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ラグビー コラム 2022年7月10日

ラグビー日本代表、「選手層」と「経験」をテーマにした今夏の活動を振り返る。藤井ディレクター記者会見

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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夏の活動を終えた日本代表

7月10日(日)、惜敗したフランス代表戦から一夜明けて、男子15人制ラグビー日本代表で強化を担当する藤井雄一郎NTD(ナショナルチームディレクター)がオンライン会見を開いた。

藤井雄一郎NTD

ジャパンラグビー リーグワンのプレーオフが行われている5月に、出場していない選手を集めてS&C合宿を行い、6月からは70人あまりをNDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)と日本代表に分けて別府と宮崎で合宿を敢行し、チャリティーマッチとテストマッチの計5試合を戦った。結果は下記の通り。

・6月11日○エマージングブロッサムズ(NDS)31-12 トンガサムライXV
・6月18日○日本代表(NDS)34-15 ウルグアイ代表
・6月25日○日本代表 43- 5 ウルグアイ代表
・7月 2日●日本代表 23-42 フランス代表
・7月 9日●日本代表 15-20 フランス代表

昨日のフランス代表戦は15-20で敗れたが、ワールドカップを除いたテストマッチの最多動員となる5万7011人の観客が集い、2019年ワールドカップの時のような雰囲気さえあった。藤井NTDは「選手の一番のモチベーションは、お客さんに応援してもらうこと。みんな、ファンのためにやっているので、昨日は高いモチベーションでできた」と振り返った。

フランスとの第2戦は惜敗

藤井NTDは「別府の合宿から始まって、2チーム制で今回はやったが、トンガ(サムライXV)とのチャリティーマッチを始め、ウルグアイ代表と2試合、フランス代表との試合も重ねた。途中、コロナに感染する選手がいたり、何人かの選手が離脱したが、なんとか昨日試合をすることができて、勝つことはできなかったが、若い選手もたくさん試合に出られた。そういう意味ではいいシリーズだった」と振り返った。

今夏のシリーズは「選手層を厚くすること」、そしてリーグワンで活躍していた新しい選手たちに「テストマッチを経験させること」が目的だった。「NDSも含めて、初キャップの選手がたくさん出た。1つ目は、テストマッチの試合とリーグワンの試合がどれくらい違うかというのを経験できた。もう1つは選手がどれだけのパフォーマンスができるのかがわかった」。

ラグビー日本代表テストマッチ2022

【ハイライト動画】日本 vs. フランス

「SO(スタンドオフ)に関しては、山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)も試合に出られたし、計算できる選手になっていく。ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)も同じことを考えていると思うが、SOに厚みができたのは収穫。

あとは今後、日本のラグビーで数が少ないLO(ロック)、それからスピードのある選手が、どのポジションでももう1人いてくれれば。福岡堅樹に替わるような選手が出てくればいいと思う」。藤井NTDはSOだけでなく、LO、WTB(ウィング)の選手たちのさらなる成長にも期待を寄せた。

また、共同キャプテンの1人、SH(スクラムハーフ)流大(東京サントリーサンゴリアス)が合宿早々で離脱する中、チームを引っ張ったHO(フッカー)坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)に関して、「(コロナの影響で)試合前にメンバーが替わるなど、チームがバタつきそうな時も、しっかり彼が引っ張って、正しい方向に導いてくれた。そういう意味で、本当に今季のシリーズ通じて彼自身が成長したと思う」と高く評価した。

ケガなどで今夏の活動に参加していない選手も含めて、日本代表の大きなスコッドは80名近くになる。9月上旬に再び合流し、10月、11月の秋のシリーズに向けての準備をスタートさせる。「秋は今回のように完全に2チームに分けてということはしないが、少しコーチの数を増やして、より細かいコーチングを若い選手にも受けさせて、その中でも競争を促していきたい」

9月上旬に招集する選手の数は、5月末時点でジョセフHCは「45~50人」と話していたが、結局、50人強になる見込みだという。9月の南半球への遠征予定は現段階で未定だという。11月にアウェイで開催されるイングランド代表戦、フランス代表戦以外の国内でのテストマッチに関しては、藤井NTDは「数チームと交渉中」と話すにとどめた。

今夏のシリーズではチーム内からコロナの陽性者が出て、藤井NTDも「最後の方はなんとか試合ができたらという感じだった。途中厳しいときもあった。選手もスタッフもがんばった」と安堵した。

ただ、コロナに関して藤井NTDは「基本的に抗原検査で陰性の場合は、練習も試合もしていいという、ラグビー界では新しい取り組みで試合もできた。感染症専門の先生と密に連絡取りながらやっている。極力、試合を止めないようにする動きに変わっているのが、世界の状況だということをわかってほしい」と理解を求めた。

日本代表は2019年ワールドカップ以降、コロナの影響で強化が遅れていることもあり、世界ランキング上位チームに勝つことができていない。今夏の経験を踏まえ、9月に合流し、合宿でチームを鍛え直して10月、11月は上位チームからの白星奪取を狙う。

文:斉藤健仁/写真提供:日本ラグビーフットボール協会

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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