サウマキ、ディアンズ、ヘル、ラピース。ラグビーワールドカップ追加登録メンバーの意気込み

追加招集の4選手

8月19日に、ラグビーワールドカップのために渡欧したラグビー日本代表。その前日に選手がメディアに対応した。29名の選手が5つのグループに分かれて取材対応していく中で、最後に残りの登録3選手が発表される予定だった。

しかし、蓋を開けてみれば、国内5連戦でも調子を上げていたLO（ロック）ジェームス・ムーア（浦安D-Rocks）が、コンディション不良のためチームから離脱が発表された。そのため、下記の4選手が追加され、21日に締め切られるワールドカップ登録の33選手が出揃った。

◆追加登録選手
・LO サウマキ アマナキ（コベルコ神戸スティーラーズ／0キャップ）
・LO ワーナー・ディアンズ（東芝ブレイブルーパス東京／7キャップ）
・LO ヘル ウヴェ（クボタスピアーズ船橋・東京ベイ／15キャップ）
・FL（フランカー）ピーター・ラブスカフニ（クボタスピアーズ船橋・東京ベイ／16キャップ）

ヘルと「ラピース」こと、ラブスカフニは前回大会に続き2度目の出場となり、サウマキとディアンズはうれしい初出場となった。

ディアンズは8月5日のフィジー代表戦の週の途中まで全体練習に参加していたが足首をケガしてしまった。ディアンズは「（ケガをしたとき）終わりだと思ったら、スキャンをしていけると聞いて、がんばって治してワールドカップに出たいと思った。（メンバーに入って）うれしい。イタリア戦は厳しいが、初戦のチリ代表戦には間に合わせたい」と話した。

FLピーター・ラブスカフニ

前回大会ではゲームキャプテンも務めたFLラピースは、フィジー代表戦で受けたレッドカードに関するヒアリングの数日後、チームから「スコッドに入る予定がある」と告げられたという。「このグループの一員となり、日本を代表できることは名誉であり、光栄なこと。本当に興奮し、この機会に感謝している。これからの旅が楽しみ」と話した。

また、ケガなどコンディション不良のチームメイトの状況もあり、ディアンズ、ラピースとは異なり、ヘル、サウマキの2人は、なんと18日の朝にスコッド入りが首脳陣から告げられたという。

LO ヘル ウヴェ

ヘルは、「2回目なのでワクワクしているし、すごくうれしい。家族はビックリしたと思う。（追加登録は）3人だったから、わからなかったし、肩のケガもあった。今日、発表されてうれしかった」と語った。

また、サウマキは「ちょっと、フランスは見えなかったが、自分のベストを毎日出していた。まだ驚いている。今日忙しかったので、終わったら家族に電話する」と喜びを口にした。

4選手にワールドカップでどんなプレーをしたいか聞くと、下記のように答えた。

「正直どんな形であれ、貢献したい。1人の選手としてチームの一員となってワールドカップへ行くことはとても大きなこと。できることは全てやり切るつもり」（ラピース）

「ラインアウトとスクラムで負けないようにしたい。あと、タックル、そしてジャッカルも取りたい」（ヘル）

「自分の役割をわかれば難しくない。出たらボールキャリーなど、フィールドの中でがんばる」（サウマキ）

「自分の身長を活かして空中戦に勝ちたい」（ワーナー）

LOワーナー・ディアンズ

さらに意気込みも聞くと、初出場のワーナーは「高校から日本に来て、いろんな人に助けてもらって、いろんなチャンスをもらって、桜のジャージーをを着ることはすごくうれしい。試合に出てチームに貢献できるようにがんばりたい。ベスト8に行きたい」。

サウマキ アマナキ

さらに、キャップがまだないサウマキは「日本に来て、いろいろなことを学んだ。家族も奥さんも友達も日本にいて、日本で暮らしていて、このチャンスが来た。チームのためにも日本のためにもがんばりたい」と意気込んだ。

前回大会を知るヘルは、「2回、大きな舞台に立てることになったことを誇りに思う。今でもワールドカップは夢の舞台。ベストな選手が集まって、優勝を目指すので、その一部にいられるのがうれしくてたまらない。ベストを尽くす」と話した。

同じく2大会目の出場となる、キャプテン経験者のラピースは「ワールドカップでホームで戦えるのは基本的に1チームだけで、他の国はみんなアウェイで戦うので、できるだけその状況に慣れること。チャンスは１度しか来ないかもしれないので、そのために準備をしておかないといけない」と冷静に話した。

日本代表は8月19日に渡欧。26日のイタリア代表戦を経て、9月2日にフランス入りし、9月10日のワールドカップ初戦のチリ代表戦に備える。

文／写真：斉藤健仁