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FBコンラッド・セブンスター(東海大学)のトライ
関東大学リーグ戦も残り2試合、上位校同士が激突する終盤戦に突入している。11月12日(日)、神奈川・小田原陸上競技場では昨季、大学ラグビーに旋風を巻き起こした3位の東洋大学と、開幕から5連勝ですでに大学選手権出場を決めた首位の東海大学が対戦した。
昨季は関東リーグ戦の開幕戦で対戦し、東洋大学が27-24で勝利し大きなインパクトを残したが、春季大会はAリーグで対戦し、東海大学が113-21で大勝した。
開幕から3連勝した東洋大学だったが、直近の2試合で連敗し、この試合を3勝2敗で迎えた。前節からNO8(ナンバーエイト)坂田陸(4年)をベンチに下げ、身長190cmの栗原大地(2年)を先発させた以外、14人は同じメンバーを起用した。
キャプテンFL(フランカー)タニエラ・ヴェア(4年)を筆頭に、HO(フッカー)小泉柊人(2年)、身長211cmのLO(ロック)ジュアン・ウーストハイゼン(2年)、正確なキックが武器のWTB(ウイング)杉本海斗(4年)らが先発した。
東洋大学vs.東海大学スタメン
一方、6連覇を目指す東海大学は前節から5人のメンバーを変更。FW(フォワード)第1列は全員替わったが、LOは川瀬悠河、中山竜太朗の3年生コンビ、FLは前節、出色の出来でPOM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)に輝いた薄田周希(2年)らが先発。
BKはキャプテンWTB谷口宜顕(4年)を筆頭に、SH(スクラムハーフ)辻時羽(3年)、SO(スタンドオフ)武藤ゆらぎ(4年)の攻撃的なハーフ団、スピードスターWTB中川湧眞(3年)、南アフリカ出身のFB(フルバック)コンラッド・セブンスター(1年)らがスタートから出場した。
試合はいきなり動く。前半2分、東海大学は相手陣奥でラインアウトのチャンスを得て、モールを押し込みLO中山が押さえてトライ。5点を先制する。その後は互いにチャンスを掴むが、決めきれない膠着状態が続く。30分、今度は東洋大学がラインアウトのチャンスを得て、モールを押し込みHO小泉が押さえて、WTB杉本がゴールを決め、7-5と逆転に成功する。
ラグビー 関東大学リーグ戦2023
【ハイライト動画】東洋大学 vs. 東海大学|東海大が9トライで全勝を守る
だが、前半の残り10分を切ったところで、東海大学が素晴らしい集中力を見せる。ラインアウトからボールを継続して、最後はSO武藤のパスにCTB(センター)何松健太郎(4年)が縦に切れ込ん12-7と逆転。さらにロスタイムもボールを継続し、最後はSH辻が相手のギャップを突いてトライ。19-7として前半を折り返した。
9トライの猛攻で東海大学が勝利
後半も「シーゲイルズ」こと、東海大学の勢いは止まらない。1分、ラインアウトからキャプテンWTB谷口がラインブレイクしてトライ。8分にはFL薄田がピック&ゴーから中央にトライ、さらに11分には左サイドでパスをつないで、最後はルーキーのFBセブンスターが右隅に飛び込んでトライを挙げて38-7として勝負を決めた。
東海大学はその後も攻め手を緩めず、16分にはLO中山が今日2つ目のトライ、20分にはSO武藤からパスを受けたWTB中川がトライを挙げて50-7と突き放した。東洋大学も27分、モールを押し込んで、最後はLOウーストハイゼンが力強くキャリーしトライを1本返したものの、35分に東海大学がWTB谷口の2つ目のトライでさらに追加点。終わってみれば、東海大学が9トライを重ねて57-14で大勝した。
POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)には東海大学のWTB谷口キャプテンが、MIP(モストインプレッシブプレーヤー)には、東洋大学のLOウーストハイゼンが選ばれた。
3連勝の後、3連敗となった東洋大学の福永昇三監督は「本当に残念な結果ではあるが、必要な経験なのかもしれない。2週間後に大事な試合が控えているので、そこに向けてしっかり準備していきたい」と言えば、FLヴェア キャプテンも「負けたが、まだ試合が残っているので、もう1回見直して次の試合に向かっていきたい」と前を向いた。
開幕から6連勝の東海大学の木村季由監督は「1つずつ丁寧に正しいプレーを積み重ねていこう、というテーマをもって臨んだ。前半取り切れずに少し膠着した時間帯があったが、どんどんボールを動かしていけば、チャンスをつかめるのは感じていた。積極的にボールを動かして、こういう結果になった」と振り返った。
WTB谷口キャプテンは「この試合に向けて『Be Aggressive』というテーマを持って臨んだ。今日は1人1人の判断とコミュニケーションで、空いているスペースにボールを運べたので、その部分は成長していると思う」。
「やるべきことができている時間帯もすごく多かったが、ペナルティが非常に多く、なかなか自分たちの流れに持っていけない時間帯が数多くあったので、そこは次の週に修正しなければならない」とゲーム内容に満足しつつも反省点を口にした。
東洋大学(勝ち点16)は負けたものの3位をキープし、最終戦は11月26日(日)に東京・秩父宮ラグビー場で、7位の日本大学と対戦する。4位の法政大学(勝ち点15)に敗れているため、3トライ差をつけて勝ち点5を得て勝利すれば大学選手権に出場が決まる(法政大学は25日に立正大学と対戦)。
東海大学は3トライ以上差の勝利で、勝ち点5を加え、総勝ち点を30に伸ばしたが、流通経済大学も日本大学に勝利し、6連勝で勝ち点を27に伸ばした。そのため26日(日)、秩父宮ラグビー場での全勝同士の両者の対決は今季の関東リーグ戦の優勝が決まる大一番となる。
文:斉藤健仁/Photo by S.IDA
【ラグビー関東大学リーグ戦最終節】
◆11月25日(土)スピアーズえどりくフィールド
・11:30 拓殖大学 vs. 大東文化大学
・14:00 立正大学 vs. 法政大学
◆11月26日(日)秩父宮
・11:30 東洋大学 vs. 日本大学
・14:00 流通経済大学 vs. 東海大学
◆順位表
1位 東海大学:勝ち点30(6勝0敗)※大学選手権出場決定
2位 流通経済大学:27(6勝0敗)※大学選手権出場決定
3位 東洋大学:16(3勝3敗)
*****<3位までが大学選手権出場>*****
4位 法政大学:15(3勝3敗)
5位 大東文化大学:14(3勝3敗)
6位 立正大学:10(2勝4敗)
7位 日本大学:7(1勝5敗)
8位 拓殖大学:0(0勝6敗)
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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