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京産大の第4節終了時点での勝ち点は「20」。全ての試合で満点である勝ち点5を奪い、連覇を狙う最強集団だ。その京産大に一時は逆転に成功。また、最終スコア26-31と僅か5点差でゲームを終えた同志社。
この試合がターニングポイントになると振り返った宮本監督
負けてはしまったものの、京産大戦は紺グレにとって好転となる試合になったのではないか。ゲームを振り返って、宮本監督はこの試合がターニングポイントになるのではないかと話す。「今までターニングポイントになるかなという試合が正直続いていた。今までは私からみんなに指示を出すことが多かったが、今日は自ら選手たちが果敢にグラウンドで動いてボールを動かして、スペースにアタックしてくれた」(宮本監督)。
今年度のチームスローガンは「MOVE」。「MOVE」には2つの意味がある。1つは80分間動き続けること。2つ目は観ている人に感動を与えることだ。今試合はこのスローガン「MOVE」を体現できたゲームだったのではないだろうか。
4年生選手を中心に積極的にコミュニケーションを取り合い、自陣深くに侵入された際も京産大の前進を粘り強く阻み、80分間フィールドを動き続けた。さらに、強豪京産大に対して決して物怖じすることなく果敢に攻める彼らの姿そのものが多くの観客に感動を与えたのではないだろうか。
涙を流す梁本主将
一時逆転した際は、1番の歓声が上がった。『絶対に勝つ。負けてたまるか』という気合いのこもった試合だった。だからこそ試合終了後、悔しさのあまり涙を流す梁本旺義主将を始めとする4回生選手の姿を見て、こちらも悔しい気持ちを隠さずにはいられなかった。
ケガから復帰した山本
また、この試合を見て感じたのは、スクラムが安定することの重要性だ。PR(プロップ)山本敦輝(社3)のケガからの復帰で、スクラムが一段と安定し、それに伴いFW(フォワード)も安定、そこからBK(バックス)への連携が円滑に進み、展開ラグビーでトライを奪う。そんなシーンが見られた。さらに、HO(フッカー)長島幸汰(スポ1)も復帰したことによって、より強力なFWを形成。彼らの復帰は強豪京産大を相手に接戦に持ち込めた大きな要因であるだろう。
次戦の相手は第5節で、0-10と負けたものの天理大学を苦しめた近畿大学だ。昨年の関西大学リーグ戦では天理大に23-7で勝利。前半からFW戦で優位に立つと一度もリードを許すことなく、天理大のリーグ戦連勝を「32」で止め、2位になった強者だ。スクラムでは押すだけではなく、ペナルティを相手に誘発させるほどの推進力を誇る。紺グレにとって脅威となるだろう。
だが、京産大戦で見せた自陣深くに攻め込まれたピンチの際でも、コミュニケーションを取って失点を防ぐ力、展開ラグビーで敵を翻弄し得点を重ねることができれば、必ず軍配は同志社に上がる。自力での大学選手権への道は閉ざされたものの、諦めるのはまだ早い。「これで終わりじゃない。絶対に勝って何がなんでも残りの選手権への道を開きたい」と梁本主将。仲間を信じ、梁本組の底力を見せ、次戦こそは喜びの涙を見せてほしい。
文:橋本さくら/写真:松久莉万(同志社スポーツアトム編集局)
同志社スポーツアトム編集局
同志社スポーツアトム編集局は1978年に創刊された同志社大学唯一の体育会機関紙です。年6回の本紙の発行を軸に、号外の発行やHPの管理などをすべて学生の手で行っています。
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