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ラグビー コラム 2024年4月19日

早稲田大学ラグビー蹴球部に「女子部」が誕生。歴史を一緒に創る部員を募集中!

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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早稲田大学ラグビー蹴球部女子部、4月から始動!

4月18日(木)東京・早稲田大学で、4月から活動を始めた早稲田大学ラグビー蹴球部「女子部門」の会見が行われた。ラグビー蹴球部部長の恩藏直人氏、ディレクターを務めるラグビー部OBの柳澤眞氏、リオ五輪の代表選手でもあった大学OGの横尾千里HC(ヘッドコーチ)、そして女子選手たちも登壇した。

まず、男子も含めたラグビー蹴球部の恩藏部長は「女子部創設にあたり、たくさん問い合わせがあったので、会見の機会を設けさせていただいた。2022年に早稲田のスポーツは125周年を迎えて、次の125年に向けて女子のアスリートの強化が掲げられた」。

「ラグビー蹴球部で競技をする選手は男子ばかりでしたが、部と大学と議論して今回、女子部の設置にいたりました。新たな取り組みにより、早稲田ラグビー蹴球部を活性化し、女子ラグビーの日本全体の底上げにつなげていきたい」と話した。

清宮克幸監督時代に選手として活躍し、現在はIT企業に務める柳澤ディレクターは、昨年5月に早稲田大学に通いつつ、他のクラブチームでプレーしている女子選手4人に初めて相談を受けたという。

「早稲田のラグビーで、男子同様にやりたいという女子の学生がいると聞いて会いました。自分が学生時代、勉強とラグビーの両方できるのは当たり前の選択肢でしたが、その選択肢が女子にないのは驚きでした」。

そこから柳澤ディレクターは女子ラグビーの現状を調べつつ、日本一を目指す150人以上いる部や大学とも交渉を重ね、ラグビー蹴球部の中で男女別の組織がベストではないかという結論にいたったという。

「男子が大切にしているカルチャーを教育していって、男子が大切にしていることも女子も大切にしていかないといけない。お互いがリスペクトしていくことで部として前に進んでいくことができる」。

「女子部を作ったことでいい方向にいったよね、という思いでやっています。早稲田大学は影響力があるので、日本のラグビーにとって、女子がラグビーをやるのは当たり前になるようにできればと思います」(柳澤ディレクター)。

千北キャプテン(左)と横尾HC

HCには早稲田大学のOGの横尾氏が就いた。15人制、7人制の代表を12年ほど選ばれていた名選手だった。チームは現在、上井草を中心に週4回練習をしており、ANAに務めている横尾HCが仕事で来られないときは、ワセダクラブのコーチに指導を頼んでいる。

横尾HCは兄の影響により、松戸ラグビースクールで競技を始めて、國學院久我山中学・高校で男子とともにラグビーを続けて、日本代表まで登り詰めた経験を持つ。「今回、ご縁をいただいたのは日本代表の肩書きではなく、小学校1年から男子の環境の中で、やりくりして、道を切り開いきたことが、きっかけだったと思います」。

「私の経歴からして、派手なプレーをする選手ではなかった。達成する目標に対して地味なプレーを要求していますし、そういう練習メニューを組んでいます。そういう部分は早稲田の男子にも感じられるので大事にしていきたい」。

4人の相談が部創設につながった

ラグビー蹴球部や、OBを動かしたのは『横河武蔵野アルテミ・スターズ』に所属していた千北佳英と寺谷芽生(ともに3年)、『Brave Louve』(ブレイブルーヴ)でプレーしていた國谷蘭(3年)と岡本美優(2年)の4人だった。

キャプテンの千北は、「なんで男子は入れて、私たちは入れないんだろうと思いました。なかなか環境が整っていない中、クラブチームは実績を上げることに重きが置かれていたので、教育の一環で、伝統のある早稲田でやるのは女子ラグビーの裾野を広げる意味でも大きな役割を担うと考え、部活でやりたいと相談して、一緒に動いていただきました」と経緯を説明した。

実際に部として、今年からの活動が認められたのは2月末のことだった。千北は「早稲田で日本一を目指します。このメンバーで、部活で新しい挑戦ができることにワクワクしています。早稲田を背負うという責任感を持ってやりたい」とコメント。

國谷は「3歳からワセダクラブでラグビーを始めたので、大学になって早稲田大学の部員として戻って来られてうれしい。いろいろな人が関わってくれたので、私たちの代で途切れることなく、高校生が憧れるようなチームになれるように、みんなで頑張っていきたい」と語気を強めた。

シニアアカデミーのメンバーで、合宿から中抜けして会見に参加した寺谷は「歴史のある早稲田大学に女子部ができたことに感謝し、恵まれた環境、仲間と日本一を目指したい」と発言。

同じくシニアアカデミーのメンバーである岡本は、「女子ラグビー部の発足でたくさんの方々のご尽力に感謝しています。ラグビー部の伝統を作っていけるように、3年間努力したい」と話した。

練習は週4日、この日も午前中は練習だった

4人でスタートした部はラグビー未経験者も加わり、9人まで増えて、現在も部員を募集中だという。まず、5月の『太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ』の入替戦に勝利し、来年度の太陽生命ウィメンズシリーズ参戦が大きな目標となる。

7人制を中心に練習しているが、将来は15人制での活動も視野に入れている。そして、5年間、10人以上の部員で一定した成績を残すと、女子「部門」として正式に大学に認められるという。

男子だけでなく女子の目標も日本一を掲げた。横尾HCは「目標は2つあります。勉強もラグビーも、どっちも頑張りたいという選手が入って来る環境だと思うので、高いレベルでの文武両道の実現をすること。もう1つは2027年度、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズでの総合優勝です」と言葉に力を込めた。早稲田大学ラグビー蹴球部の新たな挑戦が始まった。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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