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ラグビー コラム 2022年3月25日

トップ4への挑戦権をかけた重量級のバトル。リーグワン第11節、スティーラーズ×ブレイブルーパスプレビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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コベルコ神戸スティーラーズ vs. 東芝ブレイブルーパス東京

ディビジョン1のリーグ戦も残り6節。上位4チームで争われるプレーオフへの進出権をかけて順位争いが激しさを増す中、3月27日(日)の花園ラグビー場では、コベルコ神戸スティーラーズ東芝ブレイブルーパス東京が激突する。現在の順位はスティーラーズが7位、ブレイブルーパスが6位で、勝点差は4。どちらにとっても勝利がほしい一戦であり、力の入る熱戦になることが予想される。

ホストチームのスティーラーズは、コロナによる不戦敗もあって前半戦を2勝6敗と苦しんだが、折り返しの第9節でリコーブラックラムズに56-21と快勝。ケガで戦線離脱していた主軸も続々と復帰し、ここにきて急速に本来の姿を取り戻してきた印象だ。3月に入り、現在世界最高のアウトサイドCTBと評される南アフリカ代表のルカニョ・アムの加入と、ニュージーランド代表84キャップを誇る万能BKのベン・スミスの復帰も決定。不戦勝の前節を経て迎えるこの試合でどのようなパフォーマンスを披露するか、多くのファンが注目しているはずだ。

対するブレイブルーパスは前節、クボタスピアーズ船橋・東京ベイとの力勝負に28-43で競り負け、現在5勝5敗の勝点25。総得点は309で全体4位と高いスコア能力を発揮している一方、総失点も266 (全体8位)と多く、12チーム中最多のペナルティ数(126)とともに大きな課題となっている。ただ伝統の接点の激しさは健在で、スピアーズ戦も随所に確かな地力を感じさせる内容だった。クラブの顔ともいえるリーチマイケルがコンディションを上げてきているのもプラン材料で、チーム状態は上向きといえるだろう。

そんな両チームの戦いで最大の焦点となりそうなのは、「フィジカルバトル」のフレーズが定着した接点の攻防だ。スティーラーズは平均体重110キロ超のリーグ屈指のビッグパックを擁する大型チームであり、ブラックラムズ戦はコンタクトエリアで相手を制圧できたことが、8トライを挙げる猛攻の要因となった。一方のブレイブルーパスも強烈なヒットとブレイクダウンの激しさを身上に輝かしい足跡を残してきたチームだけに、ボール争奪局面では見応えある攻防が繰り広げられそうだ。

 

スタッツの比較で特徴的なのは、オフロードパスの数。スティーラーズの55に対し、ブレイブルーパスは123とリーグ全体でも飛び抜けて多い本数を記録していて(2番目の東京サントリーサンゴリアスは97)、実施試合数でスティーラーズが2つ少ないことを考慮しても、かなりの違いがあることがわかる。実際の印象でも、ラックを重ねながらオーバーラップやディフェンス突破で大きくゲインするシーンが目立つスティーラーズに対し、ブレイブルーパスのアタックはタックルを受けながらボールをつないでチャンスを作るイメージが強い。どちらがより多く得意な形に持ち込めるか、ひとつの見どころだろう。

 

選手のマッチアップでは、スティーラーズのアタアタ・モエアキオラとブレイブルーパスのジョネ・ナイカブラのWTB対決に注目したい。リーグ全体でモエアキオラがトライ数8位(5本)、クリーンブレイク数9位(6回)、ディフェンス突破数7位(34回)という成績に対し、ナイカブラはトライ数4位(7本)、クリーンブレイク数3位(10回)、ディフェンス突破数2位(49回)。パワフルな突破型のモエアキオラに対し、ナイカブラはキレと加速力が武器でタイプは違うが、いずれも決定力のあるランナーだけに、それぞれの走りがゲームの流れを左右しそうだ。

コベルコ神戸スティーラーズ スターティングメンバー

2日前に発表されたスターティングラインアップを見ていくと、スティーラーズは直近の試合となる2節前のブラックラムズ戦から4人を入れ替えた。変更はすべてBKで、注目のCTBアムはいきなり13番を背負って先発。ゲーム主将を務める李承信が12番から10番に上がり、ベテランのSH日和佐篤とHB陣を組む。WTBモエアキオラ、FB山中亮平もスタメンに復帰した。FWはブラックラムズを圧倒した好調の布陣そのままだ。

東芝ブレイブルーパス東京スターティングメンバー

ブレイブルーパスの前節からの変更は5人。LO梶川喬介は第4節以来の先発で、FLリーチ、CTBティム・ベイトマン、FB豊島翔平がリザーブからスターターに繰り上がった。11番をつけるWTB濱田将暉は、第7節以来4試合ぶりのメンバー入りだ。キャプテンはSHの小川高廣が務める。

現時点で4位横浜キヤノンイーグルスとの勝点差は、スティーラーズが11、ブレイブルーパスは7。今節含め残り6試合であることを考えれば、この試合はそれぞれにとってトップ4入りへの挑戦権をかけた戦いといっていいだろう。ホストチームのスティーラーズがボーナスポイント付きの勝利を挙げ、かつ相手にボーナスポイントを与えなければ、両者の順位は入れ替わる。むろんブレイブルーパスも簡単にそうはさせないはずだ。好ゲームになる条件は十分そろっている。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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