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ラグビー コラム 2024年5月15日

横浜キヤノンイーグルス、リーグ戦無敗の相手に自分たちのスタイルで勝負する。リーグワン プレーオフ準決勝

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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頂点を目指す横浜キヤノンイーグルス

いよいよ今週末から始まる「NTTジャパンラグビー リーグワン」ディビジョン1のプレーオフ準決勝。5月19日(土)、東京・秩父宮ラグビー場で、開幕から無敗でリーグ戦1位となった埼玉パナソニックワイルドナイツに挑むのが、2シーズン連続トップ4に入った4位の横浜キヤノンイーグルスである。

5月14日(火)、イーグルスが東京・町田にあるキヤノンスポーツパークで練習を公開し、練習後、報道陣に対応した。全体練習は非公開となったがFW(フォワード)、BK(バックス)のユニット練習や個人練習は報道陣に公開された。

一度、ケガで登録を抹消したため、規定によりプレーオフに出場できないが、ラグビーワールドカップで優勝を経験している、南アフリカ代表SH(スクラムハーフ)ファフ・デクラークが積極的に参加していた姿が印象に残った。

精神面でチームに貢献するSHファフ・デクラーク(中央)

チームを率いて4シーズン目の沢木敬介監督は「ファフは試合に出られないが、チームメイトにメンタルの整え方でいいアドバイスを送っている。『居心地いい中でやろうとするな。ファイナルはそういうものだし、受け入れないといけない。プレッシャーから逃げていたらいいプレーできないし、絶対プレッシャーを感じない選手はいないから」と話している」。

南アフリカ代表の同僚であるCTB(センター)ジェシー・クリエルは、「(ファフが)出られないのが残念だが、ミーティングで意見を言ったり情報を伝えたりして、周りを助けてチームに貢献している。そういう行動は価値の高いものだと思う」と、その献身性を称えていた。

イーグルスはリーグワンになってから3シーズンの間、0勝6敗とワイルドナイツに勝利することができていない。昨季のプレーオフ準決勝では20-51で敗れており、今季も2度対戦して、昨年12月の開幕戦は12-53、5月の最終戦は14-43で敗戦した。

ケガから復帰したCTBジェシー・クリエル

ただ、リーグ戦とプレーオフは別ものである。ワールドカップで2度優勝を経験しているクリエルは、「大きな大会のプレーオフでは何が起こるかわからない。結果を出せるとポジティブに捉えているし、チームとしても楽しみにチャレンジしたい」と話した。

沢木監督も「トップ4に入ったからには優勝を狙える権利があるので、狙いにいかないといけないが、そんな簡単じゃないし、自分たちの力をしっかり出し切る準備をしないといけない」と話した。

指揮官は「昨季、居心地が悪い中、プレッシャーの中で戦うには何が必要か学んだ。一発勝負なので流れを作って、自分たちのコントロールする時間を長くしていく。実力ではワイルドナイツが間違いなく上。うちのチームは守っても勝てないので、自分たちのスタイル、強みをもう1回クリアにして、そこで勝負する」と語気を強めた。

BKを引っ張るSO田村優(左)とキャプテンのCTB梶村祐介

また、昨季はコンディション不良でプレーオフに出場できなかったキャプテンのCTB梶村祐介は「昨季、出られなかったので、ワクワクしている。最終戦でワイルドナイツにテリトリーを取られていたし、ハイボールに強い選手が多くてそこからスコアされた。数少ないチャンスをスコアにつなげたい」。

「ショットでもDG(ドロップゴール)でも、取れるところ取っていこうと話をしている。ワイルドナイツはディフェンスが固いチームなので、どうやって崩せるか。持てるオプションをすべて使わないといけないし、毎回、対戦が楽しみ」と週末を見据えた。

個人練習でタックルをしていたSO田村優

リーグ最終節はケガの影響で欠場した、国際経験豊富な元日本代表SO(スタンドオフ)田村優は「周りはパナソニックが勝つと思っているが、自分たちが、自分たちに自信を持っているときにアップセット起きると思う。それは僕自身、何回も起こしているので、そういう雰囲気にチームを持って行ければ。1%でも勝利する確率があれば、必ずチャンスは来ると思う」と冷静に話した。

また、チームの司令塔である10番としては「常に勝てる圏内にいて、点差しかり、流れしかり、レフリーのマネジメントしかり、チームのマネジメントしかり、そこをやりたい。みんな緊張しているし、できるだけみんながピリピリした状況にもっていきたいが、気負い過ぎず、(リーグ戦で)この10数試合やってきた枠組みから外れないようにしたい」と続けた。

クリエルは「プレーオフは規律を守ること、不必要なペナルティをしないことが大事。スペースにアタックして、勇敢に攻めるキヤノンのラグビーをしたい。ドミネートするFWがいれば、いい土台になる。そこで安定すると時間とスペースに余裕がある中で展開できる」と語った。

中村駿太(横浜キヤノンイーグルス)

セットプレーの要であるHO(フッカー)中村駿太は「ディシプリンとディフェンス、セットピースが一番大事。そこがしっかりできれば勝機はある。セットプレーは有利に立てると思うし、自信もある部分だと思う。チームとして1年間、モールにこだわってきたので、大舞台で出せたらいい」と意気込んだ。

昨季のリーグ戦では、イーグルスがゴール前のスペシャルプレーでトライを挙げるなど終盤までリードしたが、19-21と接戦を落とした試合があった。沢木監督は、その再現を狙っている。

笑顔を見せる沢木敬介監督

「僅差でついていかないと勝てない。いいスタート切って、いいプレッシャーをかけ続けられればいいと思う。80分攻めないといけない。また、普通にやっては勝てないので、何かやらないといけない」とも話した。

リーグワンのレベルが上がる中、コンディション不良でSHデクラーク、CTBクリエルの南アフリカ代表の2人のスター選手がいない間も、しっかりと白星、勝ち点を重ねて2シーズン連続トップ4に入り、力があるところを証明してみせたイーグルス。

スペースにアタックを仕掛ける、そしてゴール前のモールでトライを取り切る自分たちのラグビーを見せて、ワイルドナイツから初白星を奪取したい。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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