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ラグビー コラム 2024年3月15日

連勝途切れたブレイブルーパス、自信と勢いは失わず、さらに上へ。ダイナボアーズは進化を勝利に結びつけたい

ラグビーレポート by 田村一博
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東芝ブレイブルーパス東京 vs. 三菱重工相模原ダイナボアーズ

開幕からの連勝は、前節の埼玉パナソニックワイルドナイツ戦に24-36と敗れて「8」で途切れた。
3月17日、14時30分に秩父宮ラグビー場でキックオフとなる三菱重工相模原ダイナボアーズとの一戦(交流戦)は、東芝ブレイブルーパス東京にとって真価を問われる80分となる。

今季が設立から3季目となるリーグワンのディビジョン1で、ブレイブルーパスはこれまでトップ4でシーズンを終えたことがない。
ワイルドナイツに敗れたとはいえ現在2位。ダイナボアーズとの戦いに勝てば、チームはふたたび勢いを得る。頂点を目指すために必要な4強入りへ向けて走り出せる。

ワイルドナイツ戦の立ち上がり、SOリッチー・モウンガの快走によるトライで先制したブレイブルーパス。しかし、試合巧者の相手に翻弄される時間も長く、逆転負けを喫した。

勝者に「フィジカリティーの強さを感じた」と言わせるパフォーマンスを見せることができたものの悔しい結果に終わった。
LOワーナー・ディアンズをはじめとしたFWは、激しく、何度もボールキャリーをおこない、チームを前に出した。

しかし、青いジャージーの壁は崩れない。粘りの防御の前に、最終的にはミスからボールを失ってしまう。
ワーナーは攻撃的にプレーしたチームの姿勢に手応えを感じながらも好機でのミスを反省した。

先制トライを奪いながらもチームを勝利に導くことができなかった司令塔のモウンガは、「(現時点で)リーグで一番のチームへのチャレンジは、自分たちをテストするのに最適な試合だった。学びがたくさんあった」と話し、相手について「勝ち方を知っている」と評した。

ただ百戦錬磨の10番は、後半10分に10-29と離されたところから差を詰め、残り数分の時間帯まで24-29と勝利の可能性を残したことは次につながると前を向く。

ダイナボアーズ戦に向け、「下を向くことなく、エネルギーを持ち続けることが大事。ワイルドナイツには負けてしまいましたが、まだまだやれるし、あれだけやれた手応えを忘れないようにしないと」と話した。

 

その大事な一戦に、ワイルドナイツ戦時の先発メンバーとほとんど変わらぬ顔ぶれで挑む。
先発の変更は、CTBマイケル・コリンズがロブ・トンプソンに代わっただけ。リザーブにLOのPJ・スティーンカンプが入った。

ケガから復帰し、前節に今季初出場を果たしたFL徳永祥尭がこの試合でも7番を背負うのが頼もしい。第8節から先発起用の続く伊藤鐘平がこの試合でも6番で先発。復帰途中のリーチ マイケルの不在は痛いが、ふたりの働きはハード。相手にプレッシャーをかけ続ける。
ゲームキャプテンを務めるHO原田衛の動きは鋭く、この試合でもFWの圧力でゲームの流れを引き寄せることになりそうだ。

対するダイナボアーズは、2022-2023年シーズンの第4節の試合で、ブレイブルーバスに23-19で勝った。
タックルの雨を降らせて勝利を手にしたあの試合を再現するような戦いを演じ、再び笑顔で試合を終えたい。

 

1年前の金星時に猛タックルを連発したFL坂本侑翼が今季第4節の横浜キヤノンイーグルス戦以来、2か月ぶりに戦列復帰。7番のジャージーを着るのは好材料だ。
FBには石田一貴が復帰し、好調の小泉怜史がWTBに回った。

前節のコベルコ神戸スティーラーズ戦には14-43と敗れた。特に前半劣勢だったスクラムは修正したい。今回は細田隼都がベンチスタートから1番での先発となった。

コンディション面も考慮し、今季ここまで全試合出場でチームを引っ張ってきたNO8ジャクソン・ヘモポがメンバー外となった。
今季7戦5トライと決定力を見せてきたWTBベン・ポルトリッジもメンバーから外れたものの、全員でフィットネスを高めてきたチームだ。泥臭く勝利を求める。

第8節、昨季王者のクボタスピアーズ船橋・東京ベイを倒したように(34-28)、ダイナボアーズの進化は顕著だ。
運動量の豊富さに加え、ジョー・マドック アシスタントコーチの指導もあり、ボールがよく動くスタイルが確立されてきている。

負けた前節のスティーラーズ戦でも、相手を振り回すシーンは少なくなかった。その証拠に、相手は緑のジャージーにテンポよく攻めさせないため、ブレイクダウンに猛圧力。結果、反則数はダイナボアーズの3に対しスティーラーズは20もあった。

ただ、得点は勝者の43に対し、ダイナボアーズは14。SH岩村昂太主将は、「自分たちのスタンダードを一貫して出し続けることが大事。攻め込んでもミスをしてしまい、(相手の反則を)得点に変えることができなかった」と話した。

トライラインは遠くない。日常くり返しているハードワークを試合でも遂行し、全員の力を結束させたらブレイブルーパスを昨季同様慌てさせることができる。
舞台も、同じ秩父宮ラグビー場。ふたたびドラマを見られるか。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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