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ジャパンラグビー リーグワン2023-24シーズンは12月9日(土)開幕する。最上位のディビジョン1の決勝戦は2024年5月26日(日)だ。今季、なによりファンの心を躍らせているのは、ラグビーワールドカップ(RWC)フランス大会で活躍した海外のトッププレーヤーが多数リーグワンでプレーすることだ。最後まで勝敗の分からない僅差勝負で観客を魅了した選手たちを目の前で見ることができる。そんな幸せな瞬間がまもなく始まるのだ。本コラムではRWC決勝戦に出場した選手たちをご紹介したい。
RWC2023で世界のメディアをも驚かせたのは決勝戦のメンバーに、リーグワン所属選手が多かったことだ。両チーム23名ずつの登録のため、あわせて46名の選手中ニュージーランド(NZ)6名、南アフリカ(SA)7名の計13名がリーグワン選手だった。これは、フランスのトップ14、イングランドのプレミアシップ、南半球のスーパーラグビーなどを抑えて断トツの数字だった。
NZ=LOブロディー・レタリック、NO8アーディ・サヴェア(神戸スティーラーズ)、FLシャノン・フリゼル、SOリッチー・モウンガ(ブレイブルーパス東京)、SHアーロン・スミス、FBボーデン・バレット(トヨタヴェルブリッツ)
SA=LOフランコ・モスタート(三重ホンダヒート)、FLピーターステフ・デュトイ(トヨタヴェルブリッツ)、FL/NO8クワッガ・スミス(静岡ブルーレヴズ)SHファフ・デクラーク、CTBジェシー・クリエル(横浜イーグルス)、CTBダミアン・デアレンデ(埼玉ワイルドナイツ)、WTBチェスリン・コルビ(東京サンゴリアス)
過去にリーグワン、またはトップリーグにいた選手、負傷でメンバー外となっていたHOマルコム・マークス(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、LOルード・デヤハー(埼玉ワイルドナイツ)を含めると登録選手の半数近くになる。また、大会後には、NZのキャプテンであるサム・ケインのサンゴリアス入りも発表され、決勝ではメンバー外だったが、NZのHOデイン・コールズのクボタスピアーズ入りも発表された。
ピーターステフ・デュトイ
決勝戦で出色の活躍をした選手といえば、SAのピーターステフ・デュトイだ。ヴェルブリッツでの献身的なプレーは誰もが知るところだが、決勝戦では28タックルを記録。これは、RWC決勝戦史上個人最多タックル数で、NZのリッチー・マコウが2011年大会で記録した18をはるかに超える驚異的な数字だった。身長200cm、体重119kgの体格を折りたたんでの低く的確なタックルはリーグワンでも相手チームの脅威になる。加えて、NZのアーロン・スミス、ボーデン・バレットが加入するのだからヴェルブリッツのラインナップは超豪華だ。
アーディ・サヴェア
リーグワン新加入で注目されるのは、2023年の世界最優秀選手に選ばれたNZのNO8アーディ・サヴェア(身長190cm、体重99kg、30歳)だ。決勝戦史上最多のボールキャリー数22を記録し、アグレッシブに前に出る姿勢がチームを勢いづける。しかも、2023年の代表戦にほぼフル出場。疲れ知らずの突破役はスティーラーズの攻撃力を格段にアップさせるだろう。
サム・ケイン
新加入ではサンゴリアスの2人もサヴェア以上の注目度かもしれない。SAのチェスリン・コルビ(身長172cm、体重80kg、30歳)はRWC連覇の立役者だ。瞬時の加速、ゴールキックチャージ、運動量豊富なディフェンスなどフィールドを駆け回って観客を驚かせ続けた。コルビ見たさにサンゴリアスの試合に通う人も多いだろう。そして、サム・ケイン(身長189cm、体重103kg、31歳)である。
決勝戦こそ危険なタックルでレッドカードを受けたが、多くのNZ国民は彼を温かく迎えた。ケインの献身的なタックルがあったからこそ優勝候補のアイルランドに勝ち、決勝に進出できたことを知っているからだ。かつてリーチ マイケルは「一番苦しいときに体を張れる選手」と話していた。若いFW第三列が多いサンゴリアスに好影響を与えるのは間違いなく、フィールドでのパフォーマンスも楽しみだ。注目選手をあげればきりがないが、次回のコラムでは、NZ、SA以外の選手もご紹介したい。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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