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ラグビー コラム 2023年11月17日

関西大学リーグはいよいよ残り2節の最終盤へ。入替戦回避へ一歩抜け出すのはどちらか。第6節立命館大×関西大戦展望

ラグビーレポート by 直江 光信
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11月も後半に差し掛かり、大学ラグビーの各リーグはクライマックスの終盤戦に入ってきた。残り2節となった関西大学Aリーグは、今週末に天理親里競技場とたけびしスタジアム京都で第6節の4試合が行われる。ここまで全勝の京都産業大天理大の“2強”の優勝争いが注目される中、同様にヒートアップしてきたのが入替戦を巡る順位争いだ。特に11月19日の第1試合、現在6位の立命館大と同7位関西大の一戦は、両校にとって重要な意味を持つ大一番となる(11時45分キックオフ)。

現時点のポイントテーブルを確認すると、同じ1勝4敗ながら立命館大がボーナスポイント3を加えた勝ち点7を獲得しているのに対し、関西大はボーナスポイント1でトータルの勝ち点は5。今季の関西リーグの大学選手権出場枠は『3』で、3位の関西学院大がすでに勝ち点17を挙げているため、ともに選手権出場は絶望的な状況だ。一方で入替戦を回避できる6位以内を巡るせめぎ合いは混沌としており、どちらも絶対にここを勝って一歩抜け出したいところだろう。

それぞれの前節の戦いを振り返ると、10月29日に摂南大と対戦した立命館大は前半3-17と大きく先行を許し、後半35分過ぎまで8-29とリードされる苦しい展開を強いられたが、そこから猛反撃。37分、39分、42分と立て続けに3トライを挙げて2点差に追い上げ、46分には敵陣で逆転のPG機をつかんだ。しかしキックは無情にも右に逸れ、27-29でフルタイム。9月17日の同志社大学との開幕戦(35-7)以来の勝利はならなかった。

1週遅い11月5日に第5節を迎えた関西大も、近畿大と拮抗したゲームを展開。8-10で折り返した後半、一時8-22までリードを広げられるも、70分以降に1トライ1PGを挙げて逆転圏内に詰め寄り、ロスタイムには敵陣レッドゾーンでマイボールラインアウトのチャンスをつかむ。しかしFWの近場勝負でこじ開けにいった最後の猛攻を仕留めきれず、16-22でノーサイド。こちらも10月1日の同志社大学戦(31-29)に続く2勝目を手にすることはできなかった。

いずれも十分白星に手の届く内容だっただけに惜しまれる敗戦となったが、厳しい状況に追い込まれながらも最後まであきらめず、ワンチャンスでひっくり返せるところまで迫ったことは、今後の戦いにつながるはずだ。自慢のBK陣にいいテンポでボールが渡った時の立命館大の躍動感あふれるアタック、関西大のキックを効果的に使い強みのFWを生かす試合運びは、それぞれに可能性を感じさせた。手応えをつかんだ要素をいかに研ぎ澄ませ、80分を通して発揮できるかという点が、今回の対戦のポイントとなる。

逆に両者共通の課題は、チャンスを得点に結びつけるフィニッシュの精度だ。前節はともに攻め込んだ場面でトライを取り急ぎ、エラーやターンオーバーで終わるシーンが多かった。しっかりと自分たちの形を作って仕留め切る意識とともに、手詰まりになったところで局面を打開する次の一手を整備できるかが、勝敗を左右する鍵になりそうだ。

 

発表された試合登録メンバーを見ると、立命館大は前節から先発3人を入れ替えた。FWでは左PRの大西馨汰が2試合ぶりに復帰し、HO安部薫平、PR前川和輝と第1列を形成。本郷正人と宮城雄真の両LOは変わらず、6番に189センチの石橋隼が入り、7番にシフトしたFL吉川大智、NO8島正輝とバックローを組む。

BKはキャプテンのSO森駿太がリザーブに回り、山下真之介がFBから10番に上がる前節終盤の布陣を敷いてきた。SH北村瞬太郎と左WTB三浦遼太郎、中村颯汰に江川剛人の両CTBは変更なし。吉本匠希が14番からFBに下がり、替わって右WTBには小柄ながら抜群の走力を誇る樋川蔵人が新たに名を連ねた。

 

対する関西大の前節からの先発変更は、今季初出場となるFL奥平一磨呂のひとりだけ。それに伴い、前節7番をつけた中薗拓海が4番に上がり、中村豪とLO陣を組む。PR宮内慶大、HO垣本大斗、PR杉原絃太の第1列と6番中川一星、NO8森大起は2戦連続のスターティングメンバーだ。

BKはSH溝渕元気、SO池澤佑尽の不動のHB陣を筆頭に、11番立石和馬から12番石川海翔、13番吉良陸人、14番澤口飛翔、FB崎田士人まですべて2週前の近畿大戦と同じ顔ぶれ。キック力に長けたSH溝渕とSO池澤、FB崎田がキッキングゲームを優位に進め、いいエリアでFWの推進力を生かす展開に持ち込みたい。

ちなみに両校は2015年以降、関西大がBリーグだった2019年度を除いて秋のリーグ戦で7回対戦し、すべて立命館大が勝利している。今回の先発15人のうち、昨年のゲーム(立命館大45-14関西大)に出場しているのはそれぞれ9人ずつ。その経験がどのように影響するかという点も、ひとつの見どころとなる。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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