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ラグビー コラム 2024年1月22日

【ハイライト動画あり】埼玉ワイルドナイツが開幕6連勝!三重ホンダヒートは果敢にスタイル堅持。NTTジャパンラグビーリーグワン2023-24第6節交流戦

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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内田啓介(埼玉ワイルドナイツ)

埼玉パナソニックワイルドナイツはHO坂手淳史主将、PR稲垣啓太らがメンバー外。前節から先発7人を変えたが、スタイル「堅守速攻」の精度は落ちなかった。

「ゲームでの課題はありましたが、多くの選手が代わっていた中、自分たちのパフォーマンスを保ってくれました」(ワイルドナイツ、ロビー・ディーンズ監督)

1月20日(土)の第6節交流戦、本拠地の埼玉・熊谷で、ワイルドナイツは強烈な先制パンチを見舞った。

キックオフボールを確保したビジターの三重ホンダヒート。このファーストプレーで、野武士軍団はカウンターラックに成功してしまう。

守備から攻撃転換のリーグ初代王者は、6次攻撃目で元ハリケーンズ(NZ)の突貫ランナー、CTBヴィンス・アソがゴール目前へ。

ホンダヒートはCTBクリントン・ノックスが2連続の好守でトライを防いだが、最後は前節長期の怪我から復帰した元南アフリカ代表、LOルード・デヤハーが2試合連続のトライ。

ワイルドナイツは前節同様、開始2分で先制トライを奪ってみせた。

三重ホンダヒートはボール保持でスピーディーな連続攻撃。ショートパスなど小技を駆使しながら、時に大胆にワイド展開。

攻撃的な展開スタイルを堅持し、果敢に勝負した。

しかし序盤に13次攻撃を繰り出したが、ワイルドナイツの鉄壁を崩せず、最後はキック選択。これがダイレクトタッチとなり攻撃権を失ってしまった。

ただ昇格1季目で開幕5連敗のホンダヒートは、防戦一方ではなかった。

ヴィリアミ・アフ・カイポウリ(三重ホンダヒート)

この日両軍最多となる脅威の22タックルを記録したFL古田凌主将をはじめ、守備は随所で粘り、前半11分には日本文理大卒のNO8ヴィリアミ・アフ・カイポウリがジャッカル。失点を防いだ。

ワイルドナイツでは今季初出場のFB山沢京平が前半14分40秒頃に好ラン。衝突前のショートステップで突破を生み出し、会場を沸かせた。

地力の差が如実に出たのが、シンビン後の展開だ。

ワイルドナイツは前半19分にハイタックル(頭部同士の衝突)でNO8ジャック・コーネルセンが10分間退場。

ジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1

【第6節ハイライト動画】埼玉ワイルドナイツ vs. 三重ホンダヒート

しかし数的不利のワイルドナイツは、この日14回のペナルティを犯したホンダヒートを攻め立て(ワイルドナイツはわずか5回)、14人ながら前半27分にチーム最多18キャリーを繰り出したLOエセイ・ハアンガナが2本目を奪った。

「今日は小さなミスや規律の部分で、スコアを取られました。一つひとつのプレーでチャンスを逃すことになるので、ワンプレーにこだわらなければいけません」(ホンダヒート、FL古田凌主将)

と、ホンダヒートも前半31分、同様のハイタックルで日本大学出身のCTBフレイザー・クワークがシンビンに。

シンビンでもトライを奪ったワイルドナイツに対し、14人になったホンダヒートは被3連続トライ(前半32、39、後半3分)。対照的な展開で、スコアは36-0となった。

衝突局面での劣勢、攻守の完成度で後手にまわるホンダヒートだが、エナジー自体は落ちなかった。

後半13分には相手の17次攻撃を受け止めた。直後に今季限りでの引退を表明しているSH内田啓介にループからグラウンディングされるが、後半25分に初得点を生み出す。

55点ビハインドのホンダヒート。

敵陣で相手キックを受けてカウンター。チームBK最多14キャリーのFBトム・バンクスが突破。ここからFL古田主将、最後は左隅でCTBノックスが快走。

連携力でボールを大きく動かすラグビーにこだわり、ワイルドナイツからこの日初得点(5点)を奪ってみせた。直後のショートパントの再獲得をまじえて20次攻撃。

信じる攻撃スタイルにこだわり続ける。

しかしメンバーは変わっても、ワイルドナイツは堅守速攻が冴えていた。

ホンダヒートの20次攻撃を防いでターンオーバー。無人エリアへロングキックを返す。これを「チーム最多80メーター」&12キャリーで「最多6回のDF突破」と大車輪だったCTBディラン・ライリーが、チーム9本目。

さらに2連続のターンオーバー・トライ。

福井翔大(埼玉ワイルドナイツ)

相手パスミスを捕球すると、チーム最多18タックル記録のFL福井翔大がゲイン。オフロードパスを繋ぎ、途中出場でフレッシュな豪州代表、マリカ・コロインベテが10本目。

ホンダヒートも敗戦は決定的ながら、観客席からの「ヒートホンダ!」コールを受け、相手反則(エクストラ・ロール)から後半34分に敵陣侵入。

敵陣中央のスクラム選択から、チーム最多15キャリーのNO8カイポウリが突進。オフロードパスを繋ぎ、ミッチェル・ハントのクイックパスを右隅で受けたのはWTB植村陽彦。

筑波大学出身のルーキーの今季2トライ目は、勝負を諦めない矜持を感じさせる、チーム2本目だった。

それでも80分のレッドゾーンを越え、最後に魅せたのはワイルドナイツのFLラクラン・ボーシェー。断トツ7回のターンオーバーを記録したジャッカル職人が敵陣で絡みつき、ペナルティ。

最後はショット選択。70-12でワイルドナイツが開幕6連勝を飾った。

攻撃色の強いホンダヒートを止めた守備力最強のワイルドナイツ。ターンオーバーは9回。ホンダヒートのラック成功率は90.4%に落ち込んだ(ワイルドナイツは96.8%)。

「非常にハードにプレーしてくれました。ジャッカルの部分では、コンタクトエリアのところをコーチ陣が入念にチェックしてくれていて、良いパフォーマンスを見せてくれました」(ワイルドナイツ、ディーンズ監督)

昇格後の初勝利が遠いホンダヒート。キアラン・クローリーHCは今後の強化方針について「チーム全体の向上が必要」と話した。

「守備、攻撃では良いところが出ているので全体的に伸ばしていきたいです。フィジカル的な部分では、昇格したリーグでここまで経験を積めました」

「Bチームを含め、チーム全体で強度に順応していきたい。全体の部分にフォーカスをして、ディビジョン1のレベルで戦えるチームになっていきたいと思います」

6連敗で最下位に沈むホンダヒートの次戦は、約1カ月後、2月17日(土)の3勝2敗トヨタヴェルブリッツ戦だ。

一方のワイルドナイツは南半球最高峰「スーパーラグビー・パシフィック」の2チーム(チーフス、ブルーズ)との国際交流戦「THE CROSS-BORDER RUGBY」(クロスボーダーラグビー)に参戦。

約2週間後の2月4日(日)、埼玉・熊谷で、かつて日本代表リーチマイケルも所属した強豪チーフスと対戦する。

初開催の交流戦について、参戦するディーンズ監督は「非常に価値がある。ユニークな機会」と評価した。

「自分たちはリーグワンが優先事項ですが、ラグビー界にとって大事なゲーム。選手たちのコンディションを確認してメンバーを選んでいきたいと思います。良い競争が芽生えるように、選手たちを選びたいです」

果たしてどんな布陣で臨むのか。リーグワンが主催・主管して行う、初めての国際試合を楽しもう。

文:多羅 正崇
多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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