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前節の帝京大学戦で敗戦を喫し、対抗戦優勝の可能性がなくなった明大。「悔しさもあったが、早明戦に向けて一から足りなかった部分を修正できた」(左PR/プロップ中村公星・情コミ4=国学院栃木)。敗戦こそしてしまったものの早明戦に向け、選手は切り替え、いい雰囲気で今試合を迎えた。
まず主導権を握ったのは明大だった。試合開始早々、ラック横からSH(スクラムハーフ)萩原周(商3=大阪桐蔭)が抜け出すと、ボールを受けたHO(フッカー)松下潤一郎(法3=筑紫)がゴール前付近までさらに押し込む。最後はSO(スタンドオフ)伊藤耕太郎(商3=国学院栃木)のパスを受けた右CTB(センター)齊藤誉哉(文4=桐生一)がトライ。「トライになって良かった」(齊藤)。
幸先良く先制すると、さらに前半7分、自陣22メートルラインで左WTB(ウイング)石田吉平主将(文4=常翔学園)がジャッカルを仕掛け相手の反則を誘う。明大のマイボールラインアウトから攻撃をつなげると、最後は左CTB廣瀬雄也(商3=東福岡)が石田へのロングパスがつながり、そのまま右サイド端にグラウンディング。「全員が前に出て取ることができたチームでのトライだった」。
続く25分にも伊藤耕がうまく相手を引き付けると、FB(フルバック)安田昂平(商2=御所実)にボールが渡り、グラウンディング。21-0とリードを広げた。しかし、その後相手の猛反撃により2トライ2ゴールを奪われ、嫌な空気の中、前半を終える。「かなりチームの雰囲気が暗かった。勝っているのだから盛り上げていい試合をしようと話した」(齊藤)。ハーフタイムでチームの士気を高めた明大に、後半早速見せ場が訪れる。
2トライを挙げPOM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)に選ばれた齊藤
3分、ハーフウエーライン付近で相手のロングパスを齊藤がインターセプトを決めると、そのまま走り抜けトライ。「ボールが浮いていたところにしっかりと入れて良かった」(齊藤)。このまま一気に突き放したい明大だったが、なかなか点を取れない中、早大に得点を許し再び7点差に。
それでも32分、敵陣ゴール前のマイボールラインアウトからチャンスをつくる。左に展開し、じわじわと前進すると、最後は途中出場の池戸将太郎(政経3=東海大相模)が中央にグラウンディング。「自分で行こうと思った」(池戸)。このトライで35-21とリードを広げると、最後まで必死の守りで早大の猛攻を食い止め、ノーサイド。熱戦を制し、伝統の一戦で2年ぶりの勝利を収めた。
「自分たちの代の早明戦は特別なものであり、勝ったことは誇らしい」(大賀宗志・営4=報徳学園)。この勝利で対抗戦を2位で終えた明大。しかし、日本一を目指す彼らにとって対抗戦の結果はまだまだ通過点に過ぎない。
「次から負けられない戦いになるので一戦必勝で頑張りたい」(中村)。次戦は12月25日の全国大学選手権準々決勝。相手は東洋大学と早稲田大学の勝者だ。「しっかり引き締めてやっていきたい」(石田)。彼らの挑戦はまだまだ続く。
文:廣末直希/写真:牛嶋淳太郎(明大スポーツ新聞部)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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