人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2023年6月19日

【ハイライト動画あり】筑波大、日本大から10トライを挙げる快勝で全勝優勝決める。Bグループ関東大学春季大会Bグループ最終節レビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
  • Line

 

優勝をかけた大一番で見事なビッグパフォーマンスを発揮し、最高の形で関東大学春季大会を締めくくった。今季のスローガン「VROOM !!」を体現するように勝負どころでアクセルを全開にしてたたみかけ、前後半合わせて10トライ、69点を奪う圧巻の勝利。筑波大日本大との最終節を69-19の大差で制し、5戦全勝でBグループ優勝を果たした。

立ち上がりに主導権を握ったのは日大だった。キックオフ直後からグラウンド一杯にボールを動かしてゲインを重ね、10分過ぎには敵陣ゴール前で相手投入のスクラムを一気にめくり上げてペナルティを獲得。FL武育也がすかさずクイックタップで防御の隙間を突き、先制のトライを奪う。

日大の気迫が立ち上るような序盤だったが、筑波もここでズルズルと引き下がらなかった。18分、トライライン寸前まで迫られながらも渾身のタックルでノックオンを誘いピンチを脱すると、24分に中盤ラインアウト起点のアタックでBKがサインプレーを仕掛け、ルーキーのFB増山将が鋭くラインブレイク。そのまま約60メートルを走り切り、中央に飛び込む。

これで7-5と逆転した筑波は、直後の26分にも相手のパスコースを読み切ったCTB浅見亮太郎があざやかにインターセプトを決めてトライを追加。さらに34分過ぎの自陣ゴール前での危機を出足鋭いタックルでしのぐと、37分にはふたたび中盤ラインアウトからBKが日大ディフェンスを切り裂いてCTB東島和哉が右中間に押さえる。スコアを19-5と広げて、前半を折り返した。

後半。どちらが先に得点を刻むかでその後の展開が大きく変わりそうな状況の中、筑波がまたも集中力を見せる。こちらも今春入学の1年生、LO磯部俊太朗が日大のLO佐川奨茉キャプテンを仰向けに倒すビッグタックルでチャンスを作ると、一連の流れでターンオーバーボールをつなぎ、CTB浅見がこの日2本目のトライをマーク。相手の反撃意欲をくじく開始早々の強烈な一撃で、ゲームの流れは大きく筑波の側へ傾いた。

ラグビー関東大学春季交流大会2023 Bグループ

【ハイライト動画】筑波大学 vs. 日本大学

濱島海(筑波大学)

以後、48分にラインアウトモールを押し込んでHO平石颯がフィニッシュすると、51分に防御裏へのキックをチェイスしたSO濱島海、53分にはPからの速攻でWTB高田賢臣が立て続けにゴールラインを越える。この時点で筑波のリードは47-5まで広がった。

日大がようやく反撃に転じたのは、残り20分を切ってからだ。61分、相手陣10メートルライン付近のラインアウトからFWが縦の連続攻撃で前進し、最後はFL武が粘り腰を生かしてインゴールへ。66分には途中出場のNO8マラカイ・ナワイカバカバが豪快なランでポスト下に走り抜け、意地のトライを返す。

藤内喜市(筑波大学)

しかし筑波はここからふたたびアクセルを踏み込んで勢いを取り戻し、70分のWTB高田のPGを皮切りに73分SO濱島海、75分に途中出場のSH藤内喜市、81分には同じく入替で入ったWTB榎本幹也がトライを奪取。最後まで戦い切る姿勢を示して日大を突き放し、フルタイムを迎えた。

この勝利で勝ち点を24まで伸ばし、文句なしのBグループ全勝優勝を飾った筑波。試合を重ねるごとにチームとしてレベルアップしていった戦いぶりの中で特に際立ったのは、攻守とも一人ひとりが前に出てプレッシャーをかけ続け、隙が生まれた瞬間にたたみかける集中力とリアクションの鋭さだ。相手のミスを誘うだけにとどまらず、奪ったボールを切り返してトライまでつなげる姿勢に、チームとして高い意識が浸透していることをうかがわせる。リザーブも含め新たに出場機会をつかんだ選手たちがインパクトを残すなど選手層も充実してきており、ケガやU20代表等で離脱中のメンバーが復帰する夏以降、さらに総合力を伸ばしていくことを予感させた。

一方の日大。主軸のケガが重なったこともあって春季大会終盤戦で急失速した印象だが、この日もスクラムでたびたび筑波を押し込み、テンポのいい連続攻撃で複数のチャンスを作り出すなど、随所に非凡なポテンシャルを示した。80分トータルで強みを生かす試合の組み立てや、流れが相手に渡ったところからの立て直しなど課題は明確なだけに、春の経験を糧に巻き返すことを期待したい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ