【ハイライト動画あり】明治大学、ディフェンスで課題残すも、新体制の初陣で流通経済大学に快勝。ラグビー関東大学春季交流大会

トライを挙げる柴田

4月28日、関東大学春季交流大会初戦の相手は流通経済大学。『オフザボール』をテーマに掲げた明治大学は、13トライと圧巻の攻撃力を見せ快勝。ディフェンスや規律面で課題は残ったものの、新体制の初陣で好スタートを切った。

序盤から試合が動く。前半2分、スクラムでペナルティを奪い、敵陣深くまで前進すると、マイボールラインアウトから攻撃を展開。着実にゲインを重ね、最後はSH（スクラムハーフ）柴田竜成（営3＝秋田工）のオフロードを受けた右WTB（ウイング）坂本公平（情コミ4＝東福岡）が右隅にグラウンディング。幸先良く先制点を挙げた。

流れをつかんだと思われたが、自陣に攻め込まれる場面が多くなる。前半18分に右CTB（センター）山田歩季（営4＝京都成章）のトライが飛び出すも、前半9分、24分に得点を許し、一時同点に。「自陣での規律のところでペナルティを重ねてしまい、相手に強いキャリーをされてしまった」（NO8/ナンバーエイト木戸大士郎主将・文4＝常翔学園）。

その中でも明大は抜群の修正力を見せる。前半28分、山田のライン際のブレークで敵陣に攻め込むと、テンポのいいアタックで流経大を翻弄（ほんろう）。SO（スタンドオフ）仲間航太（文３＝常翔学園）のギャップへの鋭い仕掛けから、スペースに走り込んだFB（フルバック）為房幸之介（商1＝常翔学園）がパスを受けトライを挙げた。

「フォローに付いてパスをもらっただけで、自分で取ったトライではないので、もっと自分でチャンスメークして得点につなげられるシーンを増やしていきたい」（為房）。

明大はこのトライからエリアマネジメントが改善し、33分、40分と立て続けにトライを奪う。前半終了間際には、相手ボールのキックオフから左FL（フランカー）利川桐生（政経3＝大阪桐蔭）がディフェンスを突破。サポートに付いていた柴田がパスを受け、そのままインゴールまで走り切った。

試合の主導権を譲らず、40-12と大量リードで後半へ。

後半も明大は流れをキープ。後半4分、ハーフラインでのマイボールラインアウトから、右サイドの空いたスペースにボールを運ぶ。パスを受けた坂本がライン際のディフェンスを振り切り、そのままインゴール中央に飛び込んだ。

モールを押し込むFW陣

後半14分には、敵陣ゴール前のマイボールラインアウトからモールを押し込み、右FL福田大晟（商4＝中部大春日丘）がグラウンディング。「セットプレーはいいクオリティだった」（田島貫太郎・政経4＝東福岡）。

後半途中からパスの乱れを突かれ連続トライを許すも、リザーブメンバーが多い中、攻撃の勢いを落とさなかった。後半21分、33分にトライを奪い、着実にリードを広げる。

さらに79分には、自陣から左CTB蓬田雄（政経3＝流経大柏）がディフェンスの裏への浅いキックで仕掛けると、ボールはチェイスしていた吉田輝雅（政経4＝東海大相模）の胸に収まり、そのままインゴールへ。

終わってみれば13トライの猛攻。流経大に流れを渡す時間もあったものの、89-38で勝利を飾った。

新体制の初陣を勝利で飾った明大。今試合では、昨年なかなかチャンスをつかめなかった初紫紺の選手たちや、ルーキーの活躍が随所に見られた。1年生で唯一スタメン出場した為房は、トライだけでなく、ゲームメーク面で才能を発揮。特に後半の50:22は会場を大いに沸かせた。今試合、初紫紺だった柴田は、テンポのいい球出しや果敢にインサイドへの仕掛けで、大量得点に大きく寄与した。

次戦は5月19日の法政大学戦。「試合まで2週間あるのでいい準備をして、前回よりいいプレーができるように頑張りたい」（木戸）。王座『奪還』へのストーリーが今、幕を開けた。

文：晴山赳生／写真：井垣友希、久保田諒（明大スポーツ新聞部）