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シオネ・ポルテレ(京都産業大学)
目指すのはさらなる高み。だからこれで満足するわけにはいかない。選手たちのそんな声が聞こえてくるような完勝だった。
接点のバトルを圧倒し、思い通りのリズムで縦横にボールを動かして、さまざまなパターンでフィニッシュを重ねる。最終スコアは54-14。同志社大、近畿大に競り勝つなどここまで好調の立命館大を寄せつけず、京都産業大があらためて今季の充実ぶりを誇示した。その上でなお成長の余地を感じさせるのだから、今後への期待はふくらむ。
赤紺ジャージーの15人は、キックオフ直後から全開だった。開始7分、敵陣22メートル線付近のラインアウトから左オープンを攻め、WTB高井良成がコーナーに飛び込んでこの日最初のトライをマークする。14分にはスクラムを起点にFWが近場を攻め、LOアサエリ・ラウシーが密集脇をねじ込んで14-0とリードを広げた。
その後しばらくは好機を作りながら足踏みするシーンが続き、28分に立命館大CTB宮嵜隼人にラインブレイクを許して7点を返される。しかし直後の自陣ゴール前のピンチをしのぎきってふたたび流れを引き寄せると、35分に自陣から一気に攻め上がり、最後はキックパスを受けたWTBシオネ・ポルテレがインゴールへ。さらに38分にも相手のパスをインターセプトしたポルテレが50m超を独走し、28-7としてハーフタイムを迎えた。
後半に入っても京都産業大は攻め抜く姿勢を崩さず、立ち上がりから厳しくプレッシャーをかけてたたみかける。まずは41分、キックチャージからの切り返しで抜け出したCTB小野麟兵が右中間にトライ。47分には看板のFWがパワープレーでジリジリと前進し、LOフナキ・ソロモネがポスト左に押さえる。その5分後には、後半から出場のWTB西浩斗がブラインドサイドを突破しグラウンディング。いずれもSO西仲隼がコンバージョンを決め、残り25分あまりで49-7までスコアを拡大した。
しかし不用意な反則から自陣レッドゾーンに攻め込まれ、56分に立命館大WTB安井拓馬にトライを奪われると、一方的だった流れが一変。以降はいい形を作るものの、起点のセットプレーや仕留めの場面でエラーが頻発し、攻めあぐねる状況が続く。
ラグビー 関西大学リーグ2022
【ハイライト動画】立命館大学 vs. 京都産業大学
ようやく追加点が刻まれたのは、ゲーム最終盤の79分。ラインアウトからFWの縦攻撃で前進を重ね、入替出場の堤田京太郎がゴールラインを越える。4試合連続となる50点オーバーを決めたところで、フルタイムを迎えた。
この勝利で京都産業大は開幕からの連勝を4に伸ばし、勝点を20として先週4戦目を終えている天理大に並んだ。もっとも得失点差は+218で、+125の天理大を大きく上回る。ゲーム内容を踏まえた現時点の印象でいえば、頭ひとつ抜けた状況といっていいだろう。
FW、BKが一体となった攻撃でたたみかける時の迫力と躍動感は、全国でも屈指だ。課題はこの日も見られたように、中だるみのような停滞する時間が生まれてしまうこと。80分を通して厳格なスタンダードを持続することが悲願の日本一獲得のためのテーマであり、11月20日のたけびしスタジアム京都での天理大戦(14時キックオフ)は、それを確かめる絶好の機会となる。
一方の立命館大は第4節を終えて2勝2敗、勝点8の6位で後半戦に臨むこととなったが、昨季の上位4チームとの対戦を終えての成績であることを考慮すれば、上々の結果といえるだろう。この先も簡単ではない戦いが続くが、大学選手権出場枠の3位以内に十分手が届く位置につけているのは事実だ。こちらも勝敗数で並んでいる関西学院大との直接対決(11月13日14時キックオフ@神戸ユニバ)は、互いにすべてをかけて挑む大一番となりそうだ。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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