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ラグビー コラム 2023年1月16日

【ハイライト動画あり】東京サンゴリアスが真価発揮!コベルコ神戸スティーラーズは攻撃に精彩欠く。

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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コベルコ神戸スティーラーズ vs. 東京サンゴリアス

両軍は2018年度の前身リーグ(トップリーグ)決勝戦でも対戦している。そのスコアは55-5だった。

2年目のジャパンラグビーリーグワン、1月14日(土)に兵庫・ノエビアスタジアム神戸で行われた2勝1敗同士の好カード。

4位のコベルコ神戸スティーラーズが、3位の東京サンゴリアスを迎え撃ったディビジョン1(D1)第4節。

スティーラーズは予告されていた出場メンバーから先発FLサウマキ アマナキ、SH中嶋大希ら4名が欠場。

その理由について、指揮官のニコラス・ホルテンHC(ヘッドコーチ)は「メンバー変更に関しては全員インフルエンザが原因」と説明した。

一方ビジターとして神戸に乗り込んだサンゴリアス。

齋藤直人(東京サンゴリアス)

共同キャプテンのSH齋藤直人は、この試合のフォーカスポイントについて「フィジカルの部分」「勢いのあるチームなので、入りの20分に特にフォーカス」していたと明かした。

その序盤から、スティーラーズは攻撃の精度に苦しんだ。

3-3で迎えた前半12分。スティーラーズが相手反則から敵陣22m内で連続攻撃。しかし9番とランナーのタイミングが合わない。

スティーラーズは要所でのハンドリングエラーがその後も続いた。試合を通して実に11回サンゴリアスは6回だった。

2018年度の決勝戦では、そのフォワード間の細かいパスを活かした全員ラグビーで圧倒。55-5で圧巻の優勝を遂げた。その試合はサンゴリアスがノックオンなどのミスをしていた。

しかしあの日から形勢は逆転。サンゴリアスの田中澄憲監督は守備の準備が奏功した、と語った。

「(スティーラーズは)フォワードの細かいパスを得意としているので、そこに対してしっかりとプレッシャーを掛け、スキルエラーを誘いました」

スティーラーズは前半18分の敵陣ラインアウトなど、空中戦の攻防でも劣勢に立たされた。

「一つひとつの細かいところ、スキルの精度が足りていませんでした。ラインアウトであればリフトがワンテンポ遅れていたり。スローイングの精度にも問題がありました」(スティーラーズ、ホルテンHC)

ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1

【第4節ハイライト動画】コベルコ神戸スティーラーズ vs. 東京サンゴリアス

ファーストトライは、「最初の20分間」で相手の勢いを止めた側だった。

サンゴリアスは3点ビハインド(3-6)の前半28分、敵陣左のラインアウトモールで攻勢。一度は止まりながらも、粘り強く、コントロールしながらHO中村駿太が押さえて逆転トライを決めた。

直後の前半30分の落球など、ハンドリングエラーが続くスティーラーズに対し、サンゴリアスはターンオーバーから速攻。

SH齋藤が持ち出してギャップを作り、最後はWTB尾崎晟也がチーム2連続トライ。17-6とリードし、前半を折り返した。

後半開始からスティーラーズは「試合前からヒザの痛みがあった」(ホルテンHC)というCTBナニ・ラウマペに代わり、今季同じく新加入のマイケル・リトルを投入した。

「自分たちのモメンタム(勢い)、流れを変えるために、独特なプレースタイルを持ち、両足でステップを切ることもできるマイキー(マイケル・リトル)を後半から起用しました」(ホルテンHC)

その采配は的中した。

CTBリトルは後半開始直後に突破&オフロードパスでいきなりチャンスを演出。その後サンゴリアスの反則(オフサイド)、そしてCTBリトルのジャッカルから、2連続のペナルティゴールを追加。

CTBリトルの活躍もあり、スティーラーズは5点差(12-17)まで詰め寄った。

しかしサンゴリアスもPGを返し、迎えた後半15分だった。

スティーラーズが頭部への危険なタックルでシンビン。追いかける展開の中で14人になってしまった。

ここでサンゴリアスはルーキーFL山本凱のジャッカルから敵陣に入ると、サインプレーから、来季は仏ボルドー・ベグルへ移籍するテビタ・タタフが突進。相手SO李承信とのミスマッチを制してさらに前進、チーム3本目のトライを挙げた。

ホストのスティーラーズは、敵地でのラインアウトをスティールされるなど、前半に続いて攻撃に精彩を欠いた。

中島イシレリ(コベルコ神戸スティーラーズ)

後半20分過ぎにふたたび15人に戻ったが、今度は途中出場のPR中島イシレリがオフサイドでトライを防いだとして、ペナルティトライ&シンビン。ふたたび14人になってしまう悪循環。

連携面、規律面に苦しむ相手を尻目に、サンゴリアスはミスなくハイテンポな攻撃。

後半35分には、CTB中野将伍が駆け引きの得意なFB松島幸太朗へ早めのロングパスを通すと、最後はデビュー戦だったルーキーの河瀬諒介がフォローからフィニッシュ。デビュー戦、ファーストタッチでトライを決めた。

ラインアウトからのモールに懸けるスティーラーズは、最後に一矢報いた。

相手の反則(オフフィート)から敵陣に入り、九州共立大学出身のPR高尾時流がモール最後尾からショートサイドに突進し、フィニッシュ。

この日最初のトライを奪った直後、80分を知らせるホーンが鳴った。

スティーラーズは積極的にラインアウトを選んでいたが、サンゴリアスの巧みなディフェンスもあり5回失敗。一方のサンゴリアスは11回のラインアウト全てを成功させた。

最終スコアは39-19。危なげなく3勝目を挙げたサンゴリアスは3位をキープ。一方でスティーラーズは4位から7位に転落した。

「最初の2、30分にはチャンスはあったと思います」とスティーラーズのホルテンHC。「そこの部分で自分たちが仕留め切ることができず、その後、自分たちが殻に閉じこもるような結果になってしまったと思います」

果敢なファイトを見せたゲームキャプテンのFLマルセル・クッツェーも、同様の思いを抱いていた。

「最初の20分、良いプレーができていました。しかし相手の22mラインに入った時にパスミスがあったり、ターンオーバーだったり、仕留め切ることができませんでした。自分たちが完遂できなかったことが、この結果につながったと思います」

開幕戦でクボタスピアーズ船橋・東京ベイにショッキングな敗戦(18-31)を喫したものの、その後3連勝と真価を発揮してきたサンゴリアス。

指揮1年目の田中監督は、チームと選手の成長を喜んだ。

「(スティーラーズは)フィジカルが本当に強くてアタッキングマインドのチーム。フィジカルの部分で絶対に引かないことにフォーカスしてきましたが、その準備を出せたことがすべてだったのかなと思います」

「またチームがレベルアップした、成長した、と感じました。まだまだリーグは続きますので、一戦一戦レベルアップしていきたいなと思います」

サンゴリアスの次戦は1月22日(日)、開幕4連敗中の花園近鉄ライナーズが相手となる。

2敗目を喫したスティーラーズは1月21日(土)、3勝1分けで2位につける強敵スピアーズと激突。舞台は敵地・江戸川区陸上競技場(東京)だ。

文:多羅 正崇
多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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