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ラグビー コラム 2022年9月19日

【ハイライト動画あり】早稲田大が強力スクラムで主導権!筑波大はモール勝負で猛追!関東大学対抗戦

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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早稲田大学 vs. 筑波大学

「今日は雨でタフなゲームになりました。勝ち切ることが重要だったので、勝ち切れて良かったです」(早稲田大学・大田尾竜彦監督)

大型の台風14号が迫る中、9月18日(日)に群馬・アースケア敷島サッカー・ラグビー場で開催された、関東大学対抗戦の「早稲田大×筑波大学」。

1勝の早稲田大は、ライバルの明治大学を22-33と苦しめた1敗の筑波大戦を迎え、「準備したことをグラウンドで表現すること」(早大・NO8相良昌彦主将)をテーマとし、強敵撃破を狙った。

前半2分、先制トライは早稲田大。

今季対抗戦初先発のSO吉村紘がキックしてチェイス、みずからチャージして、ここからNO8相良主将のトライ(ゴール成功)が生まれた。

「相手の陣形が下がっていたので、1、2バウンドするようなボールを蹴りました。バウンドしてくれて(その間に)相手との距離を詰められたので、あの結果になったと思います」(早大・SO吉村)

終始キックチェイスが効果的だった早稲田大。

ここからSO吉村が3連続でペナルティゴールを成功させ(前半9、28、37分)、勝ち切ることが重要な一戦で堅調に9点追加。16-0と突き放した。

早大が主導権を握ることができた大きな要因は、仲谷聖史アシスタントコーチが指導するスクラムだ。

「上手くレフリーとコミュニケーションが取れて、良い状態でスクラムを組めました」(早大・HO佐藤健次)

早大のこの日のスクラム成功率は100%(9回中9回成功)。

特に前半は強烈なヒット、意思統一されたプレッシャーで、再三相手のPK(ペナルティキック)を誘発した。

「(今日のスクラムは)組む前のクラウチ、バインドの時点で駆け引きがあったのですが、そこで早稲田大学さんのやりたい形になり、自分たちの形が出すことができませんでした」(筑波大・PR木原優作主将)

筑波大にも敵陣ゴール前ラインアウトのチャンスはあった。しかし早大・FL村田陣悟に明治大学戦と似たプレーを読まれ、インターセプトをくらう。

それでもPR木原主将、HO肥田晃季、FB植村陽彦らが次々にラックへ頭を突っ込み、強みであるブレイクダウンで奮闘。

 

前半終了前には早大HO佐藤にロングゲインを許し、ここからSH宮尾昌典のトライ――と思いきや、トイメンのSH白栄拓也が会心のトライセーブ。

「先週の試合(明治大学戦)で自分のタックルミスからトライを許したので、ディフェンスでチームの流れを変えようと試合に臨みました」

固い決意をもってディフェンスに奔走したSH白栄は、後半にも好守備で攻守交代を演出。80分間フル稼働していた。

ただ早大は前半43分にも追加点。NO8相良主将が意表を突いたキック&ドリブルを披露し、個人技でインゴールへボールを運んだ。

「後ろにフルバックがおらず、こちらも攻め手に詰まったので蹴ってみたら上手くいきました」(早大・NO8相良主将)

主将のトライによって、早大は23点リードで後半へ向かった。

前半の劣勢について、筑波大のPR木原主将はこう振り返った。

「積極的にエリアをとってラインアウト主体のゲームを作っていくはずでしたが、エリアもとれず、セットプレーが安定しなかったことが要因です」

ただ組織ディフェンスが瓦解したわけではなく、筑波大の闘志は衰えていなかった。

ゲームプランを変え、モールにこだわる。そう決めた後半、筑波大は狙い通りに得点を重ね、猛追した。

後半22分、ついに筑波大の初得点が生まれる。

スクラムで早大が反則。ここでセンターから転向したNO8谷山隼大がすかさずオープン側にロングキック。これが一気に局面を変える「50:22」となった。

「裏にスペースがあることは分かっていたので、蹴るだけでした。『50:22』になったので良い結果作りはできました」(筑波大・NO8谷山隼大)

ここからラインアウトモールで約20m前進。73分間出場した好スローワー、HO肥田がグラウンディングに成功した。

筑波大は31、37分にもラインアウトモールで連続トライ。

ラグビー 関東大学対抗戦2022

【ハイライト動画】早稲田大学 vs. 筑波大学

WTB大畑亮太はモールに入って2トライ目をスコアし、猛烈なキックチェイスで3トライ目の足場を作るなど、大車輪の活躍だった。

筑波大は後半38分、途中出場の高(中が目)田賢臣がトライ後のコンバージョンを成功させ、ついに6点差(17-23)。1トライ1ゴールで逆転となる状況だ。

しかし追撃は、届かなかった。

ボールを確保した早稲田大が堅実にラックを連取して、12フェーズ目でボールを外へ。ノーサイドを迎えた。

早稲田大は後半無得点だったが、逃げ切り2勝目。

筑波大は2敗目となったが、不屈の証しとして、7点差以内の敗戦に与えられる勝点1を手にした。

「後半自分たちがうまくいかない時間帯に上手く修正できず、モールで3トライ取られました。ゲーム中の修正力が課題です」(早大・NO8相良主将)

悔しい惜敗となった筑波大の嶋崎達也監督は「ゲームでプランを遂行できなかった」と敗戦を振り返った。

「やろうとするプレーをいかにゲームで出すかです。ゲームで出せれば上手くいきます。やりたいプレーを出しきれない――そういった部分をもう一度リーダー、スタッフ、プレイヤーと共有し、整理して(次戦に)臨みたいです」

筑波大の次なる相手は昨季チャンピオン。

10月2日(日)、2勝の帝京大学と東京・江戸川でぶつかる。

そして早稲田大の次戦も10月2日(日)。2敗の日本体育大学戦と埼玉・熊谷で激突する。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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