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ラグビー コラム 2022年9月14日

山中亮平選手がラグビー日本代表のチームビルディングを語る【J SPORTS×大畑&大西のラグビーチャンネルコラボ】

ラグビーレポート by J SPORTS 編集部
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大畑:今回はコベルコ神戸スティーラーズ、そして日本代表の山中亮平選手に来て頂きました。よろしくお願いします。

山中:よろしくお願いします。

大畑:山中選手と言えば僕たちの中ではやっぱりあの7月のフランス戦のビッグプレーが目に焼き付いているんですけど、ご自身でどうでしょうか。気持ち良かったですか?

山中:気持ち良かったですね。最高でした。
今まではトライする機会があまり無かったので。日本代表の攻撃システムもあって、あまりフルバックがトライに絡む事が無かったんですが、今回そのシステムもちょっと変わって。

大畑:それは話せる範囲で良いので、どこが変わった?

山中:フルバックのアタックの時のポジショニングですね。ポジショニングが結構変わりました。
たぶん見てて分かるくらい変わってると思うんですけど、2019年のワールドカップから最近まではスタンドオフの周りにフルバックがちょろちょろっと居たんです。
それが今は外側にもどんどん参加出来るシステムになっていて、パスを放る機会や仕掛ける所が増えたので 自分の得意とするプレーだった事もあって、トライに繋がったのかなと。

大畑:これから先、秋からもヨーロッパ遠征に行ったりと、どんどん来年のワールドカップに繋がって行くと思うんですけど、僕も日本代表でプレーして来た中で様々な合宿とか色んなことを経験しました。
という事でやっとある方が登場するんですよね?コメントがありますのでちょっとご覧下さい。

【大西将太郎よりメッセージ】
山ちゃんこんにちは。今回は出席出来ず、会えず残念です。そしてお久しぶりです。
チームビルディングのお話という事で、僕たちの時代はそれぞれ監督によって違う事もあったんですが、大畑さんと一緒だったのは、ワールドカップの前に北海道の中標津に行って、重たいタイヤを皆で運んだり、体重のある選手を目隠しして後ろから押して、山の頂上に走って行ったり、そういった事をした覚えがあります。
それぞれチームでも違うだろうし、今回のジェイミー監督のチームビルディングに関しては誰が上手かったり、何が一番楽しかったかとか、盛り上がったかとか、そういう事を教えて貰えたら嬉しいです。

【J SPORTS×大畑&大西のラグビーチャンネル】後編

【動画】ラグビー日本代表 チームビルディング映像を山中亮平選手が解説!

大畑:という事でやっと出て来ましたよ大西くん。

山中:やっと出て来ましたね。全然居ないなと思ってました。

大畑:今の日本代表はすごくチームの雰囲気の良さを感じるんですよ。やっぱりその辺りと言うのはチームビルディングの影響が出ているんですか?

山中:そうですね。合宿の始まりの時にチームビルディングがあるので、そこで一気にみんな仲良くなるというか、ひとつになるというか。そういうのはありますね。

大畑:今合宿の始まりにチームビルディングからスタートすると仰ったんですけど、見ている方はチームビルディングって何?って方が結構多いと思うんですよ。という事で実際に見てみましょう。

 

ゲーム1

山中:これは部屋にばら撒かれたカードに1から順番に番号が振られているんですけど、それを早歩きで取ってきて、順番に並べて行くゲームです。その中で何個か裏返しになっているカードがあるんですよ。その番号は分からなくて、それを捲った時に探してる番号じゃなかったら持って帰れないので、次の人がまた違う番号を探しに行って、どこのチームが一番早く番号を並べられるかというゲームです。ちなみに僕らが1番遅かったですねこれは。

大畑:何色のチーム?

山中:黄色です。

大畑:それは何が問題だった?

山中:いやなんかみんなちょっとセコいことするんですよね。早歩きなのにちょっと走ったり。

大畑:走ってる人居たね。

山中:僕らはルールに則ってやっているんで、最下位でした。

 

ゲーム2

山中:誰でも良いんですけど、ミニチームの中の1人を担いで目的地まで運びます。移動の時は全てこのスタイルでしたね。どこでも良いから全員自分以外の人の身体に触れて、一体となって移動するっていう。

 

ゲーム3

山中:これは輪に当たらずにくぐるっていうゲームで、僕も通されました。
これも何人か通してどこが一番早く終わったかみたいな。

大畑:1人だけ通すんじゃなくて何人かやるんだ?

山中:3人通すんでした。

大畑:黄色チーム(ワーナー)ディアンズ居たやん。

山中:はい。だから3人だったのでディアンズは通さなかったです。小さい人、軽いバックスが通されてましたね。
でもブルーかレッドがめちゃくちゃ早くて、僕らも必死で見れなかったんですけど。

大畑:全員終わった頃にはみんな終わってた?

山中:終わってました。僕らは3位ぐらいですね。

 

ゲーム4

山中:これは目隠しをしてボウリングをする前に、ぐるぐる回って目を回してから、周りの人が「もうちょい右」とか「もうちょい左」とか声をかけてやるゲームで、でもそのボールを投げる人に触れたらダメなんです。触って「こっちだよ」っていうのは無しで、声をかけてまっすぐな状態にさせて「今投げて」とか、そういうコミュニケーションを取るっていうゲームです。

大畑:最後結果発表の時にもの凄い喜んでたんですけど、あれは何かご褒美があった?

山中:チームビルディングのあとのご褒美は無いんですけど、最後の合宿を締めくくる時にもミニチームの順位発表があるんです。その時に優勝したチームはホテルのディナー券とかが貰えるので、だからみんな頑張るんですよね。

大畑:代表合宿にとかに行っちゃうとなんかすごい過酷なトレーニングをしてチームを作るっていうイメージを持たれることが多いと思うんですけど、そういった部分で言うと結構オンとオフってありますよね。

山中:ありますね。サントリーの垣永選手とかは練習中めっちゃ静かなんですよ。試合中は結構声出したりするんですけど練習中は静かで。でもミニチームゲームとかになったら凄いテンションが上がって。
それ練習でやったら良いのにと思うくらい(笑)「ミニチームゲームのために来ました!」みたいな。
そういうのは面白いですよね。

大畑:そういった意味では結構ニュージーランド出身の人がヘッドコーチの時にこういう事をやってるイメージが強いんだけど、エディー・ジョーンズ監督の時ってやった?

山中:エディーの時はあんまりやった記憶は無いですね。

大畑:それは記憶が無くなってきたとかじゃなくて?

山中:いや、やってないですね。もう練習のイメージしかなかったです。

大畑:俺もそのイメージしか無い(笑)そういった意味ではジョン・カーワン監督もそうだし、ジェイミー・ジョセフ監督もそうだし、神戸でもね?

山中:神戸もそうですね。(ニコラス・ホルテン監督)

大畑:神戸ではどんな事やってるの?

山中:最近はミニチームに分かれて芦屋のほうでボートでレースしました。僕やんぶーさん(山下裕史選手)と 一緒のチームなんですけど、転倒しました。

大畑:それはやんぶーがコケたらみんな盛り上がるからでしょ?

山中:やんぶーさんワザとコケましたね。それでみんなひっくり返って。
「なんでコケたんですか?」って聞いたら「いやコケてないけど」とか言ってましたけど、完全にわざとコケてました(笑)

大畑:チームビルディングって一見遊んでるように見えるかもしれないけど、凄く意味のある事なんですよね。
特に合宿のスタートとかでやって、それぞれが色々な役割の中で自分の場所を見つけ出したりとか、特に若い子たちはチームの中に入って行くのに意味があるよね。

山中:普段は歳が離れてるとそんなに会話しないかもしれないけど、こういう所で会話が生まれたりそこで仲良くなったりするので、それは凄く良いですね。

目の前の事を1つ1つクリアして行くことを心がけている

大畑:これからラグビーのシーズンが始まるって所で言うと、特に大学ラグビーは今月からですけど、山中選手は早稲田大学出身で、本当に大学ラグビーのトップのチームじゃないですか。
伝統校の試合に出る、あのジャージを着る、荒ぶる(※早稲田大学ラグビー部が優勝した時にだけ歌われる部歌)を歌うっていうのはどんな気持ちですか?

山中:早稲田は凄く伝統があったので、そのジャージの重みだったりとか、そういう物は凄く感じていました。あのジャージを着たいからみんな早稲田ラグビー部に入るっていうのがあったので、ジャージを着るのは凄く誇りを持って、みんなの分も背負って着ている意識を持って試合に臨んでいました。

大畑:自身の中で大学ラグビーの一番のハイライトってどこですか?

山中:やっぱり早明戦ですかね。早慶戦もそうなんですけど、明治との試合は国立競技場でやっていたので、あの4万5万と入る観客の中での試合は今に活きてるなというのがありますし、ああいう大舞台を経験出来ていた事は今の自分にプラスになっているなと思います。

大畑:学生時代に色々な経験をした人間として、こういった事を経験したら良いよとか、こういう風に今後の事を考えてチャレンジした方が良いよというのがあったら教えて貰えますか?

山中:僕は結構、目の前の事ばっかり考えています。先の大きい目標はありますけど、やっぱり1つ1つ目の前の事にしっかりチャレンジして行くというのはずっと心がけていて、それをクリアして行けば最終的な目標に繋がって行くので、今だったら近い所では秋の日本代表にしっかり選ばれてそこで結果をまず出す、そのあとはリーグワンで優勝するっていう、そういう目標をしっかり立てながらやって行ってます。

大畑:本当に長期的なプランだったりとかもあるけれど、とにかくやらなきゃいけない事を1つ1つしっかりやって行くことが凄く大事ですよね。
その上でラグビーには何が必要かと言うと、大学ラグビーも高校ラグビーも日本代表も、選手って一人で頑張れないのよね。だからそのチーム中でそれぞれが自分の役割だったり、何が出来るのかを考えて、そして周りの力を借りて、より距離が近くなってこそチームが1つになるよね。

山中:選手同士のコミュニケーションだったりとかは日本代表の中でも選手間でミーティングしたり、選手同士で考えながら細かい所を突き詰めてやっているので、1人でというよりはそういう周りとしっかりコネクトして、コミュニケーション取りながらやるっていうのが大事だなと思います。

強豪国相手にしっかり勝ってワールドカップに繋げたい

大畑:ということで今回はチームビルディングのお話を聞きましたけど、秋にはニュージーランド、イングランド、フランスという本当に強豪国と戦います。そして年が明ければもうワールドカップ2023ですが、2019年のワールドカップではあれだけの熱狂で、「選手たちの頑張りが自分たちの頑張り」っていうようなエネルギーを貰いました。だからもう1度あれ以上の興奮や感動を皆さんすごく期待していると思うので、その想いを一番後ろ(フルバック)で背負いながら戦う人間として、ぜひ皆さんにメッセージをお願いします。

山中:もう来年ワールドカップで、本当にすぐ来てしまうと思うので、1日1日を無駄に出来ないというか、日本代表の活動でも1試合1試合のテストマッチで良い結果を出さないと次に繋がらないと思いますし、ティア1にずっと勝てていない状況ではあるので、ニュージーランド、イングランド、フランス相手にしっかり勝って、次に繋げるのが大事だと思っています。そこでしっかり日本代表メンバー達と切磋琢磨して、成長して、来年に繋がるように頑張って行きたいと思います。

大畑:国内もそうですけど、日本代表としても素晴らしいパフォーマンスを期待しているので頑張って下さい。

山中:はい、頑張ります。

大畑:本日はありがとうございました。

山中:ありがとうございました。

<プロフィール>

◆山中亮平:1988年6月22日生まれの34歳。東海大暁星高3年生時に全国高校大会優勝を果たす。早稲田大学在学中は副賞を務め日本代表にも選出される。コベルコ神戸スティーラーズに所属。日本代表キャップ24。

◆大畑大介:1975年11月11日生まれの46歳。東海大学付属仰星高校、京都産業大学から、神戸製鋼、モンフェラン(フランス)に所属。日本代表キャップ58、通算69トライ、345得点を記録。日本人として2人目のワールドラグビー殿堂入り。

◆大西将太郎:1978年11月18日生まれの43歳。啓光学園高校、同志社大学から、ワールド、ヤマハ発動機、近鉄、豊田自動織機に所属。日本代表キャップ33。2007年ワールドカップのカナダ戦、終了直前に同点のコンバージョンキックを決め、日本のワールドカップ連敗記録を13で止めた。

文:J SPORTS編集部

J SPORTS編集部

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