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ラグビー コラム 2023年3月20日

【ハイライト動画あり】ワイルドナイツ、大勝で全勝堅持。ダイナボアーズも後半の追撃で意地見せる。ジャパンラグビー リーグワン、ディビジョン1第12節レビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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マリカ・コロインベテ(埼玉パナソニックワイルドナイツ)

40分を終えた時点のスコアは49-8。最終的には61-29でのフルタイムとなった。

完璧に近い内容で前半を支配した半面、後半はややプレーの精度が落ちた埼玉パナソニックワイルドナイツ。生命線のディフェンスを崩されビッグスコアでの完敗を喫したものの、4トライを奪って意地は見せた三菱重工相模原ダイナボアーズ。それぞれに収穫と課題が浮かび上がる、対照的な80分だった。

ここまでの戦いではスロースターターの印象があったワイルドナイツだが、この日は序盤からエンジン全開だった。PGで先制を許した直後の5分、自陣からアタックを継続して攻め込むと、WTBマリカ・コロインベテが左大外のスペースへカットパス。タッチライン際で球を受けたWTB長田智希が鋭い加速で相手ディフェンダーを振り切り、最初のトライをマークする。

以降、ワイルドナイツはあらゆる局面でダイナボアーズを圧倒し、時間の経過とともに得点を積み上げていった。8分、キックオフレシーブから怒涛の連続展開でたたみかけ、CTBダミアン・デアレンデが左サイドを駆け抜けると、15分には防御裏へのキックパスに反応したCTBディラン・ライリーが弾むボールを手に収め、悠々とインゴールを陥れる。

内田啓介(埼玉パナソニックワイルドナイツ)

21分にはラインアウトモールを一気に押し切ってHO島根一磨がグラウンディング。29分にも内田啓介がラックサイドを抜け出し、35-3と大きく先行した。

防戦一方だったダイナボアーズも31分、敵陣スクラムから今季初先発のSH柴田凌光が好判断でショートサイドを突破し、WTB奈良望のトライを引き出す。しかしワイルドナイツはすぐに切り替えてふたたび攻勢に転じ、36分にFLラクラン・ボーシェー、39分にはNO8ジャック・コーネルセンがフィニッシュ。49-8までリードを拡大してハーフタイムを迎えた。

キャリーメーターは358対101、ディフェンス突破は24対2と、文字通り圧倒的な内容で折り返したワイルドナイツは、後半も先に追加点を刻む。49分、ラインアウトスチールを起点に大きく左右にボールを動かし、WTBコロインベテがカバーディフェンダーをかわして左中間へ。これでスコアは54-8まで広がった。

ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1

【第12節ハイライト動画】三菱重工相模原ダイナボアーズ vs. 埼玉ワイルドナイツ

しかし大量リードでやや気が緩んだのか、あるいは攻め疲れか、ここからワイルドナイツが細かいエラーでチャンスを逃すシーンが増加。すると流れは、次第にダイナボアーズの側へと傾いていく。

自陣での長いディフェンスの時間帯をしのいで迎えた65分、ゴール前のラインアウトからモールを組み、一気に押し切って途中出場のHO安江祥光が右中間にトライ。さらに直後のキックオフからハイパントでテリトリーを進めると、同じく入替で登場しこれがデビュー戦となったFLティモテ・タヴァレアが、ブレイクダウンのボールを拾って約50メートルを独走する。ようやく観客席のサポーターが沸く場面を続けて作り、22-54とした。

勝負はほぼ決した状況だったが、ラスト10分もお互い意欲的に攻め合い、ワイルドナイツは74分にラインアウトからあざやかにBKのサインプレーを決めてFB野口竜司がトライ。ダイナボアーズも終了間際の78分、ラインアウトモールでゴールラインに迫ると、辛抱強く近場を攻め続けて最後はCTBカーティス・ロナがポスト左にねじ込む。61-29となったところで、フルタイムを迎えた。

これで開幕からの連勝を12に伸ばし、首位を堅持したワイルドナイツ。後半20分以降に相手の反撃を許した点は反省材料だが、前節の東京サントリーサンゴリアス戦から7人を入れ替えたフレッシュな布陣で9トライを挙げての大勝は、あらためて頭抜けた総合力の証といえるだろう。

シーズンも終盤戦に入り、5月中旬のプレーオフに向けてさらにパフォーマンスが研ぎ澄まされてきた印象も抱かせる。残り4節、実力者たちの相次ぐ挑戦を受ける中でどのようにチームを仕上げていくかが興味深い。

一方のダイナボアーズは今季7敗目で、入替戦圏となる10位まで後退した。序盤の5試合で3勝1敗1分けと好スタートを切ったものの、毎週のように強度の高いゲームが続く中で勝ち点を獲得しなければならないディビジョン1の厳しさを、ここにきて実感しているかもしれない。

今後もタフな戦いが待っているが、6位リコーブラックラムズ東京との勝ち点差は4で、自力で残留を決めるチャンスは十分残されている。次節、1巡目の対戦はドローだった9位静岡ブルーレヴズとの激突(3月26日14時キックオフ@IAIスタジアム日本平)は、両者にとって絶対に負けられない大一番となる。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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