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ラグビー コラム 2022年7月14日

静岡ブルーレヴズ、「REV UP!」のスローガンで挑む新シーズンへの決意

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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堀川HC(左)と山谷代表 (C)SHIZUOKA BlueRevs

7月14日(木)、ジャパンラグビー リーグワンのディビジョン1に所属する静岡ブルーレヴズが、2022-23シーズンの新体制発表会見を開いた。参加者は代表取締役社長の山谷拓志氏と、今年から「監督という言葉が曖昧だったために、グラウンドのことに集中してほしい」(山谷代表)という理由からヘッドコーチという肩書きになった堀川隆延HC(ヘッドコーチ)の2名が登壇した。

プロバスケットボールからラグビーのプロクラブの代表になり、1年が経った山谷代表は「2015年、2019年ワールドカップを経て、ラグビーの注目度が上がっていると認識していたが、ラグビーに対する熱や思いが高い。ラグビーのスポーツ価値、人と人のぶつかり合い、犠牲の精神は人の心を打つコンテンツだと感じている。コンテンツの価値は創造以上にあるが、ただ、それをもっと増やすために試合数や開催時期など、ファン目線に立った環境作りは課題だと思います」と振り返った。

堀川HC (C)SHIZUOKA BlueRevs

日本代表の予備軍であるNDS(ナショナル・ディベロップメント・スコッド)のHCも含めて7週間、代表活動に参加していた堀川HCは「去年は悔しいシーズンを過ごしたが、チームは飛躍、成長の1年だったと思う。新加入選手もいますし、自分たちに何が足りなかったのか。昨日、選手にファーストミーティングで少し話しをした。(日本代表活動は)すべてにおいて刺激になった7週間だった。完全にそのままやるのではなく、我々のオリジナリティに合うものを1つ1つ、付け加えてレヴズらしさを作り上げていきたい」と話した。

今季のスローガンは「REV UP!」

今季のチームのスローガンは「REV UP!」(レヴアップ)となった。REVは「ブルーレヴズ」の下になった英語で「REV UP」は「エンジンの回転を上げ加速させる」という意味で、チーム、事業の成長をより加速、促進、進化させていくという思いが込められた。そして、後ろの煙はスクラムからでる熱気や熱気をイメージしたという。

山谷代表はフリップを使って2022-23シーズンの目標を発表した。

・プレーオフ出場(ベスト4入り)、日本一
・ホストゲーム開幕観客数1万人以上
・平均観客数6000名(コロナの影響なしを想定)
・チケット売上1.2億円(有料比率60%)
・ファンクラブ会員2万人(うち有料会員4000人)
・スポンサー売上5億円(ヤマハ発動機除く)
・グッズ売り上げ3000万円
・スクール/アカデミー事業の黒字化(生徒数計360名)

「昨季8位と満足できない戦績だったので、日本一を目指していきたい。その通過点としてまず4強に入りたい。今季は12月の開幕の予定ということで、ホストゲームの開幕戦に1万人、そして満員を目指す。平均観客動員は4000名を割るリーグの平均より低い3600名だったので6000人を目指していきたい」。

「チケットの売上は5000万円強だったので、1.2億円を目指す。そうなるとお客さんの単価は2500円くらい、有料比率60%となります。ファンクラブは1万人から2万人、多くのスポンサーに支援していただいていますが、3億円から今季は5億円を目指していきたい。グッズの売上は2000万円以下だったので3000万円、スクール/アカデミーの生徒は360人という目標を設定しました」(山谷代表)。

新加入選手に関しては、4月に加わった大卒6人、すでに試合に出場しているFL(フランカー)ジョーンズリチャード剛(東海大学出身)を筆頭に、LO(ロック)/FLリッチモンド・トンガタマ、PR泓城蓮(ともに帝京大学出身)、大型PR(プロップ)茂原隆由(中央大学出身)、LO畠澤諭(立命館大学出身)、WTB(ウィング)山口楓斗(同志社大学出身)に加えて、さらに3選手が加入した。

クルセイダーズのSH(スクラムハーフ)ブリン・ホール、さらに日本代表経験のあるLOアニセ サムエラ(元・横浜キヤノンイーグルス)、さらに7人制日本代表で活躍したCTB(センター)ジョニー・ファアウリ(元東芝ブレイブルーパス東京)だ。

「サムエラは真面目な人格者でセットの要になってくれる。ファアウリはフィジカルがあり、ボールを持って前に出てくれる。ホールはウィニングカルチャーをこのチームに伝えていきたいという強い意気込みを持った選手です」(堀川HC)。

どういったラグビーを目指すかという点に関しては堀川HCが説明した。「昨季は8位という悔しい結果で、満足している選手は誰もいない。1つ1つ階段を登って前進していったが、上位チームとの5試合は逆転負けで、10点差以内の敗戦だった。ラスト20分をどう戦うのかということが一番大きな課題だった。ただ、強いスクラム、セットプレーを軸にした『レヴズスタイル』は変わらない。根幹、コアは変えるべきではないと思っている」。

「レヴズスタイル」を前提としつつ、堀川HCは5つの強化方針を掲げた。

1 ファンダメンタルスキル

「ここは伸びシロがある。パス、キック、キャッチのスキルの精度を上げつつ、さらにオフロードパスにも取り組んでゲームを動かしていきたい。1年間を通して取り組んでいきたい」

2 ゲームコントロール

「強みをいかに発揮し続けるか。得点を重ねた後、どう敵陣に入っていくか。ここも伸びシロがある。昨季は得点を取っても、得点を許してしまった。相手をどう支配していくか強化していきたい。SHブリン・ホールにゲームコントロールを期待したい」

3 レッドゾーンプライド

「敵陣22m内(=レッドゾーン)で、自分たちがいかにプライド持って得点を重ねていくか。【2】ができれば相手陣に入っていく機会が増える。セットプレーを生かしながら3点、5点と得点につなげていきたい。また、自陣22m内で得点を与えないプライドを持っていきたい」

4 ラスト20分を自分たちの時間にする

「60分から80分でゲームの勝敗が決まる。1つはフィジカル、戦術、インパクトプレイヤーの力強さなどいくつかの要因があると思う。ラスト20分を強化したい」

5 競争力強化

「同じポジションの選手がどれだけ競争していくかがチームの力になる。若い選手もどんどん使っていきたい。常に競争あるトレーニングに取り組んで前進していきたい」

堀川HCは「9名の選手が加わり、競争力を持ち、5つの柱で強化し前進していきたい。『レヴズスタイル』のサブタイトルとして突き抜けて成長していく、自分たちの成長を見せつけるということで『ブレイクスルー』という言葉を加えた。日本一を目指すという覚悟を持って、シーズンを突き進んでいきたい。12月中盤の開幕まで25週あるので、その25週を4つのタームに区切ってプランニングしていきたい」という言葉で締めた。

昨季、プロクラブとして誕生した静岡ブルーレヴズ。2シーズン目の2022-23シーズンは「REV UP!」のスローガンの通り、事業面でもラグビー面でも大きく進化、成長を遂げるシーズンとなりそうだ。

文:斉藤健仁/写真:(C)SHIZUOKA BlueRevs

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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