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ラグビー コラム 2022年11月3日

世界ランク上位4カ国がベスト4で激突。カナダvs.イングランド、ニュージーランドvs.フランス。ラグビーワールドカップ(女子)

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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ニュージーランド代表「ブラックファーンズ」のハカ

10月8日にニュージーランドで開幕した女子15人制ラグビーの世界一を決める「ラグビーワールドカップ2021」。いよいよ11月5日(土)、オークランドのイーデンパークで準決勝の2試合が行われる。世界ランキング上位の4チームが順当に勝ち上がり、カナダ(3位) vs. イングランド(1位)、開催国ニュージーランド(2位) vs. フランス(4位)が激突する。

◆11月5日(土)午後12:30 カナダ vs. イングランド

先週行われた準々決勝で、カナダは同じ北米のライバル・アメリカを32-11で下し、チーム史上最高のテストマッチ8連勝でベスト4入りを果たした。15人の先発メンバーは前の試合と同じで、リザーブにFL(フランカー)サラ・ズヴォヴェダが入った以外の変更はなく、ケヴィン・ルーエHC(ヘッドコーチ)はベンチに8人中7人のFW(フォワード)を入れてFWで戦う意志を強く示した。

FW戦で優位に立ちたいカナダ

キャプテンのNO8(ナンバーエイト)ソフィー・デグート、現在トライランク2位の6トライを挙げているHO(フッカー)エミリー・トゥトシ、ベテランPR(プロップ)オリヴィア・ドゥマルシャンといった自慢のFW陣に加え、経験値の高いFB(フルバック)エリッサ・アラリーや、SO(スタンドオフ)アレックス・テシエらが名を連ねる。

ルーエHCは「イングランドとは何度も対戦しているが、また今回が前と同じというわけではない。私たちは試合ごとに成長しているし、まだ全てを出し切っていないので、イングランド戦で見せたい」と意気込んだ。

オーストラリアを圧倒したイングランド

一方、準々決勝でオーストラリアを41-5で下したイングランドは、6大会連続8度目の決勝進出を狙う。サイモン・ミドルトンHCはFW1名、BK(バックス)1名の2名の先発を変更した。

先週、15人制女子として最高の138キャップを達成したキャプテンNO8サラ・ハンター、2021年の世界最優秀選手のLO(ロック)ゾーイ・オールドクロフト、この試合が60キャップの節目となるLOアビー・ワード、オーストラリア戦でハットトリックを決めたFLマリー・パッカーとこちらも強力なFWを擁し、BKも2019年の世界最優秀選手&今季のシックスネーションズ得点王のCTB(センター)エミリー・スカラット、WTBクローディア・マクドナルドなど得点力の高い選手が揃う。

ミドルトンHCは「カナダ戦は、これまでとは違ったゲームになる。FWは非常にフィジカルなゲームになるだろう。向こうも私たちとまったく同じことをやってきたはずです。昨秋、対戦したとき、彼らは本当に良いFWだった。セットプレーの戦いは厳しいものになるでしょう。相手のBKはトレーニングで本当に良くなっています」と相手を警戒した。

カナダとイングランドの一戦は2014年のワールドカップ決勝の再戦となり、この時はイングランドが21-9でカナダを下し2度目の優勝を果たした。また、両者は過去8度対戦し、全てイングランドが勝利している。イングランドが今回もカナダを退け、テストマッチ30連勝の記録を更新して3度目の優勝に近づくか。カナダがFW戦で優位に戦い、2014年以来2度目の決勝へ駒を進めるか。

7トライと好調のWTBウッドマン(ニュージーランド)

◆11月5日(土)午後3:30 ニュージーランド vs. フランス

2連覇&史上最多6度目の優勝を狙うニュージーランド。準々決勝はウェールズに55-3で快勝。ウェイン・スミスDOR(ディレクター・オブ・ラグビー)は、ウェールズ戦からFBをルビー・ツイからレニー・ホームズに変更し、ツイは14番にシフトし、現在7トライでトライランクトップに立つポーティア・ウッドマンを14番から11番に移動した。

ニュージーランドは2人合わせて11トライのWTBウッドマン&ツイを筆頭に、CTBテレサ・フィッツパトリック、ステイシー・フリューラー、FLサラ・ヒリニと、先発のうち5人が東京オリンピックの金メダリストだ。さらに2010年大会からワールドカップに出場しているベテランSH(スクラムハーフ)ケンドラ・コックセッジ、20歳のNO8リアーナ・ミカエレ トゥーとバランスの取れたラインアップで臨む。

今週、元オールブラックスのダン・カーターを招いてキッキングセッションを行ったというスミスDORは「ワールドカップのような大会は決して手を抜いてはいけない。ヨーロッパはプロフェッショナルとなり、フランスは今までよりワンランク上のチームになるだろう。フランスのハーフ団のキックは脅威だし、FBのゲームコントロールもいいので崩すのは簡単ではない。だが、自分たちがやっていることに信念があるので勝つ自信はある」と言い切った。

初の決勝進出を目指すフランス

一方、初の決勝進出を目指すフランスは、先週の準々決勝では同じヨーロッパのイタリアを39-3で下して6大会連続でベスト4入りを果たしている。トマ・ダラックHCはイタリア戦から1名の先発を変更し、脳震盪で2試合欠場していたNO8ロマーヌ・メナジェが先発に復帰し、シャーロット・エスクデロがFLに移動した。リザーブのLOサフィ・ンディアジェは出場すれば90キャップとなる。

エースのSHロール・サンスが予選プールのイングランド戦で負傷離脱したのは痛手となったが、トライランク3位タイのWTBジョアンナ・グリセ、FBエミリー・ブラールら強力なBK陣は健在だ。

ダラックHCは「以前はニュージーランドといえば、男子でも女子でも雲の上のようなイメージがあったが、最近は少しそれが緩和されてきたと思う。ただ、ワールドカップなのでまた特別なものになるだろう。私たちのチームも強くなってきている。決勝進出は結果であってゴールではない」とキッパリと語った。

ニュージーランドの地で、この両者が対戦するのは今回が初めてのことだが、ここまで9回対戦し、昨年11月に行われたテストマッチも含めて直近4試合は、全てフランスがブラックファーンズに勝利している。ただ、ワールドカップの過去3度の対戦はニュージーランドが勝っている。ニュージーランドがホームの地の利を生かし、連覇に王手をかけるか。相性の良い、好調のフランスが初の決勝進出を果たすか。

いよいよ「ラグビーワールドカップ2021」も残り4試合となった。セミファイナルの2試合は間違いなくビッグマッチとなる。

文:斉藤健仁/写真:WORLD RUGBY/Getty Images

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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