトルにおいても後半は圧倒した。
5月19日(日)、東京・明治大学八幡山グラウンドで行われた第13回関東大学春季大会Aグループ「明治大学×法政大学」。
昨季準優勝で1勝の明治大は、1敗の法政大を迎え、まず開始1分のファーストスクラムで激しく鬩ぎ合った。
お互いにプライドをもつ8対8のぶつかり合いで、2度の組み直しの後、3回目で明治大が強烈なプレッシャー。しかし法政大もかろうじて耐え、ボールを展開。
しかし直後に法政大がラックで反則。紫紺の軍団が敵陣でラインアウトの好機を得る。
するとモールは押さずに左展開。大会初先発のルーキーSO萩井耀司(桐蔭学園)にボールが渡ると、この日大車輪だったWTB金昂平へ渡り、最後は初先発のWTB安田昂平。主力フィニッシャーが左隅で先制トライを奪った。
明治大のルーキー2人が存在感を示したのは前半5分だ。
まずSO萩井が自陣22mから敵陣22mに入るロングキックで魅せる。さらにリターンのキックを受けたSO萩井は、ボールをFB為房幸之介に送る。すると大阪・常翔学園を卒業したばかりの18歳が、鋭いカウンターランで突破。鮮やかに2トライ目を演出した。
開始5分で12点を失った法政大はしかし、前半14分にトライを奪う。
端緒はキックチャージ。序盤から冷静沈着なプレーを続けていたSH小山田裕悟がチャージダウンに成功。ドリブルからみずから捕球しインゴールへ飛び込み、紫紺の猛攻を一時的に止めた。
法政大はその後相手WTB安田に2本目を奪われたが、直後に明治大が自陣で不用意なオフロードパス。
精度を欠いたプレーに対し、法政大は敵陣スクラムから前半22分、CTB田中大誠がオープンスペースへキック。これを副将のWTB小林雅治が見事捕球し、チーム2本目。
キックチャージとクロスキックで2トライを返し、開始20分間で5点差(12-17)と食らいつく。
ラグビー関東大学春季交流大会2024 Aグループ
【ハイライト動画】 明治大学 vs. 法政大学
さらに法政大はディフェンスではFL嶋崎汰星、その後モールパイルアップなど攻守で活躍したNO8宮下晃毅らが鋭いタックル。窮した明治大がキックを選択する場面もあった。
ただ地力で勝る明治大は、バックスの展開力でその後大差をつけていく。
その中心で輝いたのは常翔学園出身のルーキーFB為房だ。
1トライを追加して12点リード(24-12)の前半30分、FB為房がラインアウトの攻守交代から、ルーキーとは思えぬランで守備を裂く。このブレイクから冷静な内返しのパスで、SH柴田竜成のトライを演出した。
さらに前半終了前にふたたびFB為房。
敵陣左隅の2対1で、ノールックの背面パス。左隅にいたWTB安田のハットトリックを演出し、パサーとしての非凡な能力もみせた。
為房の活躍もあり、41-12と大きくリードして後半を迎えた明治大。
しかし後半1本目のトライは法政大。理由は前半からあった不確実なオフロードパス。乱れたパスを拾った法政大FB北川拓来が一気に切り返し、チーム3本目を奪った。
ただ後半の明治大はフォワードが存在感を示した。
まず後半10分、明治大がペナルティを重ねて自陣ゴール前に下がる。ここで法政大がタップでFW戦を挑んだが、タックルで押し込み反則を誘発。FW戦に勝ってエリアを回復した。
明治大がスクラム・ペナルティを奪ったのは後半10分過ぎだ。
紫紺ジャージーはフロントロー3人、法政大はルーキーHO花澤祐太が交代した後のスクラムだった。ここで明治大が押し込んでエリア挽回。その後ミスが続いて48-19のまま膠着が続いたが、後半20分頃のスクラムでも強制ペナルティを奪取。
セットプレー、FW戦、展開勝負での優位が確定的となった明治大は、後半20分以降で6トライを量産する。
まずインゴールへのグラバーキックからグラウンディング(62分)。スクラムPKからの敵陣モール(66分)。そしてハイパントの再獲得からの独走トライ(69分)。
法政大は後半31分に自陣展開の相手ミスで松田陸空が1トライを返したが、反撃はこの4本目まで。この日はチームで崩しきったり、FW戦で押し切ったりのトライが見られなかった。
そして明治大の14トライ目は、敵陣でのスクラム・ターンオーバー。相手投入スクラムを押して綺麗にボールをピックアップ。ショートサイドの突破から、途中出場の登根大斗のチーム14本目が生まれた。
選手層でも圧倒した明治大が90-26で圧勝。地力で凌駕した紫紺ジャージーが大会2勝目をあげた。これで2連敗となった法政大は次戦、6月2日(日)、早稲田大学に敗れて黒星スタートになった東海大学と、敵地グラウンドで対戦する。
明治大の次戦は新潟開催。6月2日(日)、新潟・デンカビッグスワンで対峙するのは、同じく開幕2連勝の宿敵、早稲田大学だ。
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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