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埼玉ワイルドナイツvs.東芝ブレイブルーパス東京
前節は「BYEウィーク」(休みの週)で試合がなかった「ジャパンラグビー リーグワン」のディビジョン1。2月19・20日の第6節からA・Bカンファレンスの交流戦が始まる。
19日(土)、3連勝(勝ち点14)で5位まで上がってきた埼玉パナソニックワイルドナイツはホストの埼玉・熊谷ラグビー場に、勝ち点で1つ上の4位、東芝ブレイブルーパス東京を迎える。
新型コロナウィルス感染症の陽性者が出てしまい、開幕から2試合が中止になったトップリーグ最後の王者・埼玉ワイルドナイツ。前節はNTTコミュニケーションズシャイニングアークス浦安東京ベイに48-5で快勝して3連勝を達成。ロビー・ディーンズ監督は「いいパフォーマンスが出せた」と満足げだった。
一方、東芝ブレイブルーパス東京は東京サントリーサンゴリアス、トヨタヴェルブリッツには負けたものの、今季は力のあるところを見せており、前節はホストで静岡ブルーレヴズに59-26と快勝。
トッド・ブラッカダーHC(ヘッドコーチ)は「容赦なく実行するという部分をやりたいと話して試合に臨んだ。すごくいいラグビーができたと自負しています」と胸を張った。
いずれにせよ両チームともに上り調子であり、交流戦1試合目ということもあり、上位チームを追うためには勝ちたい試合である。
埼玉パナソニックワイルドナイツ
まずホストである埼玉ワイルドナイツのメンバーを見てみたい。前節、快勝した試合からFW(フォワード)1人、BK(バックス)1人の2名を交替。ほぼベストメンバーといっていいだろう。
FW第1列は日本代表のPR(プロップ)稲垣啓太と平野翔平、さらにキャプテンの日本代表HO(フッカー)坂手淳史が務める。LO(ロック)はジャック・コーネルセンとコンビを組むのが、先発に復帰した元イングランド代表ジョージ・クルーズだ。
バックローは変わらず、前節MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に輝いたFLベン・ガンター、ジャッカルの名手FLラクラン・ボーシェー、さらには若きNO8(ナンバーエイト)福井翔大の3人が務める。
BKはSH(スクラムハーフ)内田啓介と日本代表SO(スタンドオフ)松田力也の伏見工業の先輩・後輩がハーフ団を務める。CTB(センター)には前節はベンチだった元ウェールズ代表ハドレー・パークスが12番に復帰し、日本代表CTBディラン・ライリーとコンビを組む。
バックスリーはWTB(ウィング)にオーストラリア代表マリカ・コロインベテと昨季の新人賞の竹山晃暉、さらにFB(フルバック)には安定感あるプレーを見せている野口竜司が入った。
控えにはHO堀江翔太、PRクレイグ・ミラー、PRヴァルアサエリ愛の日本代表の3人、LOマーク・アボット、長谷川崚太といった日本代表合宿に参加した2人、さらにSH小山大輝、地元・熊谷出身のSO山沢拓也、そして前節は先発だったCTB/WTBヴィンス・アソが入った。
埼玉ワイルドナイツはやはり堅守速攻のチーム。タックル成功率は86%、ペナルティの回数も1試合10回ほどだった。タックル成功率をさらに上げて、ペナルティの回数もさらに少なくしてターンオーバーからのアタックル数を増やしていきたい。
東芝ブレイブルーパス東京
次に東芝ブレイブルーパス東京のメンバー。FW2人、BKは1人と3人変更し、ポジション変更が1人となった。やはり経験ある選手の多いFWでプレッシャーを与えたい。
FW第1列は前節控えだったPR三上正貴、HO森太志の日本代表経験のある2人が先発、新人のPR小鍜治悠太(天理大学出身)は引き続き先発する。LOは昨秋日本代表キャップを得た19歳のワーナー・ディアンズ(流通経済大柏高校出身)とLOジェイコブ・ピアスの新戦力の2人がコンビを組む。
BKは共同キャプテンSH小川高廣、そしてSOにはインサイドCTBで好パフォーマンスを見せていた中尾隼太が上がった。そしてインサイドCTBには控えからティム・ベイトマンが入り、元ニュージーランド代表のセタ・タマニバルとコンビを組む。
バックスリーにはWTBは濱田将暉、ジョネ・ナイカブラといった決定力のある2人、FBには新人の松永拓朗(天理大学出身)が務める。
控えにはHO橋本大吾、PR金寛泰、PR知念雄、LO伊藤鐘平といったフィジカルの強い選手に加えて、日本代表FLリーチ マイケルが入った。さらにSH杉山優平、7人制日本代表でキャプテンを務めたジョニー・ファアウリ、走力のある桑山聖生も試合途中からの出場をうかがう。
東芝ブレイブルーパス東京は4試合でボールを大きく動かすアタックは機能しており、前節が終わった段階でトライは25で12チーム中2位、ディフェンス突破も122回で2位、オフロードパスもトップ1位の73回だ。
ディフェンス突破数ランク
個人のスタッツでもディフェンス突破数も1位にWTBナイカブラ(27回)、4位にCTBタマニバル(21回)、ゲインメーターでも1位にナイカブラ(550m)、8位にCTBタマニバル(366m)が入った。
ただ、ラインアウト成功率は81%ほどだったが、スクラムの成功率は62%と低く、この試合では修正し、セットプレーから活きたボールを突破力のある選手の揃うBKに供給したいところだ。
いずれにせよ、ディフェンスの埼玉ワイルドナイツvs.アタックの東芝ブレイブルーパス東京という試合になることは間違いないだろう。
また、埼玉ワイルドナイツのディーンズ監督と東芝ブレイブルーパス東京のブラッカダーHCは、ニュージーランドのクルセイダーズで師弟関係にあった間柄で、ともにオールブラックス経験があり、クルセイダーズでの指導歴もある。2020年の対戦ではディーンズ監督が率いる埼玉ワイルドナイツが46-27で勝利している。
ニュージーランド出身の名将が率いる両チームには国際経験のある選手が多く、みどころの多い試合になることは間違いない。堅守のワイルドナイツか、攻撃のブレイブルーパスか。試合は2月19日(土)午後5:00にキックオフされる。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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