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ラグビー コラム 2022年8月24日

全国8強を目指す朝日大が強豪明治大に挑戦。菅平夏合宿練習試合プレビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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朝日大にとってはビッグチャレンジだ。

8月26日、10大会連続で大学選手権に出場中の東海学生Aリーグの雄が、夏合宿の練習試合で明治大に挑む。世代有数の俊英がひしめく才能集団を相手に、ひたむきな努力で着実にステップアップを重ねてきたチームがどのような戦いを見せるのか。悲願である全国トップ8入りへ向け、貴重な腕試しの機会となる。

今春の関西大学春季トーナメントでは、摂南大との初戦(5月15日)に5-60の完敗を喫したものの、続く下位トーナメント2回戦で昨季関西大学Bリーグ1位の大阪体育大を33-29で破った。序盤から一人ひとりが接点のバトルで優位に立ち、テンポのいい連続攻撃で相手防御を再三ブレイク。前半28-0と大きく先行し、大阪体育大の後半の猛追を振り切っての勝利だった。

6月27日の最終戦はIPU環太平洋大に10-27で競り負け、10位で大会を終了。あらためて全国レベルの戦いの厳しさを実感する結果となったが、昨季は棄権で1試合しか実施できなかったことを考えれば、この段階で他地区の実力校と多くの実戦を重ねられたのは価値ある経験といえるだろう。7月24日には、「第19回朝日大学ラグビー祭」で早稲田大との招待試合も開催(31-38で敗戦)。相手はジュニアメンバーが主体の布陣とはいえ、学生ラグビー界を代表する伝統校と緊張感あるゲームを戦った意義は大きいはずだ。

今季は昨年の大学選手権の先発メンバー15人のうち、FWの4人が入れ替わった。一方BKはキャプテンのSO/CTB江藤岳や大阪体育大戦で2トライを挙げたWTBプスパコム・ピーラナツら主軸がほぼそのまま残り、実力と経験を備えたラインとなる。パンチ力のあるFL/NO8サムエラ・ワカヴァカやNO8ヒンガノ・ロロヘアらが突破口を開き、外のスペースをBKで攻略するというのが、目指すアタックのイメージだろう。

迎え撃つ明治大は、関東大学春季大会Aグループを4勝1敗の3位で終了。8月上旬の福島合宿を経て同19日から菅平合宿に入り、21日の初戦で天理大に12-12と引き分けた。体調不良者が出た影響で本来SOの池戸将太郎がSHで出場するなどメンバーのやりくりに苦しんだこともあり、攻め込みながらエラーで好機を逃すシーンが目立ったが、一戦こなしたことでチームのコンディションは確実に良化しているはずだ。

今回の朝日大戦は翌27日に帝京大との大一番を控える状況でのゲームで、より幅広く選手を起用することが予想されるが、学生にとっては限られた大切なアピールの場であり、どのメンバーも高いモチベーションを持ってフィールドに立つだろう。非凡なポテンシャルを秘めた逸材が数多くそろうチームだけに、一躍脚光を浴びるような新星が現れる可能性も十分ある。

ゲームの焦点としては、個々に力のあるプレーヤーが並ぶ明治大に対し、朝日大がどこまでチーム全体で組織的に戦えるかが、最大のカギになるだろう。特にディフェンス面で周囲と連携をとりながら陣形を維持し、複数によるタックルで粘り強く守りたい。セットプレーやブレイクダウンでのFW陣の奮闘と、規律を維持しできるだけ反則をしないことも、善戦に不可欠の要因だ。

全国屈指の強豪と実際に体を当ててプレッシャーを実感する経験は、朝日大にとってかけがえのない財産になるはずだ。そこで得た収穫と課題は、これまで果たせなかった大学選手権3回戦の壁を突破するための重要な糧にきっとなる。果敢なチャレンジを期待したい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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