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ラグビー コラム 2022年5月31日

2023年ワールドカップに向け2チーム体制で強化を進めるラグビー日本代表。代表メンバーと「セカンドチーム」のNDSメンバーを発表。

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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会見に臨むジェイミー・ジョセフHC(右)と藤井NTD

5月31日(火)、6月から7月にかけてテストマッチ4連戦を控えるラグビー日本代表が会見を行い、藤井雄一郎NTD(ナショナル・チーム・ディレクター)とジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)が登壇した。

まず、日本代表34名と、指揮官自ら「セカンドチーム」と呼んだNDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)の選手34名が発表された。6月から7月にかけて、日本代表は2チーム体制で試合をしながら強化を進めていく。

ジョセフHCは2チームで強化していく意義について「私たちはフレッシュなメンバーを選び、2つのチームで、ウルグアイ代表戦、フランス代表戦に向かっていきたい。ケガがあった選手もいて、新しい選手が入ってきて、テストして、新しいチームを作り上げていきたい」。

2チームでの強化について語るジョセフHC

また、2019年ワールドカップ以降、「コロナ禍で、1年間で6~7試合しかできず遅れを取る中、6~7月に選手層をしっかり厚くして、来年のワールドカップに向かっていくことが大事だと考えています。ケガから戻ってくる選手たち、若い選手たちがこれからのテストマッチに向けてゲームタイムを確保し、コンディションを上げてワールドカップに向かってほしい」と話した。

5月9日付けで発表されていた日本代表候補63名から、PR(プロップ)岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス)、LO(ロック)長谷川崚太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、FL(フランカー)下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス)、NO8(ナンバーエイト)姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)、WTB(ウィング)アタアタ・モエラキオラ(コベルコ神戸スティーラーズ)の5名が選外となり、新たに若手を中心に10名がNDSに招集され、計68名のスコッドとなった。

6月3日より日本代表は宮崎で、NDSは大分で合宿をスタートさせる。まず、NDSのメンバーが「エマージングブロッサムズ」として、6月11日(土)にトンガサムライフィフティーンとチャリティーマッチを行う。次に日本代表の一部とNDSのメンバーで6月18日(土)のウルグアイ代表と第1テストマッチに挑み、6月25日(土)のウルグアイ代表戦から日本代表が戦うという。そして7月2日(土)9日(土)のフランス代表戦に備えるというわけだ。

また、ケガなど諸事情で招集できなかったのは、PR具智元(コベルコ神戸スティーラーズ)、LOジェームス・ムーア(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安)、LO長谷川崚太、FL福井翔大(ともに埼玉パナソニックワイルドナイツ)、NO8姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)、SO(スタンドオフ)松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、CTB(センター)中村亮土(東京サントリーサンゴリアス)、WTB/FB(フルバック)松島幸太朗(フランス・クレルモン)、WTB/FBセミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ)の9名だという。

6月~7月は2チームによる強化を行いつつ、テストマッチシリーズ後に、68名と上記の9名の計77名から秋に向けて日本代表を45~50名に絞るというわけだ。

共同主将に指名された坂手淳史

日本代表のキャプテンはHO(フッカー)坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、SH(スクラムハーフ)流大(東京サントリーサンゴリアス)の2人を共同キャプテンに選んだ。「リーダーシップは、チームの成長にとって大事と考えています。キャプテンとコーチ陣が同じ画を見ているのは重要で、坂手、流を共同キャプテンに任命しました」。

共同主将に指名された流大

「育成としてキャプテンのクオリティーを上げていくのが、フランス大会に向けて重要だと思います。新しい選手が入ってくる中で、日本代表はどういうチームか彼らの口から伝えていくことが非常に需要になってくると考えています」(ジョセフHC)。

SO(スタンドオフ)田村優(横浜キヤノンイーグルス)など、キャリアのある選手が、NDSに回った理由を聞かれて指揮官は「2年後のワールドカップを見ています。2019年でもいいパフォーマンスした選手でも、年齢が高くなっている選手もいるので、安定感、一貫性を持って、ゲーム感覚を取り戻してほしい。急にフランス代表と対戦するのではなく、プレッシャーをなくして調子を取り戻してほしい。最終的にそれがワールドカップで成功することにつながると思っています」と説明した。

今回、新たに日本代表にSO(スタンドオフ)を3人に選出した。3人の評価を聞かれてジョセフHCは「私が思うにクオリティの高い10番は5人にいます。李(承信)、中尾(隼太)、山沢(拓也)にチャンスを与えてみたいと思った。すべての10番はスキルが違います。山沢は代表に出たり入ったりですが、彼のことは監督してきました。彼は可能性のある選手なので、見てみたいと思った」。

「中尾は10番、12番でもプレーできますし、東芝で素晴らしいプレーをしているし、リーダーとしてもすばらしい。中村がケガをしたので、12番(CTB)に入ってくることも考えています。李は別府でも一緒に時間を過ごしたが、すごく感心しました。ハングリーさを持っているし、未来があると感じている。常にジャージーがほしいという意欲が伝わってきた」と話した。

また、HO堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)を2019年ワールドカップ後、初めて招集した理由を「堀江はほんとうにクオリティの高い選手だと思います。今季、リーグワンでは年齢を感じさせない、一貫性を持ち、素晴らしいシーズンを過ごしてくれた」。

「2019年ワールドカップ後、大きなケガもなく、彼が試合に出ると若い選手たちに大きな影響を与えてくれたと思います。彼の経験というものは、若い選手とインターナショナルレベルをつなぐもので、私の求めているような役割を今季やっていた。リーダーシップにも非常に期待している」と期待を寄せた。

基本的にケガがない限り、2チーム間の移動はないようだが、ジョセフHCは「ウルグアイ代表との1試合目の後、(日本代表に)連れてくることも考えていますが、すべてはパフォーマンス次第です」と含みを残した。

2023年フランス大会に向けて、「選手層を厚くする。ラグビーする機会を与える」という意図の下、テストマッチラグビーの準備をしながらも、ジョセフHCは2チーム体制で日本代表を強化していく。

◆日本代表34名

※(所属チーム/日本代表キャップ数)

【FW:18名】
PR 稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ/39)
PR ヴァルアサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ/20)
PR 垣永真之介(東京サントリーサンゴリアス/10)
PR 木津悠輔(トヨタヴェルブリッツ/3)
PR クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/6)
PR 森川由起乙(東京サントリーサンゴリアス/0)
HO 坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)※共同主将
HO 橋本大吾(東芝ブレイブルーパス東京/2)
HO 堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ/66)
LO サウマキ アマナキ(横浜キヤノンイーグルス/0)
LO ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京/1)
LO サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ/0)
FL ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ/2)
FL 古川聖人(トヨタヴェルブリッツ/2)
FL ピーター・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/13)
FL リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京/72)
NO8 ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ/6)
NO8 ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/2)

【BK:16名】
SH 齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス/6)
SH 中嶋大希(コベルコ神戸スティーラーズ/2)
SH 流 大(東京サントリーサンゴリアス/27)※共同主将
SO 中尾隼太(東芝ブレイブルーパス東京/0)
SO 山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ/3)
SO 李承信(コベルコ神戸スティーラーズ/0)
CTB 梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス/1)
CTB 中野将伍(東京サントリーサンゴリアス/2)
CTB ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/4)
WTB 高橋汰地(トヨタヴェルブリッツ/0)
WTB ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京/0)
WTB ゲラード・ファンデンヒーファー(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/0)
WTB シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ/6)
WTB 山下楽平(コベルコ神戸スティーラーズ/0)
FB 野口竜司(埼玉パナソニックワイルドナイツ/13)
FB 山中亮平(コベルコ神戸スティーラーズ/22)

◆NDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)選手(34名)

★印:5月9日に発表した日本代表候補外からの選出

【FW:20名】
PR 淺岡俊亮(トヨタヴェルブリッツ/0)
PR 海士広大(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/0)★
PR 北川賢吾(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/3)
PR 竹内柊平(NTTコミュニケーションズシャイニンズアークス東京ベイ浦安/0)★
PR 津嘉山廉人(横浜キヤノンイーグルス/0)
PR 三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ/7)★
HO 中村駿太(東京サントリーサンゴリアス/0)
HO 日野剛志(静岡ブルーレヴズ/4)★
HO 堀越康介(東京サントリーサンゴリアス/4)
LO 秋山大地(トヨタヴェルブリッツ/0)
LO 大戸裕矢(静岡ブルーレヴズ/4)
LO 辻 雄康(東京サントリーサンゴリアス/0)
LO ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモレッドハリケーンズ大阪/18)
FL 飯野晃司(東京サントリーサンゴリアス/0)★
FL 嶋田直人(横浜キヤノンイーグルス/0)
FL 徳永祥尭(東芝ブレイブルーパス東京/15)
FL シオネ・ラベマイ(東芝ブレイブルーパス東京/0)★
FL 山本浩輝(東芝ブレイブルーパス東京/5)
FL セル ジョセ(花園近鉄ライナーズ/0)
NO8 テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス/9)

【BK:14名】
SH 小川高廣(東芝ブレイブルーパス東京/2)
SH 茂野海人(トヨタヴェルブリッツ/13)
SH 小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ/0)★
SO 田村優 (横浜キヤノンイーグルス/68)
CTB シェーン・ゲイツ(NTTコミュニケーションズシャイニンズアークス/1)
CTB 立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/55)
CTB テアウパ シオネ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/3)
CTB ラファエレ ティモシー(コベルコ神戸スティーラーズ/27)
WTB 竹山晃暉(埼玉パナソニックワイルドナイツ/0)
WTB 根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/0)
WTB メイン平(リコーブラックラムズ東京/0)★
WTB 吉澤太一(NTTドコモレッドハリケーンズ大阪/0)★
FB 奥村翔 (静岡ブルーレヴズ/0)★
FB 尾崎晟也(東京サントリーサンゴリアス/3)

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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