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大学ラグビーの夏合宿シーズンも終盤を迎えた。各大学が総仕上げのトレーニングマッチに挑む中、8月28日にはサニアパーク菅平のメイングラウンドで、慶應義塾大と東海大が対戦する(12時キックオフ)。両校にとってこれが合宿の最終戦で、ともに2週間後に対抗戦とリーグ戦の初戦を控える状況だけに、チームの仕上がり具合や選手のコンディションが注目される一戦だ。
慶應義塾大は8月1日から16日まで恒例の山中湖合宿を実施した後、18日に選抜メンバーで菅平入り。21日に流通経済大とA、Bマッチを行い、それぞれ25-12、49-12で勝利した。A戦は開始3分の先制トライを皮切りにスピーディーな連続展開と鋭いヒットで優勢にゲームを進め、前半3本のトライを奪って15-0で折り返し。後半も開始早々にラインアウトモールでトライを追加してリードを広げ、トライ数5対2で押し切った。
この試合ではスクラムやモールで再三相手を押し込むなど、FW陣の奮闘が目を引いた。熱血漢のFL今野勇久主将を筆頭に、フィジカルバトルで激しく体を当てられるファイターがそろっている点は、今季の強みになるだろう。BKではSH杉山雅咲(大阪桐蔭出身)、CTB山本大悟(常翔学園出身)、FB今野椋平(桐蔭学園出身)と、3人のルーキーが先発。いずれも強豪高校の主軸として活躍してきた実力者で、チームにエナジーと躍動感をもたらしている。
一方の東海大は8月18日から菅平キャンプをスタートし、Aチームの初戦となった21日の同志社大戦に58-19で大勝。学生屈指の破壊力を誇る大型FWがパワフルなコンタクトで接点の攻防を制圧し、狙い通りにスペースへボールを運んでトライを重ねるというゲーム内容で、今季のチームのポテンシャルを示した。さらに25日には、関西大学春季トーナメントで京都産業大と両校優勝を果たした天理大にも41-19で勝利。序盤は攻め込みながら仕留めきれないシーンが続いたものの、浮き足立つことなく攻守にプレッシャーをかけ、じわじわとスコアを積み上げての完勝で、チームづくりが順調に進んでいることを感じさせた。
2試合を通して印象的だったのは、選手一人ひとりの頑健なフィジカリティと、倒れず前に出てボールをつなぐ意識の高さだ。1対1の局面で当たり勝ち、余裕を持ってプレーできることが、安定感ある試合運びを呼んでいる。攻守の起点となるセットプレーの支配力とパワフルなドライビングモールも、大量得点の源泉となる強力な武器だ。
コリジョンの激しさをスタイルの要とする東海大にとって、魂のタックルが伝統の慶應義塾大との一戦は、自分たちの現在地を測る絶好の機会といえるだろう。タイトな肉弾戦の中でいかに精度高く目指すスタイルを遂行できるかという点に、チームの真価は問われる。意地と気迫のこもったボール争奪局面のせめぎ合いは、この試合の大きなみどころのひとつだ。
慶應義塾大にとっても、春からの取り組みの成果を見極める上で、東海大との激突は貴重な試金石となる。相手が勢いに乗ってたたみかける展開になれば耐え切るのは難しいだけに、ファーストタックルできっちり仕留め、粘り強く体を当て続けることが最大のテーマだ。ともにこだわりを持つセットプレーの攻防も、試合を左右する大きな要素となる。
ちなみに両校は昨季大学選手権の準々決勝で対戦し、東海大が27-12で勝利を収めている。その時の先発メンバーから東海大は9人、慶應義塾大は4人が卒業。それぞれ力のある下級生も続々と台頭してきており、楽しみの多い8か月後の再戦となった。間近に迫った秋の公式戦シーズン開幕に向け勢いをつける意味でも、重要な位置づけとなるこのゲーム。熱戦を期待したい。
文:直江 光信
直江 光信
1975年生まれ、熊本県出身。県立熊本高校を経て、早稲田大学商学部卒業。熊本高でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。早大時代はGWラグビークラブ所属。現役時代のポジションはCTB。著書に『早稲田ラグビー 進化への闘争』(講談社)。ラグビーを中心にフリーランスの記者として長く活動し、2024年2月からラグビーマガジンの編集長。
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