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ラグビー コラム 2022年10月31日

【ハイライト動画あり】ベスト4が出揃う。カナダはアメリカとの北米対決を制し準決勝進出。ラグビーワールドカップ(女子)

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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ラインアウトのボールをキャッチするカナダ代表NO8デ・グート

ニュージーランドで10月8日に開幕した女子の15人制ラグビー世界一を決める「ラグビーワールドカップ2021」。先週末から予選プール上位8チームによる決勝トーナメントに入り、10月29日(土、30日(日)に準々決勝4試合が行われた。30日(日)はベスト4最後の座をかけて、カナダとアメリカの北米のライバルが激突した。

両者は予選プールでも日本と同じプールBに入り、最終戦で対戦した。この時はカナダがアメリカをカナダ29-14で下している。カナダは予選プールは3戦全勝で首位、全体でも2位の成績で決勝トーナメントに進出した。

ケヴィン・ルーエHC(ヘッドコーチ)は最終戦のアメリカ戦から2名の先発を変更。アメリカ戦で後半から出場しトライを挙げたベテランのPR(プロップ)オリヴィア・ドゥマルシャンが先発に復帰、FL(フランカー)ファビオラ・フォルテザが6番で先発し、FLカレン・ペカンが7番に移動した。

カナダは2019年以来、アメリカには6連勝中で、今年に入ってからも先週の予選プールの対戦を含め2勝、強力なFW(フォワード)を軸に相手にプレッシャーをかけたいところだった。

一方、アメリカのロブ・ケインHCは先週のカナダ戦から23名のメンバーを変えなかった。PRホープ・ロジャーは、アメリカ女子では歴代2番目、現役選手としては最多の41キャップ目となった。また、PRロジャース、キャプテンのNO8(ナンバーエイト)ケイト・ザッカリーを含む8人の選手は今大会4試合連続の先発となった。

ワールドカップ初代王者のアメリカは、現在カナダに6連敗中だが、ワールドカップでの敗戦は先日のプールBでの対戦が初めてのこと。何としてもリベンジを果たしたいところだった。

好調なカナダが予選プールに続いて勝利して5度目のベスト4入りを果たすか。アメリカがライバルとの再戦に勝利し2大会連続のベスト4入りなるか。注目の1戦は、10月30日(日)現地時間午後4:30にオークランドのワイタケレスタジアムでキックオフされた。

先制したアメリカだが相手のアタックを止められなかった

前半9分、序盤の攻防で優位に立ったアメリカは、ラインアウトからボールを継続し、敵陣に奥深くまで攻め込み、最後はHO(フッカー)ジョアンナ・キトリンスキーがねじ込んでトライ。ゴールは決まらなかったが、5点を先制した。

だが、カナダもすぐに反撃する。16分、モールを押し込んだ後、FWがピックアンドゴーで前進し、最後はLO(ロック)マッキンレー・ハントが押し込んでトライ。キャプテンのNO8ソフィー・デ・グートのコンバージョンも決まり、カナダが7-5と逆転に成功。

さらに20分、カナダはNO8デ・グートが自陣でキックカウンターからフェイズを重ねて辛抱強く攻撃を継続し、最後はFLカレン・パキンがから右サイドにいたFB(フルバック)エリッサ・アラリーへパス、グラバーキックでゴール前まで攻め込む。最後はFLパキンがインゴールに転がるボールを押さえてトライ。12-5とリードする。

アメリカは前半終了間際の38分にCTB(センター)アレヴ・ケルターがPG(ペナルティゴール)を沈め、4点差に迫って前半を折り返した。

後半に入ると地力に勝るカナダがアメリカを引き離しにかかる。1分、キックオフのボールを競り合いに勝ったカナダは、WTB(ウイング)ページ・ファリーが相手のディフェンスを交わし走り抜いてトライ、ゴールも決まり19-8とする。

その後、アメリカもPGで11-19と追いすがるが、7分、CTBケルターがイエローカードで10分間の退場となり、数的不利の厳しい状況に追い込まれる。そのチャンスにカナダはNO8デ・グートが落ち着いてPGを決めて22-11とした。

突破するカナダ代表SOテシエ

15人対15人に戻った後、17分、カナダはボールを継続しSO(スタンドオフ)アレックス・テシエが左中間にトライ。ゴールも決まり29-11と突き放す。25分にはPGも追加して、結局、カナダが再びアメリカを32-11で下して準決勝に進出した。POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)にはカナダのFLパキンが選出された。

女子ラグビーワールドカップ2021 ニュージーランド大会

【準々決勝ハイライト】カナダ vs. アメリカ

カナダのルーエHCは「準々決勝でアメリカに勝つのはとても特別な気分。この結果に満足しているし、選手たちがフィールドで、そして試合の前から積み重ねてきたものの上に成り立っていることに、ただただ満足している。だから、準決勝に進出できたことだけでも、ハッピーなことだ」と素直に喜びを表した。

キャプテンのNO8デ・グートは「とても誇らしい。カナダはほとんどアマチュアの選手で、ここまで家族や仕事、いろんなことを犠牲にしてきた。だからこそ意味がある勝利だ」と胸を張った。そして準決勝の相手イングランドに対しても「手強いが相手も人間だ。徹底的に分析することが今週の課題だが楽しみ」と自信をのぞかせた。

ベスト8で敗退となったアメリカのケインHCは「残念だが、選手はよく戦ってくれた。非常にいい経験になった」と言えば、キャプテンのNO8ザッカリーも「全ての選手を誇りに思う。すべての人に感謝したい」と笑顔で話した。

5度目の準決勝進出を果たしたカナダは、11月5日(土)にオークランドのイーデンパークでイングランドと対戦する。また準決勝のもう1試合は開催国ニュージーランドがフランスと対戦する。「ワールドカップ2021」も残り4試合、いよいよ佳境を迎える。

◆10月29・30日 準々決勝の結果
○フランス 39-3 イタリア
○ニュージーランド 55-3 ウェールズ
○イングランド 41-5 オーストラリア
○カナダ 33-11 アメリカ

◆11月5日(土)準決勝組み合わせ
カナダ vs. イングランド
ニュージーランド vs. フランス

文:斉藤健仁/写真:WORLD RUGBY/Getty Images

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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