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ラグビー コラム 2022年7月4日

【ハイライト動画あり】劇的ドロー決着の京産大×天理大をはじめ、熱戦の連続となった最終節。関西大学春季トーナメントレビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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京都産業大学 vs. 天理大学

関西の大学ラグビーは今年も間違いなくおもしろい。多くの人がそう確信したはずだ。

5月中旬に開幕した関西大学春季トーナメントは、7月2日、3日に最終節を迎えた。天理親里ラグビー場を舞台に行われた上位8校による4試合は、いずれも気迫のこもった好ゲームに。スタンドがどよめくようなビッグプレーも数多く飛び出し、秋のリーグ戦、さらにはその先の大学選手権に向けて、楽しみが広がる2日間となった。

何といっても白熱したのは、昨季23シーズンぶりに関西王者となった京都産業大と、2年ぶりの覇権奪回を期す天理大が激突した決勝だ。ゲームは序盤からお互い積極的にボールを動かして攻め合う展開となり、開始5分に京産大がWTBシオネ・ポルテレ(13番のジャージーで出場)のトライで先制。しかし天理大も12分に相手ボールのスクラムを押し込んでボールを奪うと、そのままFWで近場を押し切って5-5に追いつく。

その後も留学生のパワフルな突進を起点にそれぞれがチャンスを作り出し、京産大が22分にFB竹下拓己のPG、30分にWTB高井良成のトライで加点すれば、天理大も38分にNO8パトリク・ヴァカタが圧巻のストライドでライン際をブレイクして左コーナーに飛び込む。さらにお互い1本ずつトライを加えて、19-18と天理大の1点リードで前半を折り返した。

一進一退の流れは後半も続き、46分に天理大が持ち味のスピーディーな連続攻撃からCTB上野颯汰がゴールラインを越えて24-18としたが、京産大も58分にWTBポルテレが豪快な走りで左サイドを走り抜け、すかさず詰め寄る。63分には途中出場の北山絢大がPGを決め、京産大が26-24と逆転。拮抗した状況のまま、試合は残り15分の勝負どころに突入した。

消耗で体力が限界に近づく中、ここで先にスコアを挙げたのは天理大。NO8ヴァカタのビッグゲインで一気にゴール前に迫ると、FWが一丸となってラックサイドをねじ込み、31-26とふたたび前に出る。しかし京産大も意地を見せ、83分にキックパスを受けたWTB高井がタックラーを振り切ってフィニッシュ。コンバージョンは惜しくも外れたものの、土壇場で31-31の同点に追いつき、そのままノーサイドで両校優勝という劇的な結末を迎えた。

終盤も得点機があっただけに勝ちきれなかったという印象はある天理大だが、スクラムをはじめFW陣が互角以上の戦いを見せ、身上であるハイテンポの連続展開でたびたびいい形を作った試合内容は、今季のチームの可能性を感じさせた。京産大もゲームを通して接点で激しいバトルを繰り広げ、最後に巡ってきた好機を見事に仕留めて力のあるところを示した。猛烈な推進力で再三相手防御を破ったWTBポルテレは、今後全国から視線を集める存在になりそうだ。

決勝に先駆けて行われた近畿大学と立命館大学の3・4位決定戦も、見応えある80分間となった。前半主導権を握ったのは近大。FWが出足鋭いタックルを連発して勢いを生み出すと、16分にCTB森元翔紀のオフロードから防御裏へ出てWTB三島琳久が先制のトライをマークする。23分には優勢のスクラムを起点にSH田原慶人がインゴールに押さえ、12-0とスコアを広げて前半を終えた。

立命館大も後半開始早々に自陣スクラムからのサインプレーでWTB山本龍吾が抜け出し、フォローについたSH北村瞬太郎が約50メートルを走り切ってトライ。7点差の射程圏内に詰め寄ったが、近大はここからがたくましかった。ひたむきなタックルで以降のピンチをしのぎ切ると、雷による中断を挟んで再開された70分にSH田原が2本目のトライを奪い19-5とスコアを拡大。終了間際にも堅守からの切り返しで途中出場のSH李がトライを加え、26-5で近大が勝利を収めた。

なお7月2日に行われた5・6位決定戦は、同志社大学が52-27で摂南大学に逆転勝ちした。前半は相手の前に出る推進力に接点の攻防で食い込まれ、トライ数3本対4本で19-20と先行を許した同志社大だったが、後半は持ち前のアタック力を生かして主導権を掌握。41分のラインアウトモールによるHO西濱悠太のトライを皮切りに、アグレッシブに攻め続けて5トライ4ゴールの33点をたたみかけ、摂南大の反撃を終盤の1トライに抑えて快勝した。

2022年度ラグビー関西大学 春季トーナメント 決勝戦

【ハイライト】京都産業大学 vs. 天理大学

また5週間前の定期戦で35-35と引き分けている関西学院大学と関西大学の7・8位決定戦は、後半最初の15分に3トライを重ねた関西学院大が競り合いを制した。CTB本山峻也の2トライなどで前半を19-10で折り返すと、ハーフタイム明けの大事な時間帯で集中力を発揮し、FWとBKが連動した攻撃で次々とゴールラインを越えて38-10と一気に引き離す。関西大もここから立て直して2トライを返したが、38-22の最終スコアで関西学院大が7位を確保した。

これで関西の大学ラグビーもひと区切りとなり、各校は束の間のオフを経て、夏合宿のシーズンを迎える。春の戦いを通して得た手応えと課題を糧に、それぞれがここからどのようにチームを仕上げていくのか。激戦必至の秋のリーグの幕開けを、楽しみに待ちたい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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